女子の成長はなぜ男子より早いのか?ホルモンと骨格発達の科学
思春期に入ると、同じ学年であっても女子の方が先に身長が伸びたり体型が変化したりする様子がよくみられます。
これは単なる個人差ではなく、性ホルモンが分泌され始める時期と、骨や神経系が成熟するタイミングに男女で違いがあるためです。
医学研究では、女子は平均して10歳前後から女性ホルモンの分泌が高まり、男子はそれより2年ほど遅れて始まることが示されています。このわずかな差が、見た目や体つきの成長時期に大きな違いを生み出します。
今回のコラムでは、思春期の女性の成長と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます。
■ エストロゲンが「身体」「心」「動き」の成熟を導く
女子は10歳前後になると、卵巣から女性ホルモンである エストロゲン が増え始めます。エストロゲンはまず、骨端線(成長板)に働きかけ、骨が縦に伸びるスピードを高めることがわかっています。
実際に、小児内分泌学の研究では、エストロゲンが不足していると骨の成長が遅れ、将来的に骨密度も低くなりやすいことが報告されています。つまり、女性ホルモンは「大人らしい身体をつくる」だけでなく、丈夫な骨を育てるためにも欠かせないホルモンと言えます。
さらに、エストロゲンは脂肪のつき方にも影響し、腰まわりや太ももなどに脂肪がつきやすくなります。これは、妊娠や月経に備える体の仕組みが働いているためです。
また、神経や脳の発達にも深く関わります。神経伝達物質のバランスが整うことで、集中力・記憶力・情緒の安定が維持されやすくなることが脳科学の研究で示されています。
このため、女子は同じ年齢の男子と比べると、学習面や姿勢・動きのコントロールが早く安定することが多いのです。
■ 成長期をより健やかに過ごすために:カイロプラクティックの視点
成長期の骨格は柔らかく変化しやすいため、日常の姿勢や体の使い方がそのまま背骨や骨盤に影響しやすい時期でもあります。背骨や骨盤でバランスが乱れ、可動域制限が起こると、その周りを通る神経の働きにも影響し、成長のバランスが崩れやすくなる可能性があります。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経の流れに負担となっている箇所を整えることで、神経が体のすみずみまで正しく働ける環境を整えていくサポートすることが目的となります。
海外では、成長期の姿勢ケアとして医療機関と連携してカイロプラクティックを取り入れている地域もあり、スポーツ医学の分野では「成長期における運動機能の向上や姿勢バランスの改善に有効」と報告されています。
女子は男子より早い段階で成長が進むため、身体が大きく変化する前からケアを行うことが、将来の健康につながります。
神経の働きがスムーズになると、自然と呼吸が深くなり、体の緊張が抜け、心も落ち着きやすくなります。これは成長期の「心と身体のバランスづくり」にとってとても大切なことです。
女子の成長が男子より早いのは、女性ホルモンが発達に深く関わるためです。そして成長期は、ただ身長が伸びるだけでなく一生の健康の基礎がつくられる時期です。カイロプラクティック・ケアを取り入れることで、未来のからだと心の健やかな成長を支えていきましょう。
ご予約・お問合せはお電話またはLINEから
- お電話での予約
- TEL:0466-21-9624
- LINEでの予約
- QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


