アトピー性皮膚炎(アレルギー体質)

アトピー性皮膚炎(アレルギー体質)

仕事にも支障をきたしていたアトピー性皮膚炎が良くなった!

30代男性
来院に至った経緯
子供の頃からアレルギー体質で、花粉症、ハウスダスト、動物の毛、金属、たまごや果物など、一般的にアレルギーと言われて思いつくものは、ほとんどすべてアレルギーだった。

小学校低学年の時に友達と虫取りをしていると、腕に草木が当たったところがかぶれてしまうなど皮膚も弱かった。小学校4年生からサッカーをはじめ、運動するようになってから体の成長もあったのか徐々に色んなアレルギーが落ち着いてきた。

大学生くらいには、これまで食べられなかった卵料理やパイナップルも食べられるようになり、体調はすこぶる良かった。自分が運動で体調が良くなったので、将来はパーソナルトレーナーになりたいと思い、大学では人体の勉強をしていた。

無事にトレーナーになることができ、10年間スポーツジムで経験を積んだ。1年前に独立をして自分のパーソナルジムを開業することができた。その間、準備でずっと不規則な生活が続いていた。その影響か、開業後のプレッシャーからか、2か月前からアトピー性皮膚炎が酷くなり全身に広がってしまった。

子供の頃は、草木に触れたり特定の食べものを食べたりすると肌荒れすることも多かったが、大人になってからは落ち着いていた。それが顔も真っ赤になり、背中は肘膝など関節の内側を中心に全身に肌荒れが広がってしまった。

人の健康維持をするために自らのパーソナルジムを開いたのに、誰よりも自分が体調悪そうな見た目になってしまい、慌てて皮膚科に行った。アレルギー検査も受けたが、子供の頃から変わらずかなりの量のアレルギー反応があった。

それでも、スポーツトレーナーになってからジャンクフードも一度も食べていないし、体に悪いことはしていないし、運動もずっと続けていることを皮膚科の先生に伝え、とりあえずの対処として飲み薬と塗り薬を処方してもらった。

2か月経った今でも症状が治まることはなく、自分の見た目では2か月前よりも肌荒れが酷くなっているようにも見えた。このままだとジムに来ている会員にも迷惑になると思い、何か良い方法はないかと漢方に頼ってみたり、針治療を受けて見たりしたが何も変わらなかった。

そんなときYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があり、アトピー性皮膚炎の人も治ったという動画を見て「カイロプラクティックでアトピー性皮膚炎が改善する?」と最初は半信半疑だった。

それでも何も行動しないよりはと調べてみると、藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんが開院されていることを知った。職場からも近いし、これはすぐに行くしかないと思い、当院に来院された。


【神奈川県相模原市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、全身の筋肉が過緊張の状態だった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

2週目(3回目のアジャストメント)には、肌荒れが強く出るようになった。

3週目(5回目のアジャストメント)には、肌荒れが強く出たところが落ち着いてきた。また顔の赤みも弾いてきた。

4週目(8回目のアジャストメント)には、背骨を中心に徐々に正常な皮膚が確認できるようになってきた。また手足に出ていた肌荒れはかなり落ち着いてきた。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

8週目(12回目のアジャストメント)には、手足や背中の肌荒れにかなり変化が出てきて、正常な皮膚の部分が多くなってきた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

18週目(17回目のアジャストメント)には、この間に全身に広がっていた肌荒れは日に日に変化が出るようになり、この頃にはかなりの部分が正常な皮膚に回復するにまで至った。

現在は、肌の状態もほとんど落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のアトピー性皮膚炎による全身の肌荒れは、自律神経の乱れが最大の原因であったと考えられる。

肌荒れにはさまざまなケースが考えられるが、多くのケースで見られる問題としては副腎という臓器が関与している場合が多い。副腎からは副腎皮質ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されており、これには肌荒れと密接な関係があるとされている。

副腎は背中の下の方にある臓器であるが、今回のケースでは骨盤部と上部頸椎に強い反応がみられた。人間には補正作用というものがある。例えば、骨盤部の乱れによって腰部の側弯が左凸になると、下部胸椎の側弯は右凸となる。このようにして人間の体は正中線(中心ライン)を維持しようとしている。

当院のカイロプラクティックではレントゲン評価というものを用いるが、副腎神経支配領域である下部胸椎は、骨盤部の補正であるケースが多くみられる。

今回のケースでは、それが顕著にみられた。骨盤部の乱れによって、副腎の神経支配領域である下部胸椎には補正によって2次的負担が掛かっていたものと考えられる。また検査では上部頸椎にも強い反応がみられた。

骨盤部と上部頸椎は、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働いてしまい、自律神経のバランスを乱したことで、副腎皮質ホルモンや、その他のホルモンバランス異常を引き起こしていたとも考えられる。

人間には、現在見つかっているだけでも200種類以上のホルモンが存在しているとされている。副腎皮質ホルモンは、直接的に肌荒れに影響を与えてしまうホルモンではあるが、たとえば甲状腺ホルモンなどは人間の代謝を司っているホルモンとなる。

代謝が低下したことで、体内に毒素が蓄積しやすい状態となり、肌から一所懸命に毒素を体外へ出そうとしていた結果かもしれない。また肝臓の働きや腸の働きなど、解毒や排毒する作用をコントロールしているのも自律神経となる。

人間の治る過程を「痛み」にたとえると、「正常→痛み→痺れ→麻痺」の順番で進行していく。回復過程ではこの逆を辿り、「麻痺→痺れ→痛み→正常」の順番で回復していく。これは他の症状でも同じような現象が起こる。

アトピー性皮膚炎による肌荒れでは、体内に溜まった毒素を肌から出そうとした結果、最初のうち肌荒れが強く出るケースが多くみられる。今回のケースでも、カイロプラクティックケアを開始した当初は肌荒れが一時的に強く現れた。

その後、背骨を中心に徐々に正常な皮膚が全身に広がっていった。人間の治るチカラは「脳から脊髄へ、脊髄から末梢神経へ」内から外へと広がっていく。今回のケースでもこの回復過程が随所に確認された。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、アトピー性皮膚炎による肌荒れの改善に繋がったと考えられる。肌荒れ=副腎と決めつけるのではなく、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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