2025.10.17

なぜ月経は定期的に訪れるの? ― 女性のリズムは「脳」と「ホルモン」と「神経」の連携で生まれている ―

カテゴリ: 健康通信
なぜ月経は定期的に訪れるの? ― 女性のリズムは「脳」と「ホルモン」と「神経」の連携で生まれている ―

「毎月くる生理」は、私たちの体にとって当たり前のように思えます。
しかし、その“当たり前”は、実はとても繊細で精密な体の仕組みによって保たれています。
その中心にあるのが、脳の働きとホルモンのバランス、そして神経の調整機能です。

 

今回のコラムでは、月経が規則的に訪れる理由をカイロプラクティックの視点からお伝えしていきます。

■ 月経は「準備」と「リセット」を繰り返すサイクル

月経とは、妊娠に備えて体が定期的に行う「準備」と「リセット」のプロセスです。
脳の中にある「視床下部」と「下垂体」が指令を出し、卵巣でエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。

 

エストロゲンは、女性らしい体をつくるホルモンであり、子宮内膜を厚くして受精卵を迎え入れる準備を整えます。一方で、プロゲステロンはその環境を安定させ、妊娠をサポートする役割を持ちます。

 

もし受精が起こらなかった場合、これらのホルモンが減少し、不要になった子宮内膜を体外へ排出します。これが、私たちが“生理”として感じている現象です。

 

つまり、月経は単なる出血ではなく、体が新しい周期に向けてリセットする生命のリズムなのです。

■ 脳がつくるリズムの司令塔

月経が定期的に訪れるのは、脳がホルモンの分泌を「リズムとして」コントロールしているからです。

 

視床下部は体の温度やストレス状態、睡眠などを感知しながらホルモンバランスを調整しています。この視床下部が下垂体に信号を送り、下垂体が卵巣に「そろそろ排卵の準備をしてね」と指令を出すことで、体は周期的に変化を繰り返します。

 

しかし、ストレスが強くかかったり、睡眠不足や栄養の偏りがあると、この“司令塔”である視床下部の働きが鈍くなります。すると、卵巣へ正しいタイミングで信号が送れなくなり、月経が遅れたり、逆に早まったりすることがあります。

 

このように、脳と体の間の微妙な連携が乱れると、月経のリズムは簡単に崩れてしまうのです。

■ 自律神経とホルモンの深いつながり

自律神経は、心臓の鼓動、血流、体温、内臓の働きなどをコントロールしており、ホルモンがスムーズに働ける環境を整える役割を担っています。交感神経と副交感神経がバランスよく切り替わることで、血流や代謝が保たれ、ホルモンも一定のリズムで分泌されます。

 

しかし、精神的なストレスや姿勢のくずれ、過度な冷え、運動不足などによって自律神経が乱れると、ホルモンの分泌リズムにも影響が出ます。その結果、月経周期が不安定になったり、月経痛やPMS(月経前症候群)といった不調が現れることもあります。

 

自律神経とホルモンはまるで“鏡のような関係”で、どちらかが乱れると、もう一方にも影響を与えてしまうのです。

■ カイロプラクティックでリズムを整えるという考え方

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経の流れが阻害されている箇所(サブラクセーション)を整えることで、神経の流れをスムーズにし、脳と体の情報伝達を正確にします。この神経の伝達が整うと、自律神経のバランスも安定し、結果としてホルモンのリズムも回復しやすくなります。

 

近年の研究でも、カイロプラクティックによるアジャストメントが自律神経機能(心拍変動のバランスなど)を改善し、体の恒常性を高めるという報告があります。また、月経不順や月経痛の改善、骨盤の機能向上などに良い影響がみられたという臨床報告も発表されています。

 

このように、神経を介して脳と体の連携を整えることが、女性ホルモンのバランスを安定させるうえで重要であることが少しずつ明らかになってきています。

 

月経が定期的に訪れるということは、体が健康的なリズムで働いている証です。
そのリズムが乱れるときは、体や心が「少し休みたい」「整えたい」とサインを出しているのかもしれません。

 

一時的な対症療法ではなく、体が自ら整おうとする力=自然治癒力を引き出すことで、月経のリズムを本来の状態に戻すサポートをしています。

 

月経の周期は、あなたの体の“リズムの指標”です。そのリズムを整えることは、女性としての健康、そして未来の自分への投資でもあります。体の声に耳を傾けながら、内側から調和のとれたリズムを取り戻していきましょう。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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