【ぎっくり腰を繰り返す理由】炎症や損傷だけでは説明できない再発メカニズム

「やっと治ったと思ったら、またぎっくり腰になった…」という経験をされた方は少なくありません。以前より軽く済んだケースもあれば、逆に強く出たケースもあります。一般的には「腰の筋肉や靭帯を痛めた」と説明されますが、それだけでは“繰り返す”理由を説明できません。今回は、ぎっくり腰の再発を招く神経機能のメカニズムと、その防ぎ方について詳しくお話しします。
■ 急性期の痛みは炎症だけではない
ぎっくり腰の直後は、筋肉や靭帯、関節包などの組織に微細な損傷が起き、炎症が発生します。この段階では、安静や冷却などが推奨されるのは間違いではありません。しかし、炎症が治まったあとも「恐る恐る動く」「また痛めるかもしれない」という不安が残ると、神経が過敏な状態のまま固まってしまうことがあります。
この“神経の過敏状態”が続くと、本来は問題ない動きや負荷にも過剰に反応し、筋肉を瞬時に硬直させます。その結果、ちょっとした前かがみや物を持ち上げた拍子に、再び強い痛みが走るのです。特に、炎症が収まってから数週間〜数か月のあいだに無理をすると、この神経過敏が慢性化しやすくなります。
■ 神経の“記憶”が再発を招く
人間の神経系は、一度強い痛みを経験すると、そのパターンを記憶します。これは危険回避のための生理的な仕組みですが、腰の場合はこの記憶が過剰に働くことがあります。以前ぎっくり腰になったときの姿勢や動作が脳に「危険な動き」としてインプットされ、似た動きを検知した瞬間に筋肉を硬直させるのです。
たとえば、過去に「床の物を拾おうとして痛めた」経験がある人は、その動作に近い前屈姿勢をとっただけで、神経が過剰に防御反応を起こします。炎症や損傷がないにもかかわらず、強い痛みや違和感が出るのは、この“神経の記憶”による影響です。
さらに、精神的ストレスや睡眠不足、長時間同じ姿勢なども神経過敏を助長します。こうした日常の小さな負担が積み重なることで、「きっかけは些細なのに再発する」パターンが生まれます。
■ 再発防止の鍵は神経機能の安定
ぎっくり腰の真の予防は、筋肉を鍛えることやストレッチだけでは不十分です。もちろん筋力や柔軟性は重要ですが、それ以上に神経の安定が欠かせません。神経が安定していれば、必要なときに必要な筋肉だけが働き、関節は滑らかに動き、不要な緊張は自然に抜けます。
反対に、神経が不安定な状態では、どれだけ筋力や柔軟性を高めても、脳が危険信号を出し続け、筋肉を過剰に硬直させてしまいます。そのため、運動やケアを行っても「またやってしまった」という再発ループから抜けられません。
■ カイロプラクティックでできること
カイロプラクティックでは、ぎっくり腰の再発を招く神経過敏の原因を、検査を通じて明らかにします。体表温度検査では自律神経のバランスや局所の神経反応を確認し、視診や静的・動的触診で背骨や骨盤の動きの乱れを探ります。
痛みのある場所を強く押すのではなく、神経機能を阻害している部位を特定し、最小限の刺激で正確に調整します。これにより、脳と体の連携が回復し、「常に守りの姿勢を取らなくても良い」状態に導きます。
また、ぎっくり腰後の初期〜中期のケアでは、炎症を落ち着かせつつ、過敏な神経を穏やかに安定させる施術を行い、動きに対する恐怖感を徐々に解消します。これにより、再発リスクを大きく減らせます。
■ 日常生活で意識したいこと
急性期を過ぎたら、過剰に動きを制限せず、少しずつ日常動作を再開することが大切です。ゆっくりとした前屈や立ち上がり動作から始め、神経に「この動きは安全だ」と学習させていきます。
長時間同じ姿勢でいる場合は、30〜60分ごとに姿勢を変えたり、肩や股関節を大きく回す動きを取り入れましょう。呼吸も重要で、浅く速い呼吸は神経を緊張状態に保ちます。深い腹式呼吸を数回繰り返すだけで、副交感神経が働きやすくなり、腰回りの筋肉も緩みやすくなります。
さらに、睡眠の質を高めることも再発予防には欠かせません。就寝前のスマートフォン使用を控え、同じ時間に寝起きするリズムを作ることで、神経が安定しやすくなります。
■ ご相談・ご予約はいつでもどうぞ
「ぎっくり腰を繰り返すのは仕方ない」と諦めている方へ。
神経の働きを整えるケアを通じて、再発を防ぎ「安心して動ける毎日」を取り戻すお手伝いをいたします。
📍前田カイロプラクティック藤沢院
神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。
笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。