めまい(不眠症、生理痛、生理不順)

めまい(不眠症、生理痛、生理不順)

めまいだけではなく生理痛や生理不順も治った!

30代女性
来院に至った経緯
仕事は社会人になってからずっとイベント会社の企画部で普段はデスクワークが続いているが、イベント開催の際には会場設営などで重たい物を持つ機会も多く、30歳を過ぎたころから体全体が重いなと感じるようになった。

35歳から管理職を任され、仕事がこれまでとは比べ物にならないほど多忙になった頃、イベント会場には世界が回るようなめまいに襲われた。これまで一度もめまいや立ちくらみというものは体感したことがなかったが、その場に立っていられないほどのめまいで仕事どころではなくなった。

その後、めまいの症状は自然と落ち着いたが、次の日から仕事で疲れているはずなのに夜眠れなくなった。寝入りが悪くなり、酷いときには布団に入って3~4時間も眠れないことがあった。睡眠の質も浅く、ちょっとした物音でも目を覚ましてしまうようになった。2週間経っても不眠が続き、さすがに仕事にも支障をきたしてしまうほどだったので病院へ行くと不眠症だと診断され睡眠薬を処方された。

病院で処方された睡眠薬を飲むと睡眠は取れるようになったが、翌朝通勤電車に乗ると再び世界が回るようなめまいが出てしまい、出社するのも困難になってしまった。電車のような人混みにいると顕著にめまいが出てしまうため、会社まで旦那さんの車に乗せてもらって出社するようになった。

元々、学生の頃から生理痛や生理不順があって針治療を受けていたがめまいはまったく改善されることはなかった。生理痛は中学生くらいから、生理不順は高校生の頃からあり、生理が来ると2日間は動けないほどの腹痛が出てしまう。生理不順は生理周期がすごく伸びてしまうことがあり、社会人1年目には無月経になってしまうこともあった。

めまいが出てからは、ずっと通っていた針治療以外に、整体院、温熱療法、デトックス療法、気候術などさまざまな治療法を試したがまったく改善されることはなかった。

病院でCTやMRIなどの精密検査を受けても異常なしと言われ、一時期は霊的なものに呪われてしまったのかもと本気で思い霊能者のところに通ったりもしたが、当然のようにめまいが治ることはなかった。

そんなとき、たまたま見かけた当院のHPで「カイロプラクティックはめまいも有効なのか」ということを知る。カイロプラクティックのイメージは骨をボキボキする療法という認識くらいしかなかったため、ずっと怖いなと避けていたが、これまで何をやっても改善されなかったことや当院のHPを見て「ここなら信用できそうだ」と思い、来院された。

【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    右耳介上方と右アトラス横突起の浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。右仙骨翼と右第一頸椎横突起には強い浮腫感が確認された。

体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD3→D4レベルに移行している段階で重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、めまいの頻度も程度も顕著に減ってきて電車通勤ができるようになった。満員電車に乗ると少し回るような気もしたが、それでも普通に出社できるようになった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、めまいはまったく気にならなくなり、満員電車に乗っても問題なくなった。また薬を飲まなくても何度か夜中に目を覚ましてしまうものの、徐々に眠れるようになった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、睡眠薬はまったく必要なくなり、以前のように眠れるようになった。またこの段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

14週目(11回目のアジャストメント)には、これまで長年針治療でケアしてきた生理痛や生理不順にも変化があり、生理中はまったく感じなくなった。生理周期もほとんど通常に戻り、学生時代から15年以上も受けて来た針治療でも、ここまでハッキリとした変化はなかったので本人も驚いているほどだった。

現在は、多忙な仕事にも耐えられるように強い体を作りたいと、ケアのペースを3週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のめまいの原因は、上部頸椎から耳に繋がる神経に過度な負担がかかっていたものと考えられる。

人間の平衡感覚は耳の三半規管によって保たれている。三半規管の中はリンパ液という液体で満たされているが、リンパ液の量は自律神経によってコントロールされている。

今回は、上部頸椎と骨盤部というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーションが確認されたが、それによって交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが乱れたことリンパ液が必要以上に生産されてしまったのだろう。

また交感神経が過剰に働くことで、睡眠時に働く副交感神経のスイッチが上手く入らず、不眠症も誘発されている状態だった。

婦人科系の問題もあり、中学生の頃からあった生理痛はプロスタグランジンというホルモンが関係している。プロスタグランジンは交感神経が過剰な状態のときに、副交感神経のスイッチを無理やり入れようとしたときに発生することが多い。

プロスタグランジンは筋肉の硬直などを緩める作用があるが、同時に患部を炎症させて痛みを誘発させてしまう作用もある。女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が低下することで、プロスタグランジンが過度に分泌されてしまい、結果として生理痛となっていたのだろう。

生理不順も女性ホルモンの分泌量が大きく関係してしまう。骨盤部や腰部から卵巣に繋がる神経に問題が生じたり、自律神経のバランスが乱れると、脳と卵巣を繋ぐ神経機能に異常が生じるためホルモンバランス異常が起こりやすくなってしまう。

今回の症例では自律神経のバランスの乱れから体の外と中のバランスに不一致が生じ、脳が一種の混乱状態となった結果、めまいという症状になったと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため自律神経のバランスが整った結果、めまい、不眠症、生理痛、生理不順の改善に繋がったと考えられる。

どのような症状であっても、問題の原因と特定してサブラクセーションを取り除き体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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