2025.09.08

【腰痛の落とし穴】股関節が動かず腰が動く “関節の役割逆転”が招く痛み

【腰痛の落とし穴】股関節が動かず腰が動く “関節の役割逆転”が招く痛み

「腰を動かすクセがある」

「股関節が硬い」

 

本来、人間の関節には“動かす関節”と“支える関節”の分業があり、このルールが守られることで効率的に動ける仕組みになっています。しかし現代人は、その役割を逆に使ってしまっている人が多くみられます。こうした体の使い方の逆転が、腰痛を長引かせる大きな要因になっています。

 

このコラムでは、なぜ人の体に「動かす関節と支える関節のルール」があるのか、そしてそのルールが崩れるとどうして腰に痛みが出るのかを、進化の歴史や日常生活の習慣を手がかりにひも解いていきます。

 

■ 関節の役割の原則と逆転

人間の体を下から見ていくと、足首は動かす関節、膝は支える関節、股関節は動かす関節、腰は支える関節、背中は動かす関節というように交互の役割が与えられています。足首や股関節は自由度の高い関節で大きな動きを担い、膝や腰はその動きを安定させる支点として働きます。この分業があるからこそ、体は安全に効率よく動けるのです。

 

ところが現代人は、デスクワークや長時間の座位によって股関節をほとんど使わず、代わりに腰をひねったり曲げたりして動こうとします。その結果、本来「支える」べき腰が「動かす」役に回り、股関節が「固める」役割を担ってしまう。つまり関節の役割逆転が起きているのです。

 

この逆転は日常生活に限った話ではありません。例えば人類が二足歩行を獲得したとき、股関節が大きく動き、腰が支えるという分業が進化的に定着しました。つまり「股関節を動かし、腰は支える」という設計は数百万年の進化が刻み込んだ基本原理です。ところが椅子に長時間座る生活や、股関節を動かさない現代の習慣によって、その原理が崩れつつあります。

 

また、日本文化に目を向けると、かつてはあぐらの生活習慣が股関節の柔軟性を育てていました。しかし洋式生活に移行すると股関節は固まり、腰で動くクセが強まりやすくなったのです。

 

驚くことに、プロのスポーツ選手でさえ役割逆転に陥るケースがあります。生まれ持った運動神経や筋力が優れているため、逆転したままでも動けてしまいますが、その無理は怪我や慢性的な腰痛を招くリスクを高めてしまいます。

 

股関節が動かないまま腰で代償すると、腰椎には設計以上の動きが集中します。腰椎は前後の曲げ伸ばしには強いですが、回旋や側屈には弱いため、神経や椎間板に負担がかかりやすくなります。

 

結果として腰の神経は過敏化し、「まだ動けるのに危険だ」と脳が判断しやすくなり、痛みを強調させる環境が整ってしまうのです。

 

■ 腰痛改善におけるカイロプラクティックの強み

カイロプラクティックケアの目的は、単に筋肉を緩めることや可動域を広げることではありません。本質的に目指しているのは、神経の流れを整えて脳と体の情報のやり取りをスムーズにすることです。

 

その結果として、「股関節を動かす」「腰を支える」という本来の分業が自然に回復し、体は無理のない使い方を取り戻していきます。

 

当院ではガンステッド・システムに基づき、体表温度検査、視診、静的触診、動的触診、レントゲン評価の五つの検査法を用いて、サブラクセーション(根本原因)がどの関節の役割を乱しているのかを精密に分析します。

 

股関節の固有感覚入力が正しく伝わっているか、腰の支える働きが維持できているかを確認し、神経伝達の乱れを引き起こしている部位を突き止めます。

 

必要最小限のアジャストメントによって神経のノイズを取り除くと、脳は「股関節は動かす」「腰は支える」という正しい指令を再び出せるようになります。その結果、股関節の可動性は自然に回復し、腰椎は安定性を取り戻し、全身の関節分業がスムーズに機能し始めます。

 

神経の流れが整わなければ役割逆転は根本的に改善されません。カイロプラクティックケアは「体のルールそのもの」を回復させるため、腰痛の改善だけでなく、体の動きがより自然で力強いものへと変わっていきます。

 

そして忘れてはいけないのは、関節の逆転は退化の証ではなく、まだ体が進化できるというサインだということです。正しい役割分担を取り戻せば、腰痛が改善するだけでなく、体はこれまで以上にしなやかで強い使い方を思い出していくのです。

 

■ ご相談・ご予約はいつでもどうぞ

「股関節が硬くて腰に負担がかかる」

「腰を動かさないと体が動かない気がする」

そんな悩みは、関節の役割が逆転しているサインかもしれません。

 

カイロプラクティックケアで神経を整え、動かす関節と支える関節のバランスを正しく取り戻し、腰痛のない進化した体を一緒に作っていきましょう。

 

📍前田カイロプラクティック藤沢院

神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402

【営業時間】9:00〜12:00/14:00〜18:00

【休診日】月曜日・火曜日午後・金曜日・第3日曜日(前日土曜日は午前のみ)

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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