2025.08.09

【ぎっくり腰を繰り返す理由】炎症や損傷だけでは説明できない再発メカニズム

【ぎっくり腰を繰り返す理由】炎症や損傷だけでは説明できない再発メカニズム

「やっと治ったと思ったら、またぎっくり腰になった…」という経験をされた方は少なくありません。

 

以前より軽く済んだケースもあれば、逆に強く出たケースもあります。一般的には「腰の筋肉や靭帯を痛めた」と説明されますが、それだけでは“繰り返す”理由を説明できません。

 

このコラムでは、ぎっくり腰の再発を招く神経機能のメカニズムと、その防ぎ方について詳しくお話しします。

 

■ 急性期の痛みは炎症だけではない

ぎっくり腰の直後は、筋肉や靭帯、関節包などの組織に微細な損傷が起き、炎症が発生します。この段階では、安静や冷却などが推奨されるのは間違いではありません。しかし、炎症が治まったあとも「恐る恐る動く」「また痛めるかもしれない」という不安が残ると、神経が過敏な状態のまま固まってしまうことがあります。

 

この“神経の過敏状態”が続くと、本来は問題ない動きや負荷にも過剰に反応し、筋肉を瞬時に硬直させます。その結果、ちょっとした前かがみや物を持ち上げた拍子に、再び強い痛みが走るのです。特に、炎症が収まってから数週間〜数か月のあいだに無理をすると、この神経過敏が慢性化しやすくなります。

 

■ 神経の“記憶”が再発を招く

人間の神経系は、一度強い痛みを経験すると、そのパターンを記憶します。これは危険回避のための生理的な仕組みですが、腰の場合はこの記憶が過剰に働くことがあります。以前ぎっくり腰になったときの姿勢や動作が脳に「危険な動き」としてインプットされ、似た動きを検知した瞬間に筋肉を硬直させるのです。

 

たとえば、過去に「床の物を拾おうとして痛めた」経験がある人は、その動作に近い前屈姿勢をとっただけで、神経が過剰に防御反応を起こします。炎症や損傷がないにもかかわらず、強い痛みや違和感が出るのは、この“神経の記憶”による影響です。

 

さらに、精神的ストレスや睡眠不足、長時間同じ姿勢なども神経過敏を助長します。こうした日常の小さな負担が積み重なることで、「きっかけは些細なのに再発する」パターンが生まれます。

 

■ 再発防止の鍵は神経機能の安定

ぎっくり腰の真の予防は、筋肉を鍛えることやストレッチだけでは不十分です。もちろん筋力や柔軟性は重要ですが、それ以上に神経の安定が欠かせません。神経が安定していれば、必要なときに必要な筋肉だけが働き、関節は滑らかに動き、不要な緊張は自然と抜けます。

 

反対に、神経が不安定な状態では、どれだけ筋力や柔軟性を高めても、脳が危険信号を出し続け、筋肉を過剰に硬直させてしまいます。そのため、運動やケアを行っても「またやってしまった」という再発ループから抜けられません。

 

■ カイロプラクティックができること

カイロプラクティックが注目するのは、単に「腰の筋肉を傷めた」「靭帯が炎症を起こした」という表面的な問題ではなく、その背景にある神経機能の乱れです。ぎっくり腰を繰り返す患者の多くは、炎症や損傷そのものよりも、神経が過敏に働き続けていることが再発の大きな要因となっています。

 

前田カイロプラクティック藤沢院では、ガンステッド・システムを用いて神経機能の評価を行っています。ガンステッド・システムは、体表温度検査・視診・静的触診・動的触診・レントゲン評価という5つの検査を組み合わせ、神経伝達を妨げているサブラクセーションを正確に特定する方法です。

 

サブラクセーションとは単なる骨の“ズレ”ではなく、椎間関節や椎間板に加わる微細なストレスが神経系を誤作動させ、脳と体の連携を乱している状態を指します。

 

検査で特定したサブラクセーションに対し、ピンポイントでアジャストメントを行うことで、過敏になっていた神経の興奮を落ち着かせます。

 

その結果、脳は「危険信号を出し続けなくてもよい」と判断し、防御的に硬直していた筋肉が自然とゆるみ、腰の可動性が戻っていきます。痛みの部位を直接揉みほぐすのではなく、神経と脳の情報伝達そのものを整えるからこそ、再発を繰り返さない土台を築けるのです。

 

さらに、神経の安定が得られると、自律神経のバランスも整い、炎症の沈静化や血流改善、睡眠の質向上といった全身的な回復プロセスが促されます。

 

ぎっくり腰の再発防止には「筋力をつける」「柔軟性を高める」だけでは不十分であり、神経そのものを安定させることが欠かせません。カイロプラクティックはまさにそのための専門的アプローチなのです。

 

■ ご相談・ご予約はいつでもどうぞ

「ぎっくり腰を繰り返すのは仕方ない」と諦めている方へ。神経の働きを整えるケアを通じて、再発を防ぎ「安心して動ける毎日」を取り戻すお手伝いをいたします。

 

📍前田カイロプラクティック藤沢院

神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402

【営業時間】9:00〜12:00/14:00〜18:00

【休診日】月曜日・火曜日午後・金曜日・第3日曜日(前日土曜は午前のみ)

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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