貧血の本当の原因は自律神経?体の回復力を整える視点
貧血は単に「鉄分が不足している」状態だけではありません。
血液を作ること、栄養を吸収すること、そして全身に巡らせることはすべて自律神経によって調整されています。そのため、自律神経のバランスが乱れると、いくら鉄分を摂っても体内で十分に活かせず、血液がつられにくくなったり、末端まで巡らなくなったりすることがあります。
慢性的な疲労感、立ちくらみ、冷え、集中力の低下は、体が回復モードにうまく入れていないサインともいえるでしょう。
今回のコラムでは、貧血と自律神経の関係性についてお伝えしていきます。
■ 女性はホルモンの変動で鉄を失いやすい
女性は月経によって毎月一定量の血液を失うだけでなく、妊娠・出産・授乳など、血液が多く必要なライフステージが多いことも特徴です。
さらに、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは自律神経と密接に連動しており、ホルモンバランスが揺らぐことで自律神経の働きにも影響が出ます。その結果、月経前後に体調が不安定になったり、気分や睡眠の質が変化したり、貧血症状が強く出やすくなったりします。つまり、女性の体は鉄を失いやすく、吸収効率も乱れやすい構造になっているのです。
■ ストレスと自律神経の乱れが血液の巡りを妨げる
現代女性は仕事、家庭、育児、人間関係など多くの役割を抱えており、慢性的に精神的ストレスを受けやすい環境にあります。ストレスが続くと交感神経が優位になり、胃腸の働きが低下します。その結果、食事から摂った鉄やビタミンが十分に吸収されず、たとえ吸収できても体内で活かす力が弱まります。
さらに血液を作るための代謝力も低下し、血液の巡りにも影響が出ます。血液は心臓のポンプだけで循環しているわけではなく、血管の収縮と拡張が適切に行われることで全身に届きますが、これも自律神経のバランスが重要です。交感神経が過剰だと血管が収縮し、手足の冷えや頭痛が起こりやすくなります。逆に副交感神経が過剰だと代謝力が落ち、血を作る力も弱まります。このように、どちらか一方に偏った神経バランスが続くと、体は十分に回復できなくなります。
貧血は単なる栄養不足ではなく、体がうまく切り替わらなくなっているサインとして捉えることが重要です。
■ 貧血とカイロプラクテック・ケア
カイロプラクティックは筋肉を直接ゆるめるための施術ではなく、神経の働きを正常に回復させることを目的としたアプローチです。
貧血は鉄分やヘモグロビンの不足だけでなく、身体がその血液を適切に循環させ、必要な場所に届けられているかどうかによって、症状の現れ方が大きく変わります。自律神経のバランスが乱れると、心臓の拍動、血管の収縮・拡張、消化吸収、代謝といった生理機能が滞り、全身にうまく酸素が行き渡らなくなります。その結果、めまいや息切れ、疲労感や集中力の低下などが続き、貧血の症状が慢性化しやすくなります。
アジャストメントによって神経の働きが回復すると、循環機能や内臓の働きが整いやすくなり、身体は本来持っている「血液をつくり・運び・使う」力を発揮できるようになります。
また、血液循環は心臓だけの働きではなく、呼吸や姿勢、骨盤まわりの筋肉の働きにも支えられています。姿勢が崩れて猫背になったり、呼吸が浅くなったりすると、酸素の取り込み効率が低下し、疲労感やだるさ、冷えを感じやすくなります。骨盤や背骨のバランスを整えることで呼吸が深くなり、自律神経の働きが安定し、消化吸収や代謝が改善されます。こうして体全体の循環が整うことで、貧血の状態が回復しやすい身体環境がつくられていきます。
貧血は単なる数値の問題ではなく、身体がどれだけその血液を「使える状態」にあるかという全身のコンディションが関係します。カイロプラクティック・ケアは、血液がつくられ、運ばれ、活かされるための土台として、神経と循環のバランスを整えるサポートとなります。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


