パニック障害、動悸、息苦しさ、めまい、便秘、生理痛、頭痛、末端冷え性

パニック障害、動悸、息苦しさ、めまい、便秘、生理痛、頭痛、末端冷え性

一人で電車に乗っても平気になった!

20代女性
来院に至った経緯
小学生から高校生までは、長距離ランニング、バドミントン、テニスなどアクティブに身体を動かしてきた。大学1年生のときに交通事故で左足首を骨折してから体調がどんどん悪くなった。

最初は便秘から始まった。これまで便秘で苦しんだ経験など一度もなかったが、運動ができなくなった影響か3~4日排便がないということが続いた。当然のようにガス溜まりも酷くなり、お腹が張って苦しかった。

大学2年生には生理痛が酷くなった。中学、高校と生理痛もほとんどなかったが、大学生の交通事故以降、生理痛が酷くなり、特に生理初日は痛み止めを飲んでも動けないほどの下腹部痛に襲われた。

大学3年生になると、午後~夕方以降に頭痛が出るようになった。毎日のように出る頭痛が嫌になり、あまり飲みたくなかった薬を毎日のように飲むようになった。交通事故以降は運動もまったくできずに、手足など末端が冷えていることに気づいた。

社会人になり、保険会社に就職したが、最初の研修でコールセンターに配属されてから本格的に体調が悪くなった。毎日のようにクレーム処理の電話を受けていると頭がおかしくなりそうになった。

当時の上司からは毎日のように小言を聞かされ、パワハラ、セクハラは日常茶飯事だった。ある日、仕事中に動悸がしてきて、息苦しさやめまいがするようになった。その日は帰って早く寝ようというくらいだった。

次の日、通勤電車に乗ると前日感じたような動悸がして、息苦しさやめまいが出てしまった。それ以降、仕事中や通勤電車で度々同じようなことが起きて、病院を受診するとパニック障害だと診断された。

抗うつ薬や抗不安薬を処方され、生理痛や頭痛の問題など気づけば薬漬けになってしまった。このままではいけないと自分で調べて評判の針鍼灸に通ってみたが、半年間通ってもほとんど変化がなかった。自律神経の専門家という整体院にも半年間通ってみたが、針治療よりも何も変化がなかった。

各症状はどんどん酷くなり、このままだと仕事ができなくなると不安になった。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。動画ではさまざまな症状の人が治ったと言っていたので、これは本物だと思い、パニック障害も治るかもしれないと思った。

ただ塩川先生がいる塩川カイロプラクティック治療室が銀座だったため、仕事が終ってからだと診療時間内に間に合わないなと思っていた。調べてみると副院長だった前田先生が藤沢駅前で開院されていることを知り、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。首の椎間板の段階も慢性的なD3レベルが確認され、首のカーブは減少しストレートネックを通り越して逆カーブとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、午後になると感じていた頭痛はほとんど感じなくなり、頭痛薬を飲まなくてもよくなった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、電車に乗っても息苦しさやめまいが出なくなったが、仕事中に嫌な電話対応があったりすると動悸がしてきた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、生理痛が楽に感じるようになった。また手足の冷えはほとんど感じなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(12回目のアジャストメント)には、仕事中の動悸もほとんどしなくなった。休みの日に一人で電車に乗って遠出をしてみたが、それでも息苦しさやめまいは出なかった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のパニック障害の原因は、自律神経のバランスが乱れ、環境の変化に適応できなくなったことが最大の原因だと考えられる。

人間は、自律神経が正常に機能することで、体内や外部の環境の変化に適応することができる。自律神経の働きによって、血管の拡張/収縮や、体内のホルモンバランスが正常に保たれるようになり、環境の変化に正しく適応することができる。特にパニック障害と密接な関係がある脳内神経伝達物質は、自律神経の正常な働きが必要不可欠となる。

検査では骨盤部と上部頸椎に反応が強く見られたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経が正しく機能しなくなった状態により、自然と交感神経が過剰に働く状態となり、体が常に過緊張の状態だったと考えられる。仕事や人混みで交感神経がさらに刺激され、パニック障害特有の動悸、息苦しさ、めまいなどに繋がっていたと考えられる。

午後から夕方に掛けて出る頭痛は緊張の静の頭痛であり、交感神経が過剰になっている人の特徴である。末端冷え性も交感神経の作用によって末梢の血管が収縮し、その状態が長く続くことで末梢の血管が閉じたままとなり、末端冷え性となっていたのだろう。

便秘の問題は消化器系の内分泌低下などの問題も考えられるが、今回の便秘は腸の蠕動運動をコントロールしている副交感神経機能の低下が原因だと考えられる。腸の蠕動運動が低下することで、腸からその総量の90%以上が分泌されるセロトニンの分泌量も低下してしまう。セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれており、人間の精神安定に大きく関係している。

生理痛は自律神経のバランスが乱れたことで、脳と卵巣の情報のやり取りがスムーズに行われず女性ホルモンの分泌異常が起こっていたと考えられる。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が低下すると、プロスタグランジンという物質が過剰に分泌されてしまう。プロゲステロンの作用として不要になった子宮内膜や経血を体外へ排出させる働きがあるが、このとき子宮に急激な収縮を促し生理痛となってしまう。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届き自律神経のバランスが整った結果、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。どれほど多くの症状が出ていたとしても、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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