便秘(下痢、不眠症、末端冷え性、生理不順、肩こり)

便秘(下痢、不眠症、末端冷え性、生理不順、肩こり)

子供の頃からの便秘が解消した!

20代女性
来院に至った経緯
幼い頃から便秘が酷くて、小学生になる頃には1週間出ないこともあった。授業中にもお腹が痛くなってトイレに行くが、それでも出ないということが多かった。

小学2年生からダンスを始めて、体を本格的に動かすようになったが、それでも便秘は変わらなかった。母親が食事を気にして作ってくれても、何を食べても便秘が続くので、病院へ行った。

病院では便秘薬を処方されたが、今考えるとその薬を飲むと下痢が止まらなくなったので、ただの下剤だったのかなと思っている。薬を飲まないと便秘、薬を飲むと下痢ということを繰り返していたが、中学生になる頃には治らないなら薬を飲んでいるのは馬鹿らしいなと思い、飲まなくなった。

中学3年生のときに、ずっと続けてきたダンスを何か形にしたくて、アイドルのオーディションを受けた。結果は合格で高校からは都内の学校に通うことになった。東北の田舎から出てきて都内の環境にビックリしてしまったのか、次第に体調が悪くなってきた。

これまで不眠で苦しんだことなど子供の頃から一度もなかったが、急に睡眠の質が悪くなった。またダンスを踊ってどれほど汗をかいても、手足など末端だけが冷えていた。それから不眠症と末端冷え性は続き、眠れなくて体調が悪いのか?末端の冷えが気になって眠れないのか分からなくなってきた。

病院へ行くと不眠症だと診断され睡眠薬を処方されたが、小学生の頃に便秘の薬を飲んでも治らなかったので薬には頼りたくなく、薬は飲まずにアイドル活動を続けた。この頃には便秘は酷いときは2週間出ないこともあった。

高校2年生になると生理不順になった。いつも毎月決まった周期で来ていたが、睡眠不足の影響か3か月間も生理が来なくて東北の両親に相談すると、今すぐ病院へ行きなさいと言われた。

また病院かと思ったが、婦人科を受診すると3か月以上生理が来ないのは無月経だと診断されて薬を処方されたが、薬は飲みたくなかったので、その場では薬をもらって家では飲まなかった。

高校2年生の終わりころには肩こりが酷くなった。アイドル活動は続けていてダンスで身体を動かしているのに、なぜ肩こりになるのか分からなかった。肩こりは痛みを伴って、酷くなると吐気がすることもあった。

高校生活をしながらアイドルを続けるのは体力的にも精神的にも本当に辛かった。高校3年生になると、すべての症状が悪化して、このままアイドル活動を続けるか?大学へ行くか?の選択を迫られ、体調のことを考えてアイドルは引退して大学へ行くことになった。

現在は、大学を卒業して社会人3年目を迎えるが、社会人になって困ったことは、会社は学校のように頻繁には休めないということだった。眠れないと体調がどんどん悪くなる気がしたので、結局あれほど頼りたくなかった薬を飲むことになった。

これだったら、あのとき薬を飲んででもアイドルを続けた方が良かったかもしれないと思うようになった。今でもあのとき体調が悪くならずにアイドルを続けていたら、違う人生だったかもしれないと後悔していた。

そんなとき、私の体調の悪さを心配してくれた会社の同僚からYoutubeに塩川満章先生っていうすごい先生がいるよと紹介してもらった。最初はバキバキされれば肩こりが良くなるかなくらいに思っていたが、動画を見ると不眠症の人が眠れるようになったとか、アトピーの人が治ったとあった。

これまで病院以外は、どこにも行ったことがなく、整体院はおろかマッサージすら受けたことがなかったので最初は半信半疑だった。機会があれば受けてみたいな程度に思っていたが、会社の同僚は体調が悪いことを心配してくれて熱心に調べてくれた。

すると藤沢駅の近くで塩川満章先生のお弟子さんが開院してるみたいだよと同僚から聞き、藤沢駅だったら通える距離だなと思い、当院に来院された。


【神奈川県横浜市西区から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜の強い浮腫感

  • 02

    頸部左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    左後頭部の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、左右の仙腸関節は動いていたものの、正中仙骨稜に強い浮腫感が確認された。また左第一頸椎には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルだった。頸部の椎間板にはそれほど異常は確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失して逆カーブとなっていた。初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、酷いときには2週間近く出なかった便秘が、薬を飲まなくても2~3日に1回は出るようになった。また薬を飲むことがなくなったので下痢になることはなくなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、お風呂に入った後に手足が温かいなと感じるようになり、そのまま布団に入れば冷えを感じることはなくなった。この頃から睡眠の質が変わったように感じ、寝起きがすっきりと起きれるようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

11週目(8回目のアジャストメント)には、生理周期も通常に戻った。また睡眠薬を飲まなくても眠れるようになった。この頃には便秘もほとんど気にならなくなり、ほとんど毎日1回は出るようになった。

19週目(12回目のアジャストメント)には、この頃には、肩こりも本人すら忘れているほど気にならなくなっていた。この段階でケアのペースを3週間に広げることができた。

現在は、すべての症状が落ち着いたが、健康な身体を維持したいという思いから、1か月に一度のペースでカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の便秘の原因は、自律神経のバランスが乱れたことが一番の原因だと考えられる。

通常、大人の便秘に対しては、通常交感神経の問題である場合が多い。便秘と関連する肝臓、膵臓、小腸、大腸などの内臓と繋がる神経は交感神経部位に集中している。交感神経機能が低下することで、身体全体の代謝が低下して便秘となってしまう。

今回の便秘のように、小児からあるものに関しては、骨盤部(特に仙骨)の問題となることがある。骨盤部(特に仙骨)は副交感神経支配の部位となるが、交感神経が過剰になることで肛門括約筋の収縮が過剰になり排便が困難となってしまうケースがある。

また腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)は自律神経によってコントロールされているが、交感神経が過剰に働くと腸の蠕動運動が低下してしまう。すると排泄物が腸内にとどまっている時間が長くなることで、大腸が必要以上に水分を吸収してしまい、便秘となってしまう。

不眠症に関しても自律神経が関係している。骨盤部と上部頸椎というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があったことで、交感神経が過剰に働き、体が常に緊張状態となり休息のスイッチを入れられずに不眠症となっていた。

末端冷え性に関しても、交感神経が過剰になったことが原因だと考えられる。交感神経の働きの作用として末梢の血管を閉じる役割があるが、その状態が長期間続いたことで末端まで血液が巡らなくなり末端冷え性となっていたのだろう。

肩こりに関しては2種類考えられる。骨格が不安定になり頭の重さを支えられず首や肩の筋肉を硬直させるケース。交感神経が過剰になることで体が常に緊張状態となり肩こりになるケース。今回の肩こりは痛みを伴う肩こりであり、他の症状から考えても明らかに自律神経のバランスを乱した交感神経過剰が原因だろう。

生理不順に関しても自律神経が考えられる。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは脳と卵巣が神経によって連携が取れることで正常に分泌される。自律神経のバランスが乱れると、この連携が上手くいかなくなり女性ホルモンの分泌異常を引き起こし、結果として生理不順となっていたのだろう。

どのような症状であったとしても、問題となっている神経系を絞ってアプローチすることの重要性が分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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