【腰痛と妊娠・産後】ホルモンや骨盤の変化だけではない神経の視点からの改善法

「妊娠中から腰がつらくて眠れない」
「産後に腰痛が悪化して育児や家事が思うようにできない」
このような声は非常に多く聞かれます。妊娠と出産は女性の体に大きな変化をもたらすため、多くの方が腰痛に悩まされます。病院や整体では「ホルモンの影響」や「骨盤が緩んでいるから」という説明を受けることが多いですが、それだけでは十分ではありません。
実際には妊娠や産後に起こる腰痛の背景には「神経の働きの乱れ」が深く関わっています。体を支える筋肉や関節はすべて神経によってコントロールされているため、伝達に乱れが生じると小さな負担が大きな痛みへと変化してしまうのです。
このコラムでは、妊娠や産後の腰痛の仕組みを神経の視点から分かりやすく解説し、カイロプラクティックがどのように改善の糸口を提供できるのかをご紹介します。
■ 妊娠中の腰痛の背景
妊娠中の腰痛にはいくつかの要因があります。
ひとつはホルモンの変化です。妊娠期には「リラキシン」というホルモンが分泌され、出産に備えて靭帯や関節が緩みます。これにより骨盤は柔軟性を持ちやすくなりますが、同時に不安定にもなります。安定性が低下することで腰の筋肉には過剰な負担がかかり、慢性的な腰のだるさや痛みにつながります。
次に、お腹の成長に伴う重心の変化があります。体の重心は前に移動し、腰椎の反りが強くなります。これにより腰の関節や椎間板には通常以上の負担がかかります。
さらに重要なのが神経機能の問題です。背骨や骨盤の関節が小さな機能不全を起こすと、神経の情報伝達が乱れます。その結果、筋肉は過度に緊張し、本来なら無理なくできる動作でも痛みを感じやすくなります。
妊娠中の腰痛は単なる構造的な変化だけでなく、神経の乱れが拡大させていることが多いのです。
■ 産後の腰痛の背景
出産後の女性が腰の安定を失いやすいのには明確な理由があります。
まず、出産で大きく開いた骨盤はすぐには回復しません。ホルモンの影響が落ち着くまでの間は骨盤の靭帯が緩んだままであり、不安定な状態が続きます。この時期に長時間の授乳や抱っこなどを行うと、腰に大きな負担が集中します。
また、育児特有の姿勢も腰痛を悪化させます。赤ちゃんを片腕で抱える、前かがみでオムツを替える、長時間同じ姿勢で授乳するなど、腰に負担を与える動作が日常的に繰り返されます。
さらに、夜間授乳や育児ストレスによる睡眠不足は自律神経を乱し、痛みを感じやすい状態をつくります。神経の伝達が乱れると筋肉は本来の働きを失い、回復するチャンスを逃してしまいます。その結果、産後の腰痛は長期化しやすくなります。
■ 自分でできる工夫
妊娠中や産後の腰痛を軽減するためには、生活の中でできる工夫も大切です。
深い腹式呼吸を意識することは有効です。呼吸を整えることで横隔膜と骨盤底筋が自然に連動し、体幹の安定性が高まります。さらに呼吸は自律神経にも作用し、過剰な筋肉の緊張をやわらげます。
授乳の際にはクッションを使用して腰への負担を減らし、抱っこは体全体で支えることを意識することが大切です。スリングや抱っこひもを活用するのも良い方法です。
また、同じ姿勢を長時間続けないことも重要です。座りっぱなしや立ちっぱなしは神経を過敏にしやすいため、定期的に体を動かして神経系をリセットしましょう。
これらの工夫はあくまで補助的なものですが、神経に「安全に動ける」という情報を再び送り直すための大切なステップとなります。
■ カイロプラクティックができること
妊娠中や産後の腰痛に対して、カイロプラクティックケアが行うことはただひとつです。それはアジャストメントです。マッサージやストレッチのように筋肉を直接緩めるのではなく、サブラクセーション(根本原因)を特定し、必要最小限の精密なアジャストメントを行うことで神経の流れを整えます。
その一点を正確に見極めるために、ガンステッド・システムでは徹底した検査を行います。
体表温度検査・視診・静的触診・動的触診を行います。妊婦さんにはレントゲンは禁忌となりますが、産後の方でしたらレントゲン評価を加えて根本原因を明確にしていきます。これらを組み合わせることで、アジャストメントが本当に必要な一点を特定します。
それによって神経の流れはスムーズになり、筋肉や関節は本来の働きを取り戻します。結果として腰痛が改善されるだけでなく、体全体が「動けない状態」から「動ける状態」へと変化します。
妊娠中には母体と赤ちゃんに負担をかけないように体位や手技を工夫します。薬や強い刺激に頼ることができない妊娠期において、必要最小限で精密なアジャストメントは非常に有効です。
産後には不安定になった骨盤や腰椎を正しく導くことで、育児や家事を支える体を回復させることができます。
カイロプラクティックケアの効果は腰痛の改善にとどまりません。神経の流れが整うことで姿勢が安定し、呼吸が深くなり、睡眠の質や内臓の働きにも良い影響が現れます。
つまりカイロプラクティックは腰の痛みを軽減するだけではなく、体全体の回復力を取り戻すためのケアなのです。
妊娠や産後という体に大きな変化が起こる時期だからこそ、余計なことをせずに一点を正確に整えるカイロプラクティックケアが役立ちます。
■ ご予約・ご相談はいつでもどうぞ
妊娠中や産後の腰痛は「仕方ないこと」と思われがちですが、神経の流れを整えることで改善できる可能性は十分にあります。
腰痛に悩まされることなく妊娠生活を過ごし、安心して育児に取り組めるようにサポートするのが私たちの役割です。
妊娠中の腰痛で薬に頼れず困っている方、産後の腰痛で育児や家事がつらい方は、ぜひ一度カイロプラクティックケアにご相談ください。
📍前田カイロプラクティック藤沢院
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。
笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。