2025.08.08

原因が不明といわれている不正出血と自律神経とホルモンバランスの深い関係性

カテゴリ: 健康通信
原因が不明といわれている不正出血と自律神経とホルモンバランスの深い関係性

「生理が来たばかりなのにまた出血が…」

 

このような不正出血に不安を抱える女性は少なくありません。
婦人科的な疾患(子宮筋腫や子宮内膜症、ポリープなど)で説明がつく場合もありますが、明らかな病変がなく、「ホルモンバランスの乱れ」によるものと診断されるケースも多く存在します。

 

この背景には、自律神経と女性ホルモンの連携の乱れ、そしてその結果として起こる子宮内膜の不安定さが深く関わっています。

 

今回のコラムでは、原因が分からないといわれた不正出血と自律神経の関係性についてお伝えしていきます。

不正出血とは?

不正出血とは、月経以外のタイミングで見られる予期しない性器出血のことを指します。生理が終わった直後に再び少量の出血が見られたり、月経周期がばらついて「いつが本当の生理なのかわからない」と感じることもあります。

 

排卵期や月経前、更年期前後に出血が増えるケースもあり、検査をしても器質的な異常(病気)がみつからない場合、「機能性出血」として扱われます。このようなケースでは、体のホルモン環境や神経系のバランスが崩れていることが背景にあると考えられます。

女性ホルモンと子宮内膜の密接な関係

女性の体では、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが月経周期に合わせて増減し、その影響を受けて子宮内膜が周期的に変化します。

 

エストロゲンは、月経終了後に分泌が増え、子宮内膜を厚く増殖させる役割を担います。その後、排卵を経てプロゲステロンが分泌されると、子宮内膜は受精卵の着床に備えて「分泌期」と呼ばれる安定した状態になります。

 

しかし、ホルモン分泌のバランスが崩れると、この一連の流れが乱れ、子宮内膜が不安定なまま剥がれ落ちたり、過剰に増殖して出血しやすくなったりするのです。これが、機能性出血や持続的な不正出血の原因になります。

 

たとえば排卵が正常に行われない「無排卵周期」の場合、プロゲステロンが十分に分泌されないため、子宮内膜が不安定なまま持続し、いつ剥がれてもおかしくない状態になります。結果として、月経周期に関係のないタイミングで突然出血が起こるのです。

自律神経とホルモン分泌の連携の乱れ

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つがバランスを取りながら、私たちの体温調節・消化・血流・免疫・睡眠などの生命活動を無意識にコントロールしています。

 

この自律神経の中枢にあるのが「視床下部」という脳の部位です。視床下部は自律神経だけでなく、ホルモン分泌の調整も司っており、脳から下垂体を経て、卵巣に指令を送ることでエストロゲンやプロゲステロンの分泌が行われています。

 

つまり、ストレス・不眠・過労・気温差などによって自律神経が乱れると、視床下部の機能が低下し、ホルモンのリズムが崩れやすくなります。その結果、排卵がうまくいかず、子宮内膜が不安定な状態のまま出血を起こすリスクが高くなるのです。

不正出血が起こりやすい体のサインとは

自律神経のバランスが崩れ、ホルモンが不安定になりやすい状態にはいくつかの特徴があります。

 

たとえば、睡眠の質が悪い、ストレスを抱えているが、リフレッシュできる時間が取れない、リラックスできていないと感じる、冷え性や低体温、慢性的な疲労を感じている、などといった状態が続くと脳からのホルモン指令が乱れ、子宮内膜にも影響が及びやすくなります。

カイロプラクティック・ケアによるアプローチ

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤を整えることで神経系の伝達をスムーズにし、自律神経のバランスを回復へと導くことを目的としています。

 

特に、背骨周辺の神経は視床下部や下垂体の調整に関わる内臓神経と連動しているため、神経系の圧迫や緊張を取り除くことでホルモン分泌のリズムを正常に保ちやすくなります。

 

自律神経の働きが整うことで、排卵や子宮内膜の形成がスムーズになり、月経周期の安定や不正出血の予防につながる可能性があります。

 

不正出血の背景には、目に見えない体内のリズムの乱れがあります。特に、女性ホルモンの変化に敏感な子宮内膜は自律神経の影響を強く受けやすい臓器です。

 

「ストレスでホルモンが乱れてるかも」「病院では異常がなかったけど、なんだか生理がおかしい」そんなときこそ、自律神経の視点から自分の体を見直すことが大切です。

 

ホルモンと神経、そして子宮内膜の安定性はどれも密接につながっています。
カイロプラクティック・ケアを日常に取り入れ、体の内側から整えていきましょう。

 

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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