股関節の痛み(グローインペイン)が長引く理由。カギを握るのは、身体の司令塔である「自律神経のサイクル」
サッカーや陸上、ラグビーなど、日々の練習に全力で打ち込んでいる選手ほど、足の付け根や鼠径部に走る鋭い痛みに悩まされることがあります。「グローインペイン(鼠径部痛症候群)」と診断され、練習を休んで安静にしているのに、いざ復帰するとまた痛みがぶり返してしまう。そんな出口の見えないループに、焦りや不安を感じていないでしょうか。
実は、湿布やマッサージだけで解決しないのには大きな理由があります。
それは目にみえる筋肉や関節の問題だけでなく、それらをコントロールしている「自律神経」のバランスが乱れ、身体の修復機能がうまく働かなくなっているからです。
今回のコラムでは、グローインペインと自律神経の関係性についてお伝えします。
■ 筋肉を強張らせ、回復を妨げている「神経のノイズ」
股関節の周りには複雑に重なり合うたくさんの筋肉がありますが、それらを「動かせ」と命令したり、硬さを調節したりしているのはすべて自律神経です。ここで重要なのは、交感神経と副交感神経のどちらかが強い・弱いということではなく、その「切り替わりのリズム」が正しく機能しているかどうかです。
本来、私たちの身体は運動中には活動を支えるアクセルが入り休んでいる時には回復を促すブレーキへと、状況に合わせてしなやかにスイッチが切り替わるようになっています。しかし、背骨や骨盤にサブラクセーション(神経伝達の妨げ)が生じると、この「切り替え」がスムーズにいかなくなります。すると、筋肉は本来緩むべき場面でも硬さを残したままになり、一方で、傷ついた組織を直すべき夜間に「修復モード」へ入りきれないという事態が起こります。休んでいるはずなのに疲れが抜けなかったり、炎症が長引いたりするのは、まさにこの自律神経のリズムが乱れ、身体が本来持っている「自分を治す力」が発揮できていないサインなのです。
■ 自律神経が整うことでパフォーマンスはさらに高まり、グローインペインの予防にもつながる
自律神経は、呼吸や血流、内臓の働き、そして筋肉の緊張など、私たちの身体を無意識のうちにコントロールしている非常に重要なシステムです。活動的に動くときに働く「交感神経」と、リラックスや回復を促す「副交感神経」がバランスよく、かつ状況に合わせてしなやかに切り替わることで、私たちの身体は最適な状態を保っています。
この自律神経のリズムが整っていると、身体はスポーツの現場で必要なときにしっかりと力を発揮し、同時に練習後には適切に回復のスイッチを入れることができます。例えば、試合で集中したいときには鋭く覚醒し、心身を休めるべきときには深くリラックスできるため、日々のコンディションに高い安定感が生まれます。一方で、現代の生活環境や激しいトレーニングによる疲労などが積み重なると、この自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、股関節周りの筋肉の緊張が抜けにくくなったりすることで、身体の柔軟性や咄嗟の反応性が低下し、グローインペインを招きやすい土壌が作られてしまうのです。
ここで重要になるのが、「神経が本来の働きを発揮しやすい環境を整える」ということです。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤の調整を通じて神経の通り道にかかる負担を軽減し、自律神経がスムーズに機能できるよう導いていきます。身体の土台が安定し、神経のサイクルが正常に戻ってくると、血流が促進され、股関節を支える筋肉の「緊張」と「弛緩」の切り替えも驚くほどスムーズになります。その結果、「動きたいときに瞬時に動ける身体」と「休んでいる間にしっかり修復される身体」の両方が手に入り、パフォーマンスは自然と高まっていくのです。
さらに重要なのは、この状態がさらなるケガの予防に直結するという点です。自律神経のバランスが整っている身体は、関節や筋肉が柔軟に反応しやすく、外部からの急激な負荷に対しても適切に対応できるようになります。股関節への無理な力みや過剰な緊張が減ることで、特定の部位に負担が集中しにくくなり、結果としてグローインペインの再発予防はもちろん、他の部位のケガのリスク軽減にもつながります。
また、回復力が高まることで日々の疲労を溜め込みにくくなり、シーズンを通してベストコンディションを維持しやすくなることもアスリートにとって大きなメリットとなってきます。自律神経と身体のバランスを整えることは、単なる痛みの改善にとどまらず、「よりしなやかに動ける身体」「ケガをしにくい強い身体」へと自分自身を進化させていくための、最も重要なステップといえるのです。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


