筋肉質な体型は更年期症状を和らげる?自律神経との深い関係とは

更年期に差し掛かると、多くの女性がホットフラッシュ(のぼせ)、不眠、イライラ、動悸など、いわゆる「更年期症状」に悩まされます。これらの多くは自律神経の乱れと深く関係していることがわかっています。
実は、筋肉量が多い人ほど、更年期症状が軽くなる傾向があるということが、いくつかの研究から示唆されています。
今回のコラムでは、自律神経の観点から「筋肉質な体型」と「更年期症状の出にくさ」の関係を解説していきます。
自律神経とは何か?そして更年期との関係
自律神経は、私たちの意識とは無関係に内臓、血管、体温、呼吸、代謝などを調整する神経系で、以下の2つから構成されています。
・交感神経(緊張・興奮を司る)
・副交感神経(リラックス・回復を司る)
更年期にはエストロゲンの急激な減少が起こりますが、これが視床下部(自律神経をコントロールする脳の部位)に影響を与えるため、自律神経のバランスが崩れやすくなります。結果として、さまざまな身体的・精神的な不調が現れるのです。
筋肉と自律神経の意外な関係
筋肉は体を動かすだけではなく、実は自律神経系と深くつながっていることが、近年の研究でわかってきました。
① 筋トレや運動で副交感神経が高まる
レジスタンストレーニング(筋トレ)は、副交感神経を優位にする作用があるとされており、ストレス緩和や睡眠改善にも効果的です(※1)。これが、更年期に多いイライラや不眠を緩和する一因になります。
② 筋肉が分泌する「マイオカイン」の働き
筋肉は運動によってマイオカイン(筋肉由来のホルモン様物質)を分泌します。マイオカインは脳、自律神経、免疫系に作用し、体全体のバランスを整える働きがあります。これも、自律神経の安定化に貢献していると考えられています。
筋肉量が多い女性は更年期症状が少ない
日本国内の研究では、閉経後の女性を対象に筋肉量と更年期症状の強さを比較したところ、筋肉量が多い人は精神的・身体的な不調が少なかったと報告されています。
また、定期的な運動習慣がある女性の方が、ホットフラッシュ、うつ、不眠の頻度が低いという海外の研究結果もあります。
カイロプラクティックがもたらす自律神経へのアプローチ
筋肉や運動だけでなく、神経系そのもののバランスを整える手段として注目されているのがカイロプラクティックです。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での負担となっている箇所を整えることで、神経の流れをスムーズにし、自律神経の働きを正常化させることを目的としています。
特に更年期の女性に多い、
・首や背中のこり
・呼吸の浅さ
・頭痛やめまい
・なんとなくの不調(未病)
といった症状には、交感神経の過緊張が関係していることが多く、カイロプラクティックの調整が有効であるとされるケースも多々あります。
カイロプラクティックと更年期ケア
カイロプラクティックでは、神経の通り道を整えることで筋肉がスムーズに働きやすくなり、身体が本来持つ力を引き出しやすい状態へと導きます。
更年期にあらわれる不調は、「ホルモンの変化」だけでなく、それに伴う自律神経のバランスの乱れも関わっています。自律神経が安定すると、更年期特有の症状が和らぐことが期待できます。
さらに、筋肉から分泌されるマイオカインは脳や神経系に良い影響を与え、全身の働きをサポートします。カイロプラクティック・ケアは、この自律神経の働きを整え、心と体のバランスを保つお手伝いにもなります。
これからの更年期を少しでも快適に、前向きに過ごすためには、日常に軽い運動を取り入れながら、身体を「鍛える」だけでなく「整える」視点も意識することが大切です。ちょっとした工夫が、毎日の心地よさにつながるヒントになるかもしれません。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。