2025.05.08

【メノテック+カイロプラクティック!】女性ホルモンと自律神経の関係性

カテゴリ: 健康通信
【メノテック+カイロプラクティック!】女性ホルモンと自律神経の関係性

40代後半から50代にかけて多くの女性が経験するのは更年期です。この時期には、ホットフラッシュや発汗、不眠、気分の浮き沈みといった多彩な不調が現れることがあります。これらの症状の背景には、卵巣機能の低下に伴う女性ホルモン(特にエストロゲン)の急激な減少が大きく関与しています。

従来はホルモン補充療法(HRT)などが主な対処法でしたが、近年では、テクノロジーを活用した新たなアプローチ「メノテック(Menotech)」が注目されています。

今回のコラムでは、メノテックとカイロプラクティックの関係性についてお伝えしていきます。

メノテックとは何か?テクノロジーが更年期ケアに果たす役割

メノテックとは、「メノポーズ(更年期)」と「テクノロジー」を組み合わせた造語で、更年期に特有の心身の変化に対応するために開発されたアプリケーションやウェアラブルデバイス、センサー機器などを指します。たとえば、ホルモンバランスや体温、心拍数、睡眠パターンといった生体データを収集・分析し、ユーザーに最適な生活習慣や対処法を提示することで、客観的な自己管理を可能にします。

これまで「なんとなくつらい」と曖昧に捉えられがちだった更年期症状に対し、データに基づく根拠あるケアを提供できることが、メノテックの大きな利点です。

自律神経と女性ホルモンの密接な関係性

自律神経は、交感神経と副交感神経から構成され、体温調節、循環、消化、睡眠など、私たちの生命活動の根幹を司っています。これに対して、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)は、月経周期、妊娠・出産、そして更年期に至るまでのライフステージで女性の心身に大きな影響を与える内分泌ホルモンです。

この二者は、脳の視床下部という共通の調整中枢を介して密接に連携しており、ストレスや不規則な生活リズムなどによって自律神経が乱れると視床下部の働きが鈍化し、ホルモン分泌にも混乱が生じやすくなります。逆に、ホルモンバランスの乱れが自律神経の機能に影響を与えることもあります。このような相互作用のため、自律神経と女性ホルモンは「心身のバランス」を考える上で不可分の存在であるといえます。

カイロプラクティックと女性のホルモンバランスとの関係性

カイロプラクティックは、神経機能と身体構造の調和を目的とする徒手療法であり、特に脊椎や骨盤といった中枢神経系と深く関わる部位のアライメント(整列)を整えることに重点を置いています。脊柱のゆがみや骨盤の不安定性は自律神経の伝達に影響を与え、結果としてホルモン分泌にも悪影響を及ぼすことがあります。

特に視床下部-下垂体-卵巣系(HPO軸)においては、自律神経の安定が女性ホルモンの分泌に直結するためカイロプラクティックによる神経機能の最適化は、ホルモンバランスの維持においても重要な役割を果たします。

メノテックとカイロプラクティックの関係性

カイロプラクティックは、骨盤や背骨で神経圧迫を取り除き、脳と体の神経の流れを改善するサポートです。骨盤のバランスが安定することで子宮を支える筋肉や神経が正常に働き、ホルモンバランスが整いやすくなります。月経痛や不妊症、更年期の症状など、女性特有の悩みをサポートします。

神経の伝達がスムーズになることで自律神経のバランスが安定し体全体が整い、心身ともに健康的な状態を維持しやすくなります。

そして、メノテックによって得られる「客観的データ」を組み合わせることで、より精度の高い個別ケアが可能になります。たとえば、ホルモン分泌に関係する自律神経の状態をデバイスでモニタリングしつつ、自律神経のバランスの安定を高めていくことで、更年期にみられる症状の改善が期待できます。

これは単なる対症療法ではなく、身体の構造的・機能的バランスを整えることで「ホルモンを自ら調整できる身体」へと導くという、より根本的なフェムケアの在り方を示しているといえるでしょう。

更年期は「避けられない不調の時期」ではなく、自分の身体と丁寧に向き合うことで、より快適に過ごすことが可能なライフステージです。

不調を我慢するのではなく、データと身体の声をもとに「最適なケア」を選べる、これからの女性にとってより体のケアが身近になるはずです。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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