生理のときに剥がれ落ちる“子宮内膜”は、妊娠に関わる重要な役割を担っているだけでなく、女性ホルモンや自律神経とも深く関わっています。

「子宮内膜ってそもそも何のためにあるの？」「厚くなるのがいいの？悪いの？」と疑問に思ったことはありすか？

今回のコラムでは、子宮内膜の働きと、子宮内膜の健康が女性の体調やメンタルにどのように影響するのか、さらに自律神経との密接な関係についてお伝えしていきます。

子宮内膜とは？その役割

子宮内膜は、子宮の内側を覆っている膜状の組織で、月経周期に合わせて変化しています。最大の役割は、受精卵が着床するためのふかふかのベッドのような環境を整えることにあります。

月経が終わった直後から、卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きによって子宮内膜は少しずつ厚みを増していきます。そして排卵後には、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で内膜はさらに柔らかく栄養豊富な状態となり、受精卵が着床しやすくなります。妊娠が成立しなければ、その内膜は不要となるため、剥がれ落ちて経血として体外に排出されるのです。これがいわゆる月経(生理)です。

子宮内膜の働きが最大限に活かせている状態とは、ただ厚ければ良いというわけではなく、月経周期に合わせて適切に厚くなったり薄くなったりできているかが大切です。また、血流が良く栄養が十分に行き届いていることや、柔らかく着床しやすい状態であることも理想的です。

このような状態が保たれていれば、妊娠に適した子宮環境が整い、月経もスムーズに行われます。反対に、子宮内膜がうまく育たない場合や炎症がある場合には、生理痛が重くなったり、不正出血が起きたり、経血に大きな塊が混じるなどの不調が現れることがあります。

子宮内膜の健康を支えるのはホルモンと自律神経

子宮内膜は女性ホルモンの影響を大きく受けて変化しますが、そのホルモンの分泌をコントロールしているのは、脳の視床下部と下垂体という部位です。これらは実は、自律神経の中枢でもあるため、ホルモンと自律神経は非常に密接に関係しています。

たとえば、強いストレスを感じているときや、睡眠不足が続いているとき、体が常に緊張している状態が長く続いていたり、あるいは冷えなどで血流が悪くなっているときには、脳からホルモンへの指令がうまく伝わらず、子宮内膜の成長にも悪影響が出る可能性があります。その結果、排卵が乱れたり、生理周期が不安定になったりすることもあります。

自律神経を整へることは子宮を整えることにつながる

自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの働きから成り立っています。交感神経は日中や緊張状態のときに働き、副交感神経は夜間やリラックスしているときに働きます。

自律神経が整うことで、ホルモンバランスも自然と整いやすくなり、その結果として子宮内膜の状態も安定しやすくなるのです。

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経の負担を取り除き、神経の流れを整え、自律神経の働きをサポートすることを目的としています。特に骨盤のバランスの乱れは、子宮や卵巣へ向かう血流を妨げる原因となるため、子宮環境の改善にとってとても大切です。

また、神経の通り道が整うことで、ホルモンの司令塔である視床下部や下垂体の働きもスムーズになり、月経周期の乱れやPMS(月経前症候群)などのトラブルにも良い影響が期待できます。

妊娠しやすい体をつくりたい、PMS(月経前症候群)や生理痛を軽減したい、体質改善をして女性特有の不調を整えたいという悩みのサポートにも繋がります。

子宮内膜は妊娠のためだけでなく、女性の体調や感情の安定にも関わる重要な存在です。その健康を保つには、ホルモンバランスを整えることが大切であり、さらにその土台として自律神経がしっかりと働いていることが欠かせません。自律神経のバランスを整えることから、子宮の健康は始まります。日常的なカイロプラクティック・ケアで、内側から整えていきましょう。