便秘(生理痛、腰痛、左脚のしびれ、不眠症、頭痛、肩こり)

便秘(生理痛、腰痛、左脚のしびれ、不眠症、頭痛、肩こり)

薬を飲んでも出なかった便秘が薬を飲まずに解消された!

20代女性
来院に至った経緯
子供の頃から慢性的に便秘で3日に一度しか出なかったが、大人になるまでそれが普通だと思っていたので、便秘という自覚がなかった。

中学生になると生理痛が酷くなった。生理痛は下腹部の奥の方が痛む感じで、なぜか2ヶ月に一度しか痛くならなかったが、痛くなるのが嫌で毎月生理期間中は痛み止めを飲んで対処していた。高校生くらいになると生理のときだけ腰痛を感じるようになったので、両親が通っていた近所の整体院でマッサージをしてもらっていた。

客室乗務員の仕事についてからは、便秘がより酷くなり便秘薬を飲んでも1週間に一度出れば良い方だった。国際便に添乗していたため、環境が目まぐるしく変わる影響か、睡眠の質が悪くなり、頭痛も止まらなくなるなど苦しんでいた。

特にコロナ期間中が最悪で、せっかく日本に帰国しても隔離期間中に休みが終わってしまい、またフライトで海外へ行くというような生活を送っていた。その影響か、便秘やガス溜まりが酷くなった。

コロナ明けと同時くらいに結婚して客室乗務員の仕事は退職したが、1か月くらい前に重たい荷物を持った拍子に歩けないほど腰を痛めてしまった。また仕事を退職して、日本で安定した生活を送っていたはずなのに、月日が経っても睡眠の質が悪いままで、午後から夕方にかけて頭痛が頻発するようになった。

これまで肩こりというものは感じたことがなかったが、首や肩が異常に凝るなと感じるようになった。学生の頃は整体院でマッサージしてもらっていたなと思いだし、近所いの整体院でマッサージをしてもらおうと思って行くと、何も説明がないまま急に腰や首をバキバキされた。

明らかに腰痛が酷くなり左脚に軽いしびれが出るようになった。整体院の先生からは、好転反応だからすぐに消えるから問題ないと説明されたが、3か月経った今でも腰痛と左脚のしびれが消えることはなかった。

結婚して、これから子供もほしいと思っているのに、便秘、腰痛、脚の痺れ、不眠症、頭痛と症状が酷くなっていく身体にこのままでは良くないと思い、自分で良い治療院を探してみることにした。

そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、この人なら治してくれるかもと思い、銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみた。残念ながら塩川先生は新規の予約は診ていないと言われてしまったが、横浜市戸塚区にお住まいでしたら副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていますよと紹介してもらった。

カイロプラクティックは受けたことがなかったが、銀座よりも藤沢の方が通いやすいし、塩川先生のお弟子さんで副院長をしていた先生なら問題ないだろうと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎左横突起の強い浮腫感

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、脚の痺れはまったくなくなり、腰痛もそれほど気にならなくなった。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

4週目(6回目のアジャストメント)には、腰痛はまったく感じなくなった。また睡眠の質が良くなったような気がして、午後になると感じていた頭痛はほとんど気にならなくなった。

7週目(9回目のアジャストメント)には、便通が明らかに良くなり、酷いと1週間出なかったものが、薬を飲まなくても1~2日に一度は出るようになった。また首や肩の凝りがそれほど気にならなくなった。

12週目(14回目のアジャストメント)には、便秘はまったく気にならなくなり最低でも毎日一度は出るようになった。また明らかに生理痛が楽に感じるようになり、痛み止めを飲まなくてもほとんど生理痛を感じなかった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の便秘は、自律神経の乱れにより、腸の蠕動運動に異常をきたしていたことが原因であったと考えられる。

検査では骨盤部と上部頸椎に強い反応があったが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、自然と交感神経が優位となり、徐々に自律神経のバランスを乱していったのだろう。

特に腸の蠕動運動は副交感神経が優位なときに活発に働くので、交感神経が優位になると腸の蠕動運動が低下してしまい、便秘の原因となってしまう。また軽い不眠症も発症していたが、交感神経が過剰に働くことで休まるスイッチが入れられずに不眠症となっていたのだろう。

午後から夕方に掛けて出る頭痛は緊張性の頭痛であり、交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。国際便のフライトで何度も海外へ行き来していたことも、体内時計を乱してしまい、自律神経の乱れに拍車をかけていたのだと考えられる。

生理痛に関しては、女性ホルモンの分泌異常からプロスタグランジンという物質が過剰に分泌していたと考えられる。プロスタグランジンは生理の時に不要になった子宮内膜や経血を体外へ排出させる作用があるが、プロスタグランジンが過剰に分泌していると生理の時に子宮が過剰に収縮して激しい痛みを伴ってしまう。これが生理痛の正体である。

また近所の整体院へ行って、何も説明なく腰や首をバキバキされたとのことだが、これは本当に由々しき問題である。私は好転反応という言葉自体が好きではないため、普段の臨床中でも使わないようにしている。「通常反応」なのか、「有害反応」なのかだけである。

人間には本来、自然治癒力という偉大なチカラが備わっており、我々カイロプラクターが何か症状を治しているわけでは決してない。神経の圧迫であるサブラクセーション(根本原因)を見つけ出し、それを受け入れ、正しているだけである。

今回は下肢へのしびれも出ていたが、人間の痛みの感覚は「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行していくため、回復過程では必ずその逆を辿り「麻痺→痺れ→痛み→正常」の順番で回復していく。

この過程が「通常反応」なのか、「有害反応」なのかを判断することができるのは、しっかりと検査を行っているかどうかだけである。話は逸れたが、どのような手技療法であったとしても、きちんと検査を行っている治療院を見極める目も、この先の消費者(患者側)が得るべき知識であるといえる。

それさえできれば、あとは神経の流れを整えて、体の情報を脳へ届けるだけである。今回のケースでも、アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

何においても問題の神経系を特定する検査が重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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