アトピー性皮膚炎(便秘、下痢、不眠症)

アトピー性皮膚炎(便秘、下痢、不眠症)

肌荒れだけではなく、子供の頃からあった便秘や下痢も治った!

40代女性
来院に至った経緯
子供の頃から元々アトピー持ちだったが、ある日急激に全身に肌荒れが広がった。

病院では「普通のアトピー性皮膚炎ですね。」と言われるだけでステロイドなどを処方されたが、明らかに普通のアトピー性皮膚炎ではない状態で、肘や膝などの関節の内側はかゆくて寝ている間にかきむしっているのか、かさぶたにかさぶたを重ねるような状態になってしまった。

幼少期からのアトピー性皮膚炎は、背中が少し痒くなって赤みが出るような程度だったが、今回のアトピー性皮膚炎は全身に広がり、手足、顔、お腹と出ていないところはないというほど全身ニキビのような状態になってしまった。

幼少期からお腹の調子も悪く、便秘が続いて出ると下痢ということを繰り返していたが、今回のアトピー性皮膚炎が酷くなってからは、便秘と下痢を繰り返すのも顕著に酷くなった。

仕事は工場の立ち仕事で昔から身体には負担が掛かっており、肩こりや背中の張り感が酷くて夜中に目が覚めることがあった。次第に寝入りも悪くなり、布団に入ってから2~3時間眠れない日もあった。マクラやマットレスなど寝具を変えても何も変わらず、病院を受診すると不眠症だと診断され睡眠薬を処方された。

アトピー性皮膚炎、不眠症など、このまま薬づけにされていくのは絶対に嫌だと思い、何かないかと探してみると『副腎専門の整体院』というところを見つけた。その整体院のHPには「アトピー性皮膚炎は副腎の問題」だと記載されていて通うことにした。

そこでは背中の真ん中よりも少し下に副腎があるから、そこを矯正しますと言われた。その付近を触られると全身が緊張するのが自分でも分かり、整体院の先生からも「力を抜いてください」と毎回のように言われたが、力を入れている意識はまったくなく自分は力が抜けない状態なんだと分かった。

何度か通ってみたが毎回同じことを言われるだけで、最終的には「背中が固すぎて矯正できません」と言われてしまった。まるで見放されてしまったような感情が出てきて、悲しくて涙が出てきた。病院の薬には頼りたくない、でも頼りにしていた先生に見放されてしまった。どうしたらいいのか悩んでいたところ、たまたまYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。

背中の矯正もなんなくこなす塩川先生の動画を見て、この人なら治してくれるのかもしれないと思ったが、調べてみると場所が東京の銀座だったため、仕事のことも考えると何度も通えないなと思った。

それでも一度、問い合わせてみようと塩川カイロプラクティック治療室に電話をすると、副院長だった前田先生が藤沢で開院されていることを知った。塩川満章先生のお弟子さんで副院長まで務めていた先生なら大丈夫だと安心して、当院に来院された。

 
【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    背部、腰部など全身の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、肌荒れが強く出るようになったが、4~5日続いていた便秘が、1~2日に1回は出るようになった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、睡眠の質が明らかに変わり、睡眠薬を飲まなくても30分以内には眠れるようになった。また便通が改善し、1日1回は便が出るようになった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、アトピー性皮膚炎に変化が出始め、手足に出ていたニキビのような肌荒れが落ち着いてきた。また便通や睡眠の質はまったく気にならなくなった。この段階でケアのペースを2週間に広げることができた。

11週目(9回目のアジャストメント)には、背中やお腹などにも変化が出始め、背骨を中心に徐々に正常な皮膚が戻ってきた。その後はどんどんと正常な皮膚の部分が広がっていった。

19週目(13回目のアジャストメント)には、膝や肘など関節の内側のかさぶたが重なったようなところも少しずつ正常な皮膚に戻ってきた。また背中などは白い元の肌が完全に戻ってきた。

現在は、たまに背中にポツンとニキビのようなものができてもすぐに治る状態まで回復したが、二度と同じような症状に苦しみたくないという思いから、ケアのペースを4週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のアトピー性皮膚炎の原因は、自律神経のバランスが乱れていたことが最大の原因だと考えられる。骨盤部と上部頸椎という、どちらも副交感神経支配の部位に反応があったが、その状態が長く続いたことで交感神経が過剰に働き、全身が過緊張の状態だった。

副腎専門の整体院では、副腎の問題だと言われていたが、確かにアトピー性皮膚炎やアレルギー体質は副腎の問題であるケースも多い。今回のケースでは土台である骨盤部の乱れからが副腎に大きな負担をかけていたと考えられる。

人間には補正作用があり、背骨が傾いたとしても正中線(真ん中)を維持しようとする。骨盤部の乱れによって腰が左へ傾くと背中は補正作用によって右へ傾き正中線(真ん中)を保とうとするが、副腎の神経支配領域はちょうど腰から背中の切り返すところにあり、骨盤の2次的災害によって副腎に負担が掛かっているケースもある。

不眠症が出ていたり、子供の頃から便秘や下痢を繰り返していたことを考えても、自律神経の乱れから全体的なホルモンバランス異常によって、副腎から出される副腎皮質ホルモンの分泌にも異常が起きていたのだろう。

また長期間の便秘は体に毒素を蓄積させてしまう。今回のアトピー性皮膚炎では顕著にその傾向があり、アジャストメント開始当初は肌荒れが一時的に酷くなった。これは体に溜まった毒素をなんとか体外へ出そうとする、体の防御反応の一種である。

長期間あった便秘の解消によって排泄機能が正常に働くようになったことで、体に溜まった毒素がぬけていき肌から無理に毒素を排泄させる必要がなくなったのだろう。アジャストメントによって体の情報が正しく脳へ伝わることで、自律神経が整い体の各ホルモン分泌器官が正常に機能した結果、アトピー性皮膚炎の改善に至ったと考えられる。

来院当初は交感神経が過剰に働いている状態で、特に背部や腰部などはガチガチに固まり過緊張の状態だった。肌荒れ=副腎と決めつけるのではなく、しっかりと検査をしてどの神経系の問題なのかを特定し、アジャストメントによって神経の流れを正常にして体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop