両膝の痛み

両膝の痛み

眠れないほど痛かった両ひざの痛みが治った!

60代女性
来院に至った経緯
仕事は長いこと学校の調理師をしていた。マンモス校の学食だったので、毎日のように大量の仕込みをしたりで中腰の姿勢が続いたり、重たい物を持ったりと腰に負担がかかっていた。

過去には何度かぎっくり腰をやったことがあるが、仕事の多忙から体のメンテナンスは怠っており、マッサージすら行ったことがなかった。騙し騙し仕事をこなしていたが、孫も生まれて定年退職の年齢となったので仕事は引退して自分の体のケアをしようと思った。

定年退職してすぐに友人と北海道へ旅行に行った。たくさん歩いて疲れたなと思っていると友人からマッサージに行こうと誘われた。自分の体のケアをしようと決めていたので、ちょうど良い機会だと思ってマッサージを受けることになった。

2階にある店舗だったので階段を上り、一通りマッサージを受けた。マッサージが終りベッドから起き上がり、床に足をついた瞬間に両膝にビリっと強い電気が走り立ち上がることができなくなった。

そのままどれだけ時間が経っても起き上がることができず、階段を下ることもできずに救急車で運ばれることになった。病院に着くころには両膝がパンパンに腫れあがり、とても歩行できる状態ではなく、楽しみにしていた旅行も途中で帰宅せざるを得なくなった。

地元に帰り、近所の整形外科に行った。そこでレントゲンを撮ると「軟骨がすり減って膝に水が溜まっている」と言われた。病院の先生が言っていることだからと何も疑いなく両膝の水を抜いてもらうことになった。

その日は両膝の水をぬいて痛み止めを処方された。翌朝起きると、前日までとは比べ物にならないほどの痛みが出た。3日間経っても痛みが治まる気配はなく、痛み止めもまったく効かなかった。

診療してもらった整形外科に行くと、また膝に水が溜まっているからと両膝とも水を抜かれた。そんな状態を合計3回繰り返したが、まったく痛みは治まらなかった。

このまま病院に通っても悪くなるだけだと思ったので、近所の整体院や針治療などに通ったがまったく良くならなかった。それどころかどんどん痛みは強くなり、杖無しでは歩けなくなってしまった。膝専門医にも何か所も訪れたが、言われることは最初の整形外科と同じだった。

口コミの良かったところを娘に見つけてもらって膝専門整体院にも通ってみたが、何も変わらず痛みがどんどん酷くなり、杖を使っても歩けなくなってしまった。

杖を使っても歩けなくなってしまったある日、娘から「お母さん、膝そんなに曲がってたっけ?」と言われ、鏡を見ると自分でもハッキリ分かるほど両膝が変形していた。それからというもの、半年間以上経つが両膝の腫れはまったく治まる気配がなく、それどころか膝が伸びなくなっていることに気づいた。

仰向けで寝ていても両膝が曲がっている状態で、無理に伸ばすと耐え難い痛みに襲われた。あまりの痛みに次第に睡眠すらとれなくなり、病院へ行くと今度はブロック注射を打たれたが、何も変わることはなく膝の腫れがますます酷くなった。

仰向けで寝ていると重力によって徐々に膝が伸びてきて痛みで目を覚まし、横向きで寝ていると上に乗っている自分の脚の重さで下になっている膝に痛みが出て目を覚ましてしまった。

そんなとき銀座の塩川カイロプラクティック治療室に通っている知人から、以前に前田先生の施術で膝の痛みがなくなったという話を聞いた。なんとかしてほしいというすがる思いで当院に来院されたが、当院に来院されたときには膝の痛みで2週間ほとんど眠れていない状態だった。

【神奈川県茅ケ崎市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    腰部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。また右仙骨翼には強い浮腫感も確認された。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週3回のケアから開始した。

2週目(5回目のアジャストメント)には、眠れないほどの両ひざの痛みはかなり緩和され、睡眠が取れるようになった。右の仙骨翼に広がっていた浮腫感も明らかに減少が見られた。

3週目(9回目のアジャストメント)には、膝の腫れも徐々に引いてきて、睡眠時の両ひざの痛みはほとんど感じなくなった。またこの段階でケアのペースを週2回に広げることができた。

5週目(13回目のアジャストメント)には、歩いていても痛みをほとんど感じなくなり、杖無しでも歩けるようになった。

7週目(17回目のアジャストメント)には、膝の腫れもすっかり引いて、歩行時も睡眠時も膝の痛みはまったく感じなくなった。またこの段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

現在は、二度と同じような症状に苦しみたくないという思いと、もう少ししたらお孫さんと一緒に遊びたいという思いから、ケアのペースを2週間に一度に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の両膝の痛みの原因は、骨盤の可動域制限によって両方の膝関節に必要以上の負荷がかかっていたものと考えられる。また過去には何度もぎっくり腰を繰り返しているということだったが、骨盤部の乱れから背骨全体の配列が乱れ、腰部の神経にも必要以上の負荷がかかっていたのだろう。

人間は重力によってかかった上半身の重さを、左右の股関節の働きによって地面へ二分している。しかし骨盤の可動域制限により股関節が十分に機能しなくなると今回のような膝関節への負荷が偏り、その結果として歩けないほどの両膝の痛みとなっていたと考えられる。

何よりも注目したいのは、骨盤部や腰部から下半身へと繋がる神経機能である。痛みを感じる神経は感覚神経という。人間の痛みの感覚は、【正常→痛み→痺れ→麻痺】の順番で進行してしまう。

両膝の痛みが出るきっかけとなったのはマッサージだが、過去に何度もぎっくり腰を繰り返している状態は、それだけ骨盤の不安定さから腰部の神経に負担がかかっていたものと考えられる。神経は10円玉くらいの重さが乗るだけで、神経の流れが6割も減少してしまうが、神経の流れが6割阻害されても痛みを感じない人もいる。

つまり、マッサージを受けたことが原因ではなく、骨格の不安定さから神経に負担がかかっていたところを筋肉が頑張ってガチガチに固めていたものをマッサージによって不必要に緩めてしまった結果、元から負担の掛かっていた膝関節から痛みというシグナルとなって表れたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため、正しく自然治癒力が働き、両膝の痛みの改善に繋がったと考えられる。ただし、痛み自体は無くなったとしても曲がってしまった骨や関節自体は元に戻ることはないため、骨や関節が変形する前に少しでも早くサブラクセーションを取り除く必要が分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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