2026.09.05

運動した後、腰が痛くなるのはなぜ?慢性的な椎間板の変化と自律神経・ホルモンバランスから考える腰痛

カテゴリ: 健康通信
運動した後、腰が痛くなるのはなぜ?慢性的な椎間板の変化と自律神経・ホルモンバランスから考える腰痛

「運動しているときはそれほど気にならないのに、終わった後になると腰が痛くなる」
「健康のために運動を始めたのに、運動した翌日に腰が重くなる」
「昔から腰痛があり、運動するたびに同じような痛みを繰り返している」

このような経験はありませんか?
運動は身体を動かす大切な習慣の一つです。筋力や体力を維持するだけでなく、気分転換や睡眠など、日々の健康にもさまざまな影響を与えます。

一方で、運動後に腰痛が繰り返されるようになると、「運動の仕方が悪いのかな」「年齢のせいかな」「椎間板が悪くなっているのかもしれない」と不安になることもあります。特に、以前から腰痛がある方や、腰椎椎間板ヘルニアなどの診断を受けたことがある方にとっては、運動後の痛みは気になるものです。

ただ、ここで一度考えてみたいことがあります。

運動後に腰が痛くなる原因を、「腰」や「椎間板」だけで考えてよいのでしょうか?私たちの身体は、筋肉や関節、椎間板だけで働いているわけではありません。身体の状態は、脳や神経の働き、睡眠や疲労、ストレス、そして女性であればライフステージに伴うホルモン環境の変化など、さまざまな要素の影響を受けています。

特に、慢性的な腰痛を抱えている場合には、「運動したから痛くなった」という目の前の出来事だけを見るのではなく、これまでどのような状態が積み重なってきたのかを考えることも重要です。椎間板に慢性的な変化がある場合でも、その画像上の変化だけで痛みのすべてを説明できるとは限りません。

では、運動後に繰り返す腰痛と椎間板には、どのような関係があるのでしょうか。そして、自律神経やホルモンバランスの変化は、慢性的な腰痛を考えるうえでどのように関わってくるのでしょうか。

今回のコラムでは、運動後に繰り返す腰痛と慢性的な椎間板の変化との関係を、自律神経やホルモンバランス、身体全体という視点からお伝えしていきます。

■ 運動後の腰痛と椎間板にはどのような関係があるのか

運動した後に腰が痛くなると、「腰に負担をかけてしまったのかな」「椎間板が悪くなったのではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。

腰椎の間には、椎間板と呼ばれる組織があります。椎間板は、中心部にある髄核と、それを取り囲む線維輪から構成され、腰椎にかかる衝撃を和らげたり、身体を動かす際の負荷を分散したりする役割を担っています。

日常生活の中でも、椎間板には常にさまざまな負荷がかかっています。座る、立つ、歩く、身体を前にかがめる、物を持ち上げるといった動作でも、腰椎や椎間板には力が加わります。運動をすると、その負荷はさらに大きくなることがあります。

特に、ランニングやゴルフ、テニス、野球など、身体を繰り返し動かしたり、腰をひねったりするスポーツでは、腰部に繰り返し負荷がかかります。ただし、運動後に腰が痛くなったからといって、必ずしも椎間板に新たな損傷が起きているとは限りません。

腰痛には、筋肉や関節、神経などさまざまな要素が関係している可能性があり、痛みの感じ方も一人ひとり異なります。また、MRIなどの画像検査によって椎間板の変性や膨隆、ヘルニアなどが確認されることがありますが、画像上の変化がある方すべてに腰痛があるわけではありません。

つまり、「椎間板に変化がある=必ず腰痛が起こる」という単純な関係ではないのです。

一方で、長い年月にわたって腰への負担が繰り返されることで、椎間板には少しずつ変化が生じることがあります。そして、以前から腰痛を繰り返している方の場合、運動後に毎回のように腰が痛くなることで、「また痛くなるのではないか」と身体をかばうようになったり、運動そのものを控えるようになったりすることもあります。

ここで大切なのは、一度の運動後の痛みだけを見るのではなく、どのようなときに痛みが出て、どのくらい続き、これまでどのような経過をたどってきたのかを考えることです。「運動したから痛くなった」という出来事だけでは、現在の腰痛を十分に理解できない場合があります。

では、慢性的な腰痛を考えるとき、椎間板以外にはどのような身体の働きに目を向ける必要があるのでしょうか。

次の章では、腰の構造だけでは説明しきれない腰痛について、自律神経やホルモンバランスを含めた身体全体という視点から考えていきます。

■ 腰痛は椎間板だけの問題?自律神経やホルモンバランスから考える視点

運動後に腰が痛くなると、「椎間板に負担がかかったから」と考えたくなります。もちろん、腰椎や椎間板の状態を確認することは大切です。

しかし、慢性的な腰痛を考えるとき、腰の構造だけに原因を求めてしまうと、見えてこないものがあります。私たちの身体は、運動をすれば筋肉や関節だけが働くわけではありません。

運動中は心拍数や呼吸、血流などが変化し、それに合わせて身体はさまざまな調整を行っています。こうした身体の調整には、自律神経などが関わっています。また、睡眠不足や疲労、精神的なストレスなどによって身体の状態が変化すると、同じ運動をしていても「以前より疲れる」「回復に時間がかかる」と感じることがあります。

特に女性の場合は、ライフステージによってホルモン環境も変化します。

月経周期や妊娠・出産、更年期などの時期には、ホルモンの変化に伴って体調や睡眠、疲労感などに変化を感じる方もいます。

そのため、慢性的な腰痛を考えるときには、「椎間板がどうなっているのか」だけではなく、「今の身体がどのような状態なのか」という視点も重要になります。

例えば、以前は問題なくできていた運動でも、最近は運動後の疲労が強くなったり、腰の痛みが長く続いたりすることがあります。このとき、「年齢だから」「椎間板が悪くなったから」と一つの理由に決めつけてしまうのではなく、睡眠や疲労、ストレス、運動量、身体の使い方など、これまでと何が変わったのかを振り返ることが大切です。

そして、ここで一つ知っておきたいのが、「痛みがある場所」と「身体全体の状態」は別々に考えられるものではないということです。腰に痛みが出ているとしても、その背景には日常生活や身体の使い方、疲労など、さまざまな要素が重なっている可能性があります。

だからこそ、運動後の腰痛を「椎間板の問題」という一つの視点だけで捉えるのではなく、身体全体の状態を見ながら考えることが必要になります。

では、こうした身体全体の状態を、カイロプラクティックではどのように捉えているのでしょうか。

次の章では、椎間板や腰痛だけに目を向けるのではなく、脳や神経を含めた身体全体の働きから考えるカイロプラクティックの視点について解説していきます。

■ カイロプラクティックでは、腰痛を「腰だけの問題」として考えない

運動後に腰が痛くなると、どうしても痛みが出ている腰や椎間板に意識が向きます。もちろん、腰椎や椎間板の状態を知ることは大切です。

しかし、前田カイロプラクティック藤沢院では、腰痛があるからといって、腰だけを切り離して考えることはしません。身体は、脳や神経を介して全身がつながっています。

身体を動かすときも、筋肉や関節だけが働いているわけではありません。脳からの指令によって身体が動き、身体から得られた感覚情報が再び脳へ伝えられることで、姿勢や動きが調整されています。

そのため、運動後に繰り返し腰痛が出ている場合も、「腰に負担がかかった」という一つの出来事だけではなく、身体全体がどのような状態で運動をしていたのかという視点を大切にします。

特に慢性的な腰痛を抱えている方の場合、痛みが出ることそのものよりも、「痛みが出る状態を何度も繰り返している」ことに目を向ける必要があります。

以前は問題なくできていた運動で痛みが出るようになった。

運動後の回復に時間がかかるようになった。

以前より疲れを感じるようになった。

このような変化があるのであれば、「年齢だから」「椎間板が悪くなったから」と決めつけるのではなく、現在の身体の状態を一度見直してみることが大切です。

もちろん、自律神経やホルモンバランスの変化が、すべての腰痛を直接引き起こすということではありません。

また、椎間板の変化が確認されている場合には、その状態を適切に評価することも必要です。

大切なのは、椎間板、自律神経、ホルモンバランスなどを別々の原因として考えるのではなく、それぞれを含めて「今の身体」を考えていくことです。

運動は、本来、身体を健康に保つための大切な習慣の一つです。

だからこそ、「運動すると腰が痛くなる」という状態が続いているのであれば、単純に運動をやめるのではなく、なぜ今の身体では運動後に痛みが出るのかを考えてみることが大切なのではないでしょうか。

過去に腰椎椎間板ヘルニアと診断されたことがある方であれば、なおさら「また悪くなったのでは」と不安になるかもしれません。

しかし、過去の診断名だけで現在の身体を判断することはできません。

年齢を重ねれば身体は変化します。

女性であれば、ライフステージによってホルモン環境も変化します。

仕事や生活習慣、運動量、睡眠なども少しずつ変わっていきます。

そうした変化の中で、以前と同じ運動をしていても身体の反応が変わることがあります。

だからこそ、

「運動したから腰が痛くなった」

で終わらせるのではなく、

「今の身体は、以前と何が変わったのだろう?」

と考えてみることが、慢性的な腰痛と向き合う一つのきっかけになります。

椎間板に変化があることも、自律神経やホルモン環境が変化することも、年齢を重ねる中では起こり得る身体の変化です。

それらを必要以上に恐れるのではなく、現在の自分の身体を知り、無理なく身体を動かしていく。

そして、痛みを「年齢だから仕方がない」と諦めるのではなく、身体からの変化のサインとして捉えてみる。

それが、これからも運動や趣味を楽しみながら身体と付き合っていくための、大切な視点になるかもしれません。

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