「姿勢が悪いから腰が痛い」

「猫背にならないように背筋を伸ばさなきゃ」

 

このような言葉を、腰痛に悩む方からよく聞きます。確かに、姿勢は健康と深く関係しており、無視できるものではありません。

 

しかし実は、「姿勢をよくしよう」と意識するあまり、かえって腰痛を悪化させてしまう方が少なくないのです。

 

今回は、“姿勢意識の落とし穴”について、自律神経の働きや神経機能の観点から深掘りしていきます。

 

真面目な人ほど腰を壊す？姿勢を意識しすぎる弊害

「姿勢が悪いと腰を痛める」というイメージが広く浸透している一方で、姿勢を意識しすぎることが新たなストレスを生んでいるという事実は、あまり知られていません。

 

特に真面目な性格の方や几帳面なタイプの方ほど、「姿勢をよく保たなければ」と無意識に身体を固めてしまう傾向があります。背筋をピンと伸ばして、胸を張って、アゴを引いて──と、正しいとされる姿勢を頑張って維持しようとするのです。

 

しかし、この「頑張る姿勢」は、多くの場合筋肉の過剰な緊張を引き起こし、自律神経にも悪影響を及ぼします。

 

過緊張による“神経のブレーキ”が腰を壊す

筋肉の緊張が高まると、神経系は「防御反応」としてさらに身体を固めようとします。これは、本来なら危険から身を守るための生理的反応ですが、これが日常的に続くと、神経が“緊張モード”から抜け出せなくなるのです。

 

特に、姿勢を保つために使われる体幹の筋群は、常に微細な神経制御のもとで働いています。そこに意識的な力みが加わると、本来は無意識に行われていたバランス調整が乱れ、腰まわりに不自然な負荷がかかるようになります。

 

このような状態では、筋肉の張りや関節の圧迫が慢性化しやすく、結果として**「良い姿勢を意識するほど腰が痛くなる」**という矛盾した状況に陥ってしまうのです。

 

自律神経と姿勢の“意外な関係”

姿勢をコントロールしているのは筋肉だけではありません。実は、姿勢には自律神経の働きが大きく関わっています。

 

自律神経には、身体を興奮状態に導く「交感神経」と、リラックス状態へ導く「副交感神経」があります。

姿勢を常に意識して「背筋を伸ばそう」「良い姿勢をキープしよう」と力み続けると、交感神経が過剰に働いて緊張モードが維持されたままになります。

 

その結果、筋肉はいつまでも休めず、呼吸が浅くなったり、血流が悪くなったり、回復力が低下したりと、身体の修復にも悪影響が出始めます。

 

つまり、「姿勢を正す」こと自体が悪いのではなく、意識的な緊張が長く続くことが問題なのです。

 

“使える身体”をつくるには、神経のバランスが最優先

本来の理想的な姿勢とは、意識して「作るもの」ではなく、**自然に“保てるもの”**であるべきです。

 

そのためには、まず身体を動かす神経の伝達がスムーズであることが大前提となります。神経の働きが乱れていると、必要な筋肉が働かず、逆に不必要な筋肉が頑張ってしまうため、全体のバランスが崩れやすくなります。

 

前田カイロプラクティック藤沢院では、レントゲン分析や体表温度検査、触診を通じて、どの神経の伝達が滞っているのかを見極めたうえで、的確なアジャストメントによって神経の働きを整えています。

 

神経が正しく働き始めると、身体は無理に意識しなくても自然な姿勢を保てるようになり、余計な力みが抜けていくのです。

 

良かれと思って姿勢を意識してきたあなたへ

☑ 背筋を伸ばすように意識しているのに、腰が疲れる

☑ 「正しい姿勢」がわからなくなってきた

☑ 常に気をつけているのに腰痛が改善しない

☑ 意識しないとすぐ猫背になるが、意識すると痛くなる

 

このような方は、「姿勢」そのものではなく、姿勢をコントロールする神経の働きに問題があるかもしれません。

良い姿勢を“意識して作る”のではなく、自然に保てる身体を取り戻していきましょう。

 

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