妊活は何から始めればいい?妊娠に向けた身体づくりとカイロプラクティックの考え方
妊活を始めると、「食生活を見直そう」「葉酸を摂ろう」「適度に運動しよう」など、さまざまな情報を目にするようになります。また、婦人科で検査を受け、ご自身の身体の状態を確認される方も多いのではないでしょうか。
一方で、「検査では大きな異常はないと言われたけれど、何をすればよいのか分からない」「できることは続けているのに結果につながらない」と悩まれる方も少なくありません。
妊活というと子宮や卵巣に目が向きがちですが、妊娠は一つの臓器だけで成り立つものではなく、脳・神経・ホルモン・血液循環・睡眠・栄養など、身体全体が連携して支える生命活動です。
今回のコラムでは、妊活と神経の働きの関係性というカイロプラクティックの視点について解説します。
■ 妊活では身体全体の働きが大切といわれる理由
妊娠は、排卵・受精・着床・妊娠の維持という一連の流れが円滑に進むことで成立します。その過程では子宮や卵巣だけではなく、脳から分泌されるホルモン、自律神経、血液循環、代謝、免疫機能など、多くの身体の働きが関わっています。
女性ホルモンは、視床下部・下垂体・卵巣が連携する「視床下部―下垂体―卵巣系(HPO軸)」によって調節されています。視床下部は自律神経の働きにも深く関わる中枢であり、睡眠やストレス、栄養状態など身体全体からの情報を受け取りながら、ホルモン分泌をコントロールしています。
そのため、強いストレスや急激な体重の変化、睡眠不足などによって月経周期や排卵に変化がみられることがあるのは、この仕組みが関係していると考えられています。
もちろん、「自律神経を整えれば妊娠できる」「ストレスが原因で妊娠できない」と単純に言えるものではありません。妊活には年齢や卵子・精子の状態、子宮や卵管の状態などさまざまな要因が関係します。しかし、身体が本来持っている機能を十分に発揮しやすい状態を保つことは、妊活に取り組むうえで大切な土台になると考えられています。
■ 子宮と骨盤は互いに支え合う構造です
子宮は骨盤の中に浮かんでいるわけではありません。子宮円索や仙骨子宮靱帯、基靱帯など複数の靱帯によって支えられ、骨盤内で安定した位置を保っています。その構造は、ハンモックのように周囲の組織に支えられている状態に例えられることがあります。
つまり、子宮は単独で存在しているのではなく、骨盤や周囲の筋肉、靱帯、結合組織と関わりながら身体の中で支えられています。
一方で、「骨盤がゆがむと子宮がゆがむ」「骨盤を整えれば妊娠しやすくなる」といったことを医学的に証明する十分な根拠はありません。
しかし、身体は一つひとつの臓器が独立して働くのではなく、互いに影響し合いながら機能しています。そのため、私たちは妊活を考える際にも、子宮だけをみるのではなく、身体全体を評価するという視点が大切だと考えています。
カイロプラクティックでは、妊娠中のお母さんの身体の状態は、お腹の中の赤ちゃんが過ごす環境にも関係する可能性があるという考え方があります。また、小児の背骨の発達についても、「出生後だけではなく、子宮内での環境も一つの要素になり得る」という見解を紹介している海外のカイロプラクターもいます。これらは現在の医学で確立した結論ではありませんが、身体を全体として捉える考え方の一例といえるでしょう。
■ カイロプラクティックが大切にしているのは「神経が正しく働けているか」です
人間の身体をコントロールしているのは脳です。脳は皮膚や筋肉、関節、内臓など全身から送られてくる情報を受け取り、その情報をもとに神経を介して全身へ指令を送り続けています。また、神経は脳から身体へ指令を伝えるだけでなく、身体の状態を脳へ伝えるという双方向の役割も担っています。
私たちは普段、意識しなくても心臓を動かし、呼吸をし、体温を一定に保ち、食べたものを消化し、ホルモンを分泌しています。これらはすべて脳と身体が神経を介して情報をやり取りすることで維持されている生命活動です。
妊娠もまた、排卵・受精・着床・妊娠の維持という複雑な生命活動の積み重ねです。カイロプラクティックが妊娠を成立させるものではありません。しかし、脳と身体が正しく情報をやり取りし、本来備わっている身体の機能を発揮しやすい状態を目指すという考え方は、日々の健康管理においても大切な視点だと私たちは考えています。
そのためカイロプラクティックでは、「痛い場所だけを見る」のではなく、「なぜその状態になったのか」という根本原因の評価を重視しています。私たちが探しているのは、神経伝達を阻害しているサブラクセーション(根本原因)です。
サブラクセーション(根本原因)を正確に特定するために、当院では体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査を組み合わせています。一つの検査だけで判断することはありません。それぞれ異なる情報を照らし合わせ、複数の検査結果が同じ部位を示したときに初めてサブラクセーション(根本原因)を特定します。
レントゲン評価では、骨の形だけを見るのではなく、安全にカイロプラクティックケアを行うための確認や、椎間板の状態、骨格の特徴なども評価します。画像だけでは分からない皮膚の質感や筋肉の緊張、関節の動きは触診で確認し、神経機能の変化を総合的に読み取っていきます。
検査の目的は、多くの場所をアジャストメントすることではありません。本当に必要な部位だけを見極め、必要最小限のアジャストメントを行うことです。それにより、脳と身体の神経伝達が円滑に行われ、その人が本来持っている身体の働きを十分に発揮しやすい状態を目指します。
妊活は、ご夫婦それぞれ歩みが異なります。だからこそ、多くの情報に振り回されるのではなく、まずはご自身の身体が今どのような状態なのかを知ることも大切だと考えています。
身体の状態を正しく知ることが健康への第一歩になるかもしれません。
藤沢市で妊活や婦人科系のお体の不調に悩まれている方からも多くご相談をいただいています。ご自身の身体について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


