不安感、不眠症、呼吸が浅い、頭痛、動悸

不安感、不眠症、呼吸が浅い、頭痛、動悸

得も言われぬ不安感が解消された!

40代男性
来院に至った経緯
仕事はITエンジニアで一日中パソコン作業が続いていた。夜も遅くなることが多く、時には終電を逃してしまい会社に寝泊まりすることもあった。幸いにも会社にシャワー室や仮眠室があったため、寝ずの番ということはなかった。

そんな生活が何年か続いた頃、頭痛を頻繁に感じるようになった。いつも決まって午後になると頭痛を感じ、一度出ると夜眠るまではずっと頭痛を感じるということが続き、仕事にならないので頭痛が出そうだなというタイミングで頭痛薬を服用するようになった。

ある日、仕事が立て込み「これは今日も終電逃すな…」と思っていると、急に心臓の鼓動が強く感じドクンドクンと脈が速いのが自分で分かるほど動悸がしてきた。心臓はさすがに怖かったので、なんとか平日の午後に休みをもらい病院で精密検査を受けることにした。

心臓や脳の検査などすべて受けたが、CTでもMRIでも異常なしと診断された。心臓にも脳にも異常がないなら、逆になぜ動悸がしてくるのかと不安になった。そのことを医師に伝えると、それは心の病気だから心療内科に行ってくださいと言われた。

その日以降、何かあると不安感を覚えるようになった。家庭の事でも仕事の事でも、まだ起きていないことが不安に感じ、考え込んで今度は夜眠れなくなった。当然、日中は眠く仕事に集中できなくなってミスも増えてしまった。

それでも夜になると不安感が襲ってきて、考え込んで眠れなくなってしまうということを繰り返していた。動悸がするようになって以降、明らかに呼吸が浅いと感じるようになった。この頃から便秘になり、3日に一度くらいしか便が出なくなった。子供の頃から快便で、便通で悩んだことなど一度もなかった。

心療内科でいろいろ相談するとうつ病の一種だと言われたが、考え込んでしまうだけで心の病気では断じてないと自分に鞭打ってガムシャラに働いたが、そうすると動悸や息苦しさ、便秘もどんどん酷くなった。

薬に頼ってはダメだと思い、何か良い方法はないかと探していたところ、Youtubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。カイロプラクティックは一度も受けたことがなく、腰が痛い人が通うところくらいしか認識がなかったが、動画内では不眠症の人が眠れるようになったとか自分が思っていたカイロプラクティックとはまったく違った。

調べてみると塩川先生のクリニックで副院長をしていた前田先生が藤沢駅の近くで開院されていることを知った。普段体が不調の時に通っていた整体院や針鍼灸院のクリニックは日曜日や祝日は休んでいるところが多かったが、前田先生のクリニックは休日もやっていると知り、これは仕事が休みの日でも通いやすいと思い、当院に来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、首の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで椎骨の変性も確認され、前弯カーブ(前カーブ)も消失してストレートネックになっていた。

腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

3週目(5回目のアジャストメント)には、午後になると感じやすかった頭痛は、それほど気にならなくなり頭痛薬は飲まなくなった。このタイミングで週2回のケアから週1回のペースに広げることができた。

7週目(9回目のアジャストメント)には、仕事が夜遅くまで続いていても動悸は出なくなった。そういえば呼吸が浅い感じもあまり気にならないと本人も忘れているほどだった。また便通も以前のように普通に出るようになった。

12週目(15回目のアジャストメント)には、不安に感じる回数が減っているかもと実感できるようになった。考え込むことが少なくなり、睡眠も以前のように眠れるようになってきた。

17週目(20回目のアジャストメント)には、不安感はまったくなくなり、身体全体の調子が良いと感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の不安感の原因は、自律神経のバランスが乱れたことで、体内でホルモンバランス異常が起こっていたものと考えられる。

人間の精神面はホルモンバランスの影響を大きく受けてしまう。例えば、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンはその総量の90%以上が腸から分泌される。腸の蠕動運動は副交感神経が優位な状態で活発化される。

検査では上部頸椎と骨盤部という、どちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)が確認された。副交感神経の機能が低下することで、腸の蠕動運動が低下して便秘となり、セロトニンの分泌量も減少していたと考えられる。

全身の司令塔である脳からはセロトニン総量のわずか2%しか分泌されていないとされているが、このたった2%が人間の精神面に大きく関係しているとされている。自律神経のバランスが乱れたことで、脳が体の状態を正しく把握できなくなり、その状態が脳にとっても多大なストレスとなっていたのだろう。

交感神経が過剰な状態では、体が過緊張の状態となりやすい。午後から夕方に掛けて出る頭痛は緊張型の頭痛であり、交感神経が過剰になっている人の特徴でもある。また交感神経が過剰に働いたことで、横隔膜が開かずに呼吸が浅くなり、休まる神経が働かずに不眠症にも繋がっていたのだろう。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで自律神経のバランスが整った結果、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。

どのような症状であったとしても、問題の根本原因を特定する検査が何よりも重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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