女性の寒がりと自律神経の関係性

「手足がいつも冷たい」
「夏でも冷房がつらい」
といった“寒がり”は、多くの女性に共通する悩みです。
この背景には、単なる体質や筋肉量の違いだけでなく、自律神経と女性ホルモンの密接な関係が隠れています。
近年の研究では、自律神経のバランスの乱れがホルモン分泌に影響を及ぼし、結果として体温調節や血流に問題を引き起こすことが分かってきました。
今回のコラムでは、多くの女性が悩んでいる冷え性と自律神経の関係性についてお伝えしていきます。
自律神経と体温調節のメカニズム
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって、血管の収縮・拡張を調節し、体温を一定に保ちます。交感神経が優位になると血管は収縮し熱の放散を防ぎ、副交感神経が優位になると血管が拡張して血流が末梢まで行き渡ります。
しかし、自律神経の切り替えがうまくいかないと、血管の反応が鈍くなり、末梢血流が低下しやすくなります。これが“冷え”を感じやすい体質をつくり出します。
自律神経と女性ホルモンの関係
女性が寒がりになりやすい大きな要因の一つに、女性ホルモンと自律神経の相互作用があります。
女性ホルモンを分泌する卵巣の働きは、脳の視床下部—下垂体—卵巣軸(HPO軸)によってコントロールされています。この視床下部は自律神経の中枢でもあり、ホルモン分泌と自律神経の調整を同時に担っています。
そのため、ストレスや生活習慣の乱れによって自律神経が不安定になると、女性ホルモンの分泌リズムも崩れやすくなります。
結果として、月経周期の乱れや更年期症状が起こるだけでなく、体温調節機能そのものが不安定になり、「冷え」や「寒がり」の症状が出やすくなります。
女性が寒がりになりやすい背景
女性は男性と比べて筋肉量が少ないため、熱を生産する力が弱く血流も滞りやすい傾向にあります。
さらに、月経周期や更年期に伴うホルモン変動によって自律神経の働きが揺らぎやすく、冷え症状を強めます。また、ストレスや睡眠不足によって交感神経が過剰に優位になると、血管収縮が続き、さらに冷えを感じやすい状態に陥ります。
カイロプラクティックからの視点
背骨や骨盤での負担は自律神経の働きに影響を与えると考えられています。
自律神経が安定することで、ホルモンリズムや血流が改善し、冷え症状の軽減に寄与する可能性があります。海外の研究や臨床例でも、カイロプラクティックケアが自律神経活動にポジティブな影響を与えることが示されています。
女性の寒がりは、単なる体質の問題ではなく、自律神経と女性ホルモンの相互作用から生じる複雑な現象です。自律神経が乱れるとホルモン分泌も揺らぎ、その影響で体温調節や末梢循環に障害が起き、冷えを感じやすくなります。そのため、自律神経へのアプローチを意識することが重要です。
カイロプラクティック・ケアで、こうした冷えの背景にある自律神経・ホルモンの乱れを安定させていきましょう。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。