2025.07.27

更年期にお腹周りが太りやすくなる理由〜女性ホルモン・自律神経・代謝の深い関係性〜

カテゴリ: 健康通信
更年期にお腹周りが太りやすくなる理由〜女性ホルモン・自律神経・代謝の深い関係性〜

「昔はこんなにお腹に脂肪がつかなかったのに…」
「ダイエットしてもお腹だけ落ちない」
―そう感じていつ方も多いともいます。

 

更年期に差しかかると、特に「お腹周り」に脂肪がつきやすくなったと感じる女性が増えます。これは単なる“年齢のせい”ではなく、女性ホルモンの変化や自律神経の乱れ、代謝機能の低下といった複数の要因が関係しています。

 

今回のコラムでは、お腹周りの脂肪がつきやすくなる原因と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます。

女性ホルモンと脂肪の分布の変化

更年期になると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンには以下のような脂肪代謝の調整機能があります。

・皮下脂肪を増やし、内臓脂肪を抑制する働き

・インスリン感受性を高めて、糖代謝を良好に保つ役割

つまり、エストロゲンがしっかり働いている間は、脂肪は比較的「下半身(洋ナシ型)」につきやすく、お腹周りの内臓脂肪は抑えられやすい状態にあります。

 

しかし、更年期以降はこのエストロゲンが急激に低下し、脂肪の分布が「内臓型(リンゴ型)」へとシフトします。これにより、お腹周り、特に内臓脂肪が増えやすくなるのです。

自律神経の乱れとストレス太り

更年期には、ホルモンバランスの崩れの根本原因である自律神経も乱れやすくなります。

 

自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、代謝や内臓機能、ホルモンの分泌にも深く関与しています。

 

エストロゲンは、脳の視床下部にある自律神経の中枢を安定させる役割を持っていますが、そのエストロゲンが減ると、交感神経が過剰に働き、慢性的な緊張状態=ストレスモードになります。

 

このような交感神経優位な状態が続くと、

・コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増加

・血糖値が上昇しやすくなる

・インスリン抵抗性が高まり、脂肪を蓄積しやすくなる

という悪循環が生まれます。特に、コルチゾールは内臓脂肪の蓄積を促すことが研究でも示されています。

筋力低下と代謝の低下

年齢とともに筋肉量が減少する「サルコペニア」も、代謝の低下を招きます。エストロゲンには骨や筋肉の合成を助ける働きもありますが、それが減少することで、筋肉の分解が進みやすくなることがわかっています。

 

筋肉量が減れば、基礎代謝が下がり、同じ生活をしていても太りやすく、痩せにくい体質へと変化していくのです。

カイロプラクティック・ケアの関係性

更年期に起こる内臓脂肪の蓄積には、ホルモンバランスの変化、自律神経の乱れ、基礎代謝の低下という三つの軸が深く関わっています。これらは相互に影響を及ぼしながら、身体全体の調和を乱していきます。

 

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤のバランスを整えることで、脳と全身をつなぐ神経の流れを整え、自律神経のバランスを回復を促すことも目的としています。まず、特に更年期に多い「自律神経のバランスの乱れ」を緩和することで、リラックスしやすい体内環境を取り戻し、過剰なコルチゾールの分泌を抑える助けになります。

 

また、副腎や視床下部に関連する神経ルートへの伝達がスムーズになることで、ホルモン中枢への刺激が正常化され、エストロゲンやコルチゾール、インスリンといったホルモン分泌の調整機能が働きやすくなります。

 

さらに、自律神経の働きが安定することで呼吸機能や内臓の働きも活性化されます。これにより基礎代謝が高まり、消化吸収・排泄のサイクルが整い、内臓への過度な圧迫も軽減されるため、脂肪が溜まりにくくなります。

 

更年期に伴う体質変化に対し、薬に頼らず体の内側から整える手段として、非常に有効な選択肢といえます。

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

コラム一覧へ戻る
pagetop