「病院では異常がないのに、なかなか妊娠できない…」

そう感じている女性が近年増えています。ホルモン検査やタイミング法など、医学的な対応はしているのに結果に結びつかない。そんなとき、見落とされがちなのが「骨盤のバランスの乱れ」です。

 

妊娠に向けた準備は、子宮や卵巣といった生殖器だけでなく、それらを支える“体の土台”＝骨盤のバランスにも大きく関わっています。

 

今回のコラムでは、骨盤と子宮の位置の関係、そしてその先にある「着床しやすい環境」についてお伝えします。

骨盤がゆがむと、子宮の位置もズレる？

子宮は、骨盤の中央あたりに位置する小さな臓器です。その子宮は、骨盤内の靭帯や筋肉、周囲の臓器によって支えられ、一定の位置に保たれています。ところが、日常生活の癖や姿勢の悪さ、出産、過度なストレスなどにより骨盤がゆがむと子宮を支える土台も傾いてしまいます。

 

たとえば、骨盤が後ろに倒れた状態が続くと子宮も後方に傾きやすくなります。すると、子宮内膜がふかふかに育ちにくくなったり、着床に適した厚さを保てなくなったりする場合があります。

 

また、骨盤が左右に捻じれると子宮が左右どちらかに引っ張られ、結果的に血流が偏ってしまうことで、子宮の働きに影響を及ぼすこともあるのです。

着床に必要な「環境」とは？

着床とは、受精卵が子宮内膜にくっつき、妊娠のスタートを切る大切なプロセスです。そのためには、子宮が本来あるべき場所にあり、子宮内膜がやわらかく温かい状態で、血流がしっかり行き渡っていることが理想です。

 

しかし、骨盤のゆがみによって子宮が圧迫されたり、冷えやむくみが慢性的に起こったりすると、子宮を取り巻く環境そのものが着床に適さなくなる可能性があります。

 

さらに、骨盤内の血流の低下は、子宮だけでなく卵巣の機能にも影響します。排卵の質の低下やホルモン分泌の乱れが生じやすくなり、妊娠のチャンスそのものが減ってしまうケースもあるのです。

骨盤調整は妊活の“ベースケア”に

骨盤のバランスを整えることで、まず期待できるのは子宮の位置が本来の状態に戻ることです。それによって血流やリンパの流れがスムーズになり、子宮内膜の状態が改善しやすくなります。

 

また、骨盤と脊柱を整えることで自律神経のバランスも安定しやすくなります。自律神経はホルモンの分泌や内臓の働きに密接に関わっており、妊娠をサポートする体づくりにおいて無視できない存在です。

 

さらに、骨盤のバランスが整うことで、子宮内のスペースにもゆとりが生まれ、妊娠後の胎児にとっても快適な「住まい」となることが期待されます。

 

赤ちゃんが育つ子宮の環境が整っていることは、妊娠中の不調軽減や出産時のリスクの軽減にもつながるため、骨盤ケアは妊活だけでなく、母体と赤ちゃん双方にとって大切な準備なのです。

「整えること」が妊活の第一歩

妊活というと、つい“何を足すか”に意識が向きがちですが、実は“整える”というシンプルな視点が、とても大切です。子宮は、あなたの体の中で赤ちゃんを迎えるための神聖な場所。そこが歪んでいては、本来の力を発揮できません。

 

もしあなたが、「原因不明」と言われている不妊や、冷え、生理痛、PMSなどに悩んでいるなら、それは子宮が「整えてほしい」とサインを出しているのかもしれません。

赤ちゃんを迎えるための“やさしい体づくり”を

妊娠とは、命を迎える奇跡のプロセスです。だからこそ、まずはその命が安心して育める環境を整えることが大切です。子宮という空間が整えば、そこは赤ちゃんにとってやさしいベッドのような場所となります。

 

心と体はつながっています。妊娠しやすい体づくりは、体の構造や循環、自律神経、ホルモンバランスを含めた全体のバランスが整ってこそ実現します。

「骨盤からはじめる妊活ケア」
それは、体に備わった本来の力を信じ、土台から整えるやさしいアプローチです。

 

検査で異常がなくても妊娠に至らない方や、冷えや婦人科で悩む方は、ぜひ一度ご相談ください。

あなたの体と、これから出会う命のために――。

 

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