メノテックが更年期ケアに与える影響とカイロプラクティックの関係性とは⁉

近年、女性のライフステージに寄り添うテクノロジーとして注目されているのが「メノテック(Menotech)」です。
これは、更年期(Menopause)とテクノロジー(Technology)を融合した概念で、女性の更年期を多角的にサポートするための最新技術・サービス群を指します。
更年期の症状は非常に個人差が大きく、「検査で異常はないのに体調がすぐれない」といった主観的な不調が中心であるため、これまでは医療的ケアが難しい領域とされてきました。そこで登場したのが、メノテックという科学的かつ予防的視点に基づく支援ツールです。
今回のコラムでは、メノテックの特徴とカイロプラクティックの役割について、お伝えしていきます。
メノテックとは何か?——「主観的な不調」を数値化する試み
メノテックに分類される技術には、以下のようなものがあります。
- バイオセンサー付きウェアラブルデバイス:心拍変動(HRV)、皮膚温、睡眠の質などを測定し、自律神経バランスを可視化
- ホルモン変動予測アルゴリズム:月経周期や体温データをもとに、エストロゲンやプロゲステロンの変化を予測
- AIベースのパーソナル健康管理アプリ:更年期症状の記録・分類・セルフケアのガイダンスを提供
- 遠隔医療やデジタル漢方提案:ホルモン療法を使わない新しい選択肢の提供
これらの技術は、これまで感覚に頼るしかなかった「更年期のゆらぎ」を、数値化・パターン化し、医療的な関与のタイミングを早める役割を果たします。
しかし同時に、数値化だけでは読み取れない“身体の主観的な知覚”や“神経系の適応力の低下”には対応しきれないという課題もあります。
自律神経の機能と更年期症状のメカニズム
更年期に現れる不定愁訴の多くは、女性ホルモンの急激な変動だけでなく、その変化に対する自律神経系の過剰反応や調整機能の低下によって生じます。
エストロゲンは、視床下部を中心とするホルモン-神経-免疫の統合ネットワークに深く関与しており、特に以下の機能に影響を与えます。
- 自律神経調節(交感・副交感のバランス)
- 体温中枢の安定性(ホットフラッシュへの関与)
- 睡眠-覚醒リズム(メラトニンとの相互作用)
- 感情制御(セロトニン・オキシトシン系の感受性)
エストロゲンが急激に低下することで、これらのシステムが不安定となり、ホメオスタシス(恒常性維持)に乱れが生じます。その結果、心身にさまざまな“アンバランス”が生まれるのです。
カイロプラクティック・ケア
カイロプラクティックは、背骨(脊柱)を中心とした神経系へのアプローチを目的とする手技療法です。特に注目すべきは、脊柱神経系と自律神経系との解剖学的・機能的つながりです。
カイロプラクティックによって、神経系の情報伝達の円滑化が図られることで、身体の自己調整機能(ホメオスタシス)やストレス耐性(アロスタシス)が回復・向上していきます。
とくに更年期においては、カイロプラクティックによってホルモン調節系のストレス反応を軽減、交感神経の過緊張を抑制し、副交感神経の活性を促す、呼吸の質と深さの改善(迷走神経への影響)、睡眠の質・消化機能・内臓循環の回復といった神経生理学的変化をサポートしていきます。これは“機能の再統合”といえます。
メノテック × カイロプラクティック=客観と感覚の融合ケア
メノテックによって「今の自分の状態」が数値や傾向として把握できるようになった現代に、カイロプラクティックのような“内側からの神経系アプローチ”を取り入れることで、より深く、より本質的なケアが可能になります。
この2つを組み合わせることで、更年期は“つらい時期”ではなく、“変化と再統合のチャンス”へと変わっていきます。
身体を「データ」で知り、「感覚」で整える時代へ
メノテックによって、私たちは体の変化をより早く、より正確に知ることができるようになりました。
一方で、そのデータをどう受け止め、どう行動に移すかは、依然として「自分の感覚」に委ねられています。
だからこそ、数値だけでなく、“神経の声”に耳を傾けることも忘れてはいけません。
カイロプラクティックは、“身体の気づき”を取り戻す力を持っています。
不安定な時期だからこそ、カイロプラクティック・ケアで自分の体を理解し、整えていきましょう。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。