2025.09.14

【妊婦の腰痛】カイロプラクティックで分娩時間まで短縮する理由

【妊婦の腰痛】カイロプラクティックで分娩時間まで短縮する理由

「妊娠してから腰がつらい」

「お腹が大きくなるにつれて眠れないほど痛い」

「出産まで我慢するしかないの?」

 

多くの妊婦さんがこうした悩みを抱えています。実際、妊婦の約7割が腰痛を経験すると報告されています。ところが、カイロプラクティックを受けることで腰痛が軽減するだけでなく、分娩時間まで短くなるという研究データがあるのです。

 

このコラムでは、妊娠中に腰痛が起こる理由、カイロプラクティックがどのように作用するのか、そして分娩時間が短縮される科学的根拠について解説します。

 

■ 妊娠中の腰痛はなぜ起こるのか

妊娠中に腰痛が増えるのは偶然ではありません。まず大きな要因は姿勢の変化です。妊娠中期から後期にかけて胎児と子宮の重量は5〜10kgにもなり、重心は通常より5〜7cm前方へ移動すると報告されています。このバランス変化に対応するために、腰椎の前弯(反り)が強まり、腰部の椎間関節や椎間板には通常以上の圧力がかかるようになります。

 

さらにホルモンの影響も大きな要素です。妊娠中はリラキシンというホルモンが分泌され、出産に備えて骨盤や靭帯をゆるめます。しかし、靭帯がゆるむことで骨盤の安定性は低下し、それを補うために腰や背部の筋肉が過剰に緊張する状態が続きます。筋肉は長時間収縮すると血流が妨げられ、乳酸や炎症性サイトカインといった代謝産物が滞留して、痛みや張りの原因となります。

 

また、神経学的な要因も無視できません。子宮が大きくなるにつれて腰椎や仙骨周囲の神経根には圧迫やストレスが加わることがあり、その結果として坐骨神経痛のような放散痛を訴える妊婦も少なくありません。さらに腹筋群はお腹が前に引き伸ばされて弱くなるため、本来は体幹を安定させる働きが十分に果たせず、その分の負担が腰部に集中します。

 

このように妊娠中の腰痛は、姿勢の変化、ホルモンによる骨盤の不安定化、そして神経や筋肉の代償的な働きが重なり合うことで引き起こされるものであり、構造と機能が複雑に絡み合った問題として捉える必要があるのです。

 

■ カイロプラクティックで骨盤と神経を整える意味

カイロプラクティックは筋肉を直接ゆるめるものではなく、神経の働きを回復させることを目的としています。妊娠中は骨盤が「出産に備えて開こうとする」動きを繰り返していますが、神経機能が乱れていると骨盤がスムーズに動かず、かえって腰に負担が集中します。

 

当院で実践しているガンステッド・システムでは、体表温度検査・視診・静的触診・動的触診・レントゲン評価の5つの検査を用いて、神経伝達を妨げているサブラクセーション(根本原因)を特定します。必要最小限のアジャストメントで神経の流れを回復させることで、骨盤は本来の働きを取り戻し、腰部への負担が減少します。

 

また、当院では「ハイローテーブル」という特殊なベッドを使用しています。お腹の部分がスウィングして下がる構造になっているため、妊娠後期の方でもうつ伏せになれます。それだけで腰の圧迫感が和らぎ、「うつ伏せになれるなんて久しぶり」と喜ばれる方も多いのです。

 

さらに、妊娠中の腰痛では骨盤のゆるみや姿勢変化による神経ストレスが特に大きな問題となります。ここで神経伝達を整えることには二重の意味があります。ひとつは母体の腰痛や不調を軽減し、快適な妊娠生活をサポートすること。もうひとつは、骨盤や子宮周囲の神経・血流環境を整えることで、お腹の中の赤ちゃんが発育しやすい環境をつくることです。

 

実際に、子宮は骨盤からつながる3本の強靭な靭帯によって支えられており、宙づりになったハンモックのような構造をしています。骨盤が歪んだり不安定になったりすれば、そのハンモックは傾き、子宮自体も緊張や歪みを強いられます。大人でさえ捻じれたハンモックに横たわるのは難しいのと同じように、お腹の赤ちゃんにとってはその影響が甚大です。胎児の姿勢や動きの自由度が制限されれば、発育そのものや回旋(出産に向けた赤ちゃんの回り込み)にまで影響を及ぼす可能性があるのです。

 

したがって、妊娠中のカイロプラクティックケアは「母体の腰痛対策」にとどまらず、「赤ちゃんが健やかに育つ環境を整えるケア」でもあるのです。

 

■ 分娩時間が短縮する科学的根拠

カイロプラクティックケアを妊娠中に受けることで、分娩時間が大幅に短縮することが研究によって示されています。

 

アメリカで行われた研究によると、初産婦では平均24%、経産婦では平均38%も分娩時間が短縮されたと報告されています。これは単なる偶然ではなく、神経学的・生理学的なメカニズムによる必然といえます。

 

・初産婦では平均24%短縮

・経産婦では平均38%短縮

(Dailkow, Fallon アメリカ 1991年/Lisi al. Chiropractic spinal manipulation for back pain of pregnancy, J Midwifery Womens Health, 2006)

 

妊娠中、骨盤は「出産に向けて開閉を繰り返す」準備をしています。しかし神経伝達に乱れがあると、骨盤周囲の筋肉や靭帯が過剰に緊張し、開くべきタイミングで十分に開かず、結果として分娩に時間がかかってしまいます。

 

一方でカイロプラクティックによって神経の流れが整えば、自律神経系のバランスも調整されます。特に副交感神経の働きがスムーズになることで、子宮筋の収縮は規則正しく効率的に行われ、分娩の進行はスムーズになります。さらに、骨盤が正しく動けることで胎児の回旋(産道を通るための自然な回り込み)もスムーズに進みます。

 

つまり「母体の骨盤と神経が本来の働きを取り戻す → 出産プロセス全体が整う → 結果として分娩時間が短縮する」という一連の流れが、研究データの裏付けとなっているのです。

 

数字だけ見れば「24%や38%」ですが、分娩に10時間かかると仮定すれば、初産婦では約2.5時間、経産婦では約4時間の短縮に相当します。これは母体にとっての体力的・精神的な負担を大きく軽減するだけでなく、赤ちゃんにとっても安全性を高める重要な意味を持ちます。

 

■ ご予約・ご相談はいつでもどうぞ

「妊娠中の腰痛で毎日がつらい」

「できるだけ楽にお産をしたい」

 

そんな妊婦さんのお悩みは、カイロプラクティックでサポートできます。安全で精密なガンステッド・システムのケアを通じて、妊娠中の腰痛を和らげ、出産をよりスムーズに迎えられる体へと導いていきましょう。

 

📍前田カイロプラクティック藤沢院

神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402

【営業時間】9:00〜12:00/14:00〜18:00

【休診日】月曜日・火曜日午後・金曜日・第3日曜日(前日土曜日は午前のみ)

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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