肩を揉んでも改善しない…その肩こり、本当の原因は肩ではないかもしれません
「肩を揉んだ直後は楽になるのに、数日するとまた肩がこる。」
このようなお悩みはありませんか。実際に、「マッサージを受けてもすぐに元へ戻ってしまう」「湿布やストレッチを続けているのに肩こりが改善しない」「もう何年も肩こりと付き合っている」とお悩みの方は少なくありません。
肩こりは、日本人にとても多い症状の一つです。そのため、「肩の筋肉が硬いからほぐせば良くなる」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、少し考えてみてください。同じように肩を揉んでも肩こりが改善する方もいれば、何度も繰り返してしまう方がいます。もし肩の筋肉だけが原因なのであれば、この違いを説明することはできません。
つまり、本当に考えるべきなのは「肩が硬くなっていること」ではなく、「なぜ肩へ負担が集中し続ける身体の状態になっているのか」ということです。
では、なぜ肩こりは何度も繰り返してしまうのでしょうか。また、なぜ肩をほぐしても改善しない方がいるのでしょうか。
このコラムでは、肩こりがなかなか改善しない理由と、その背景にある身体の仕組みについて解説していきます。
■ 肩こりは、肩だけの問題とは限りません
肩こりがあると、「肩の筋肉が硬くなっているから肩こりになる」と考える方は少なくありません。実際に、肩を触ると筋肉が硬くなっていたり、押されると気持ちよく感じたりするため、「この硬さが原因なんだ」と思うのも自然なことです。
しかし、肩の筋肉が硬くなっていることと、「なぜ肩が硬くなったのか」は別の問題です。肩の筋肉は、自ら進んで硬くなっているわけではありません。身体を支えるために働き続けた結果として、緊張している可能性があります。
例えば、人間の頭の重さは一般的に4〜6kgほどあるといわれています。この重い頭は、首や肩だけで支えているわけではありません。本来は骨盤を土台とし、その上に積み重なった背骨全体でバランスよく支えるようにできています。
ところが、骨盤や背骨のバランスが変化すると、頭の重さを全身で支えきれなくなり、その負担を首や肩の筋肉が補おうとします。その結果、肩の筋肉は休むことなく働き続け、肩こりとして現れることがあります。
また、デスクワークやスマートフォンの使用などで頭が前方へ出た姿勢が続くと、首や肩へかかる負担はさらに大きくなります。頭の重さそのものは変わりませんが、身体の中心から離れるほど、それを支えるために必要な筋肉の働きは大きくなるからです。
つまり、肩こりは肩の筋肉が弱いからでも、怠けているからでもありません。むしろ、身体のバランスを保とうとして、首や肩の筋肉が必要以上に頑張り続けている結果として現れていることがあるのです。
では、肩の筋肉をほぐしても肩こりを繰り返してしまうのは、なぜなのでしょうか。その理由を理解するためには、「肩が硬くなること」ではなく、「なぜ肩へ負担が集中し続けているのか」という視点で身体全体を考えることが大切です。
■ なぜ肩こりは何度も繰り返してしまうのでしょうか
肩こりでお悩みの方のお話を伺うと、「マッサージを受けた直後は楽になる」「数日すると元に戻ってしまう」「肩を揉んでも、その場しのぎにしかならない」といった声をよく耳にします。
これは、肩をほぐすことが間違っているという意味ではありません。肩の筋肉が緊張していれば、一時的に楽になることは自然な反応です。
しかし、その後も肩へ負担が集中する身体の状態が変わらなければ、首や肩の筋肉は再び同じように働き続けることになります。その結果、肩こりを何度も繰り返してしまうことがあるのです。
実際の臨床では、肩こりにはいくつかの異なるパターンがみられます。
一つは、骨盤や背骨のバランスが変化し、頭の重さを全身で支えきれなくなることで、首や肩の筋肉へ負担が集中しているケースです。この場合、肩の筋肉は原因ではなく、身体を支えるために頑張り続けた結果として緊張していると考えられます。
もう一つは、自律神経の働きが関係しているケースです。
私たちの身体には、活動するときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経があります。この二つが状況に応じて切り替わることで、筋肉も必要なときには働き、必要がなくなれば自然と力を抜くことができます。
しかし、仕事や人間関係による精神的なストレス、睡眠不足、疲労の蓄積などによって交感神経が過剰に働き続けると、身体は常に緊張した状態になりやすくなります。その結果、肩だけではなく首や背中まで力が入りやすくなり、慢性的な肩こりとして現れることがあります。
実際に、このような方は肩こりだけではなく、「頭痛がある」「目が疲れやすい」「朝から疲労感がある」「眠りが浅い」といった症状を同時に抱えていることも少なくありません。
つまり、「肩こり」という同じ症状であっても、その背景で起きていることは一人ひとり異なります。骨格のバランスによって肩へ負担が集中している方もいれば、自律神経の働きによって全身の筋肉が緊張しやすくなっている方もいます。もちろん、その両方が重なっているケースも少なくありません。
だからこそ、肩だけを見るのではなく、「なぜその人に肩こりが起きているのか」という視点で身体全体を見ていくことが大切なのです。
■ 本当に大切なのは、「肩をほぐすこと」ではなく、「肩へ負担が集中する理由」を知ることです
肩こりが続くと、「肩の筋肉が硬いからほぐさなければならない」と考える方は少なくありません。もちろん、緊張した筋肉をケアすることで、一時的に楽になることはあります。しかし、それだけでは肩こりを繰り返してしまう方がいるのも事実です。
私たちの身体は、骨盤や背骨、筋肉が互いに連動しながら頭の重さを支えています。そして、その一つひとつの動きは、脳が神経を介して全身から送られてくる情報を処理し、絶えずコントロールしています。
そのため、肩こりが起きているのであれば、「肩が硬いから」という結果だけを見るのではなく、「なぜ肩へ負担が集中し続ける身体の状態になっているのか」という視点で考えることが大切です。
だからこそ、カイロプラクティックでは肩だけを見ることはしません。当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせながら、神経系の働きや骨盤・背骨を含めた身体全体の状態を総合的に評価しています。肩こりという結果だけではなく、「なぜ首や肩へ負担が集中しているのか」という背景まで確認することを大切にしているからです。
私たちが目指しているのは、一時的に肩が軽くなったと感じることではありません。身体全体のバランスが保たれ、頭の重さを首や肩だけに頼ることなく支えられる状態を目指すことです。その結果として、肩へ負担が集中しにくい身体づくりにつながると私たちは考えています。
長年続く肩こりは、身体が発している大切なサインかもしれません。その場しのぎで肩だけを見るのではなく、「なぜ肩こりを繰り返してしまうのか」という視点から、ご自身の身体を見つめ直してみませんか。
ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


