バセドウ病(体重減少、頻脈性不整脈、不眠症、呼吸が浅い)

バセドウ病(体重減少、頻脈性不整脈、不眠症、呼吸が浅い)

薬に頼らずバセドウ病の症状が楽になった!

30代女性
来院に至った経緯
子供の頃から大学生まで、ジャズダンス、フラメンゴ、タップダンスなどさまざまなダンスをやって体を動かしていた。社会人になって体を動かす量が減った影響か、少し体重が増えたので週末だけ簡単なダンスを再開して体調もすこぶる良くなった。

30歳で妊娠したのを機に退職して専業主婦になった。出産後は体重が増えるよと周囲の友達から言われていて、社会人になったときもダンスを辞めてから体重が増えたからなと気をつけてはいた。

だからといって極端な食事制限などはまったくせず、いつも通り子育てをしながら生活を送っていたが、あるとき体重計に乗ると体重が4㎏も減っていた。運動したわけでも食事制限をしたわけでもないのになぜだろうと思っていた。

ちょうどその頃、心臓の鼓動が速いと感じることがあった。緊張した時のようなドキドキという心音が自分でも聞こえてしまうようになり、その状態が何日か続いた。初めての子育てに緊張してはいただろうが、毎日が楽しくて不安はそれほどなかった。

病院へ行くと頻脈性不整脈だと診断された。それを病院の先生から言われたからか、急に不安になり、不眠症、倦怠感、事あるごとに呼吸が浅いと感じるようになった。赤ちゃんはとてもお利口さんで、夜泣きもあまりしない子だったのに、寝入りが極端に悪くなってしまった。

赤ちゃんが発熱して病院に連れて行くときも、心臓の心音がやたら速く感じるようになり、自分が体調悪いんだっけと思うようになってしまった。友達に会うと心配されるように「なんか痩せた?」と言われてしまい、体重を測ると8㎏以上も体重が減少していた。

これは絶対にただ事ではないと、あちこちの病院で検査を受けたが、脳にも何も異常はなかった。いくつかの病院を回って甲状腺専門のクリニックに行くと、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)と診断された。

子供の頃からダンスをやっていて怪我も病気もしたことがなかったので、どのように対処したらいいのか分からなかった。そんなときご主人がYoutubeで塩川満章先生の動画を見つけて、甲状腺の問題がカイロプラクティックで改善したということを知った。

調べてみると塩川先生がいる塩川カイロプラクティック治療室は東京の銀座だということが分かり、さすがに銀座まで何度も通えないなと思って問い合わせてみると、塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めていた前田先生が藤沢駅前で開院されていることを紹介してもらった。

病院では手術は必要なく、薬物療法でなんとかなるレベルだと言われたが、出産したばかりで薬を何年も飲み続けるのは嫌だなと思っていた。塩川先生のお弟子さんの前田先生なら大丈夫だろうという思いで当院へ来院された。


【神奈川県藤沢市辻堂から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜の浮腫感

  • 02

    第一頸椎左横突起の強い浮腫感

  • 03

    頚部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

特に腰痛などは出ていなかったが、椎間板の段階が6段階中5段階とかなり慢性的な段階が確認されたため、初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、育児の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、頻脈性の不整脈は出なくなり、心臓の心音が速いと感じることは一切なくなった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、赤ちゃんが夜泣きをしなければ以前のように眠れるようになった。また呼吸が浅いと感じることもなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(11回目のアジャストメント)には、倦怠感のようなものが楽になったと感じるようになった。また体重が少しずつ戻ってきて8㎏も減少していた体重が-5㎏くらいまで回復した。

30週目(18回目のアジャストメント)には、体調はほとんど回復し、体重減少も元の体重の-1㎏くらいまで戻った。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のバセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、自律神経の乱れによって交感神経が過剰に働いていたことが原因であったと考えられる。

検査では上部頸椎と仙骨部に強い反応が確認されたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。これにより交感神経が過剰に働いていたと考えられる。交感神経は体の各機能を亢進させてしまうが、特に甲状腺機能亢進は顕著にみられるケースが多い。

不眠症や呼吸が浅い問題なども交感神経が過剰に働いていた影響だと考えられる。初めての出産から育児と常に緊張状態が続いていたところに、上部頸椎と仙骨部というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働き自律神経のバランスが乱していたのだろう。

その結果、不眠症や呼吸が浅い問題のみならず、甲状腺ホルモンが過剰に分泌していたと考えられる。倦怠感や頻脈性不整脈、動悸のような症状は典型的なバセドウ病の兆候であるが、アジャストメントによって自律神経のバランスが徐々に整い、ホルモンバランス異常も少しずつ解消されていったと考えられる。

どのような症状であったとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報の脳へ届けることの重要性が分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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