【PMS(月経前症候群)】イライラする・落ち込みやすい人でのホルモンの乱れ方の違いとは?

毎月のように訪れる生理での悩みでも多いのは、PMS(月経前症候群)です。
「急にイライラしてしまう自分がイヤになる」、「なぜか気持ちが沈んで何もしたくなくなる」そんな経験はありませんか?
PMS(月経前症候群)の症状は人によって本当にさまざまですが、実は“イライラしやすい人”と“落ち込みやすい人”では、ホルモンバランスの乱れ方に特徴的な違いがあると考えられています。
今回のコラムでは、ホルモンバランスの乱れ方の違いと、ホルモンバランスと深く関係している自律神経の働きについてお伝えしていきます。
女性の体はホルモンで日々変化している
女性の体は月経周期によってホルモンは常に変化しています。
排卵までの時期(卵胞期)では「エストロゲン」が多く分泌され、心も体も軽やかに感じやすい時期です。一方で、排卵後から生理前(黄体期)には「プロゲステロン」が増加し、エストロゲンが減少するため、心身ともに不安定になりやすくなります。このホルモンの急激な変動がPMS症状の大きな原因です。
イライラしやすい人は、プロゲステロンの影響を受けやすい
PMS(月経前症候群)で怒りっぽくなったり、家族やパートナーにきつく当たってしまう方は、「プロゲステロンが優位」な体質に影響されている可能性があります。
このホルモンが多くなると、本来は体を休ませる作用があるもののエストロゲンとのバランスが崩れると、神経が過敏になりやすくなることがあります。
その結果、脳内の“リラックス系”の神経伝達物質であるGABAやセロトニンが減少し、怒りや焦り、不安などの感情が表に出やすくなります。
落ち込みやすい人は、エストロゲンの急激な低下に敏感
「なんだか急に涙が出る」「気分が沈んで何もしたくない」そんなPMSの症状が出る方は、エストロゲンの急激な低下による影響が大きいと考えられます。
エストロゲンは、心の安定を保つ“幸せホルモン”ともいわれるセロトニンの分泌をサポートしています。そのため、エストロゲンが減るとセロトニンの量も減り、気分が沈んだり、自信をなくしたり、うつっぽい症状が現れやすくなります。
ホルモンと自律神経の関係性に注目を
ホルモンバランスと自律神経は密接な関係があります。
ホルモンの司令塔ともいえる「視床下部」は、自律神経の中枢でもあるためストレスなどで自律神経が乱れるとホルモンの分泌リズムも乱れてしまいます。
逆に、ホルモンバランスの変動が自律神経を刺激し、不眠・頭痛・動悸などの症状を引き起こすこともあります。
ホルモンと自律神経は“お互いに影響を与え合う関係”なのです。
カイロプラクティックの関係性とは?
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経圧迫を整えることで、神経の通り道をスムーズにし、自律神経の働きをサポートします。その結果、ホルモンバランスをコントロールする視床下部や下垂体などの脳の機能が正しく働くようになり、PMS症状の緩和にもつながります。
また、血流やリンパの流れが良くなることで、冷えやむくみの改善、生理痛の軽減など、女性特有の悩みにも効果が期待できます。
月経周期も体の司令塔である脳が体の状態をしっかり把握していることで、サイクルがつくられています。脳と体の情報伝達役の神経が正常に働くことが体のさまざまなバランスが安定するカギとなります。
ホルモンバランスに深く関係する自律神経をカイロプラクティック・ケアで整えて、生理期間も快適に過ごしていきましょう。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。