女性ホルモンと股関節痛の深い関係性とは?

股関節の痛みは、加齢や運動不足だけが原因ではありません。特に女性の場合、月経周期や更年期、妊娠・出産といったホルモン変動が、関節や筋肉、そして自律神経の働きに影響し、股関節の痛みや不調を引き起こすことがあります。
今回のコラムでは、女性ホルモンと股関節の関係性についてお伝えしていきます。
エストロゲンと関節の関係:靭帯と筋肉の柔軟性に影響
女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、関節や靭帯の柔軟性を保つ働きがあります。
排卵期〜黄体期にかけてエストロゲンが増加することで、関節や骨盤周囲の靭帯が一時的にゆるみ、身体の可動性が高まります。
これは妊娠や出産に備えるための自然な変化ですが、筋力のバランスが崩れていたり、姿勢が乱れていたりすると、股関節の不安定さや痛みにつながることがあります。
更年期と股関節痛:エストロゲン低下による影響
更年期に差しかかると、卵巣機能の低下とともにエストロゲンの分泌量が減少し始めます。この変化は、骨密度の低下・関節の潤滑不全・筋緊張の変化を引き起こしやすく、股関節周囲に痛みやだるさ、朝のこわばりなどの症状が出やすくなります。
また、ホルモンの変化は自律神経にも影響し、交感神経優位の状態が続くことで筋肉の過緊張や血流不足が起こり、結果的に関節の可動性を低下させてしまいます
自律神経の視点からみた股関節痛
自律神経は、体温・血流・筋肉の緊張・ホルモン分泌といった、私たちが意識しない身体の内部環境を調整する働きがあります。特に女性は、ホルモンバランスが崩れると自律神経の働きにも影響が出やすく、次のような悪循環に陥ることがあります。
自律神経のバランスが整っていると、筋肉や関節の働きも安定し、ホルモンの変動による体調の揺らぎも少なくなります。
骨盤と股関節は「ホルモンと神経の受容器」
骨盤は、子宮や卵巣といった内臓を保護する重要な構造であり、股関節と連動して動いています。骨盤が傾いたり、片側に偏ったりすると、股関節にかかる負荷が変化し、関節のすり減りや炎症、筋膜の過緊張などが起こりやすくなります。
また、子宮・卵巣と関連の深い**骨盤神経叢(下腹神経叢)**は、自律神経と密接に関わっており、ホルモンの変動や精神的ストレスも、骨盤周囲の痛みや感覚異常につながる可能性があります。
カイロプラクティックの視点と可能性
カイロプラクティックでは、股関節の可動性や骨盤アライメントの調整だけでなく、神経系の働きや血流、自律神経のバランスにもアプローチします。
骨盤まわりの筋肉・関節・神経のつながりを整えることで、自律神経の安定化による睡眠・代謝の改善や骨盤の安定性が向上し、股関節への負担の軽減などのサポートにつながります。
女性の股関節痛は、「加齢」や「運動不足」だけでは説明しきれません。
ホルモンバランスの変化、自律神経の乱れ、骨盤と神経系のつながりが複雑に絡み合って症状として現れているケースが非常に多いのです。
股関節に慢性的な痛みや違和感がある方は、体の構造だけでなく、神経やホルモンの視点からも身体を見直すことが大切です。
カイロプラクティック・ケアで日々の健康を維持していきましょう。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。