2025.09.03

女子の成長はなぜ男子より早いのか?ホルモンと骨格発達の科学

カテゴリ: 健康通信
女子の成長はなぜ男子より早いのか?ホルモンと骨格発達の科学

思春期になると、同じ年齢でも女子の方が身長や体型の変化が早いことに気づく方も多いでしょう。

 

これは単なる個人差ではなく、性ホルモンの分泌タイミングや骨の成熟速度の違いが大きく関係しています。

 

今回のコラムでは、成長とホルモンの関係性についてお伝えしていきます。

■ 女性ホルモン(エストロゲン)の働き

女子は10歳前後で卵巣からエストロゲンの分泌が始まります。エストロゲンは単に女性らしい体型をつくるだけでなく、成長や身体の機能に幅広く影響します。

 

まず、骨端線(成長板)に作用して骨の縦方向の成長を促進します。同時に、骨の強度や密度を高め、将来の骨粗しょう症リスクを低減する役割もあります。

 

また、乳房の発達や体脂肪の分布を女性らしく整える働きもあり、腰回りや太ももなどに脂肪がつきやすくなります。

 

さらに、エストロゲンは脳や神経系の発達にも関与しています。神経伝達物質のバランスを調整することで、学習能力や記憶力、情緒の安定にも関わり、運動制御や姿勢保持の精度にも影響を与えます。これにより、女子は同年齢の男子よりも身体的・認知的に成熟が早くみえるのです。

■ 成長スパートと骨の成熟

女子の思春期は平均して10〜11歳頃に始まり、男子は12〜13歳頃から始まるのが一般的です。

 

そのため、同年齢の時点では女子の方が身長や体型の変化が先行してみえます。しかし男子は、後から分泌されるテストステロンの影響で筋肉量や骨密度が増加するため、最終的な身長では女子を上回る傾向があります。

■ 脳・神経系の発達も女子が先行

女子は男子より前頭葉の成熟が早い傾向があります。

 

前頭葉は運動制御や学習、意思決定に関わる部位であるため、身体的な成長だけでなく、運動や姿勢制御の習熟度にも影響を与える可能性があります。

 

このため、女子は身体的にも精神的にも同年齢の男子より早く発達しているように見えるのです。

■ カイロプラクティックからみた視点

成長期の骨格は非常に柔軟で変化しやすいため背骨や骨盤の働きは重要であり、神経系の働きやホルモン分泌にも影響する可能性があります。

 

成長期におけるカイロプラクティックケアは、自然な骨の成長をサポートしつつ、姿勢や動作パターンを整える役割が期待できます。

 

女子が男子より早く成長するのは、女性ホルモンの分泌タイミングの違いと骨・神経系の成熟の違いによるものです。エストロゲンは骨や脂肪分布だけでなく、神経や情緒の発達にも深く関与しています。

 

成長の早い女子は、骨格や神経系の発達を意識したケアを取り入れることで、より健やかな成長を促すことができます。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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