2025.05.30

【女性ホルモンと靭帯の柔軟性の関係性】カイロプラクティックの役割とは?

カテゴリ: 健康通信
【女性ホルモンと靭帯の柔軟性の関係性】カイロプラクティックの役割とは?

「最近、関節がゆるく感じる」

「ケガが増えた」

「月経前に体調が優れない」

などの悩みがある方や今までに悩んだことがある方は多いと思います。

 

女性の体は月経周期や妊娠・出産、更年期などのライフステージに応じて、ホルモンバランスが大きく変化します。特に女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、靭帯や関節に直接影響を与え、「靭帯を柔らかくし、ゆるみやすくする」作用があることが知られています。

 

今回のコラムでは、女性ホルモンと靭帯の柔軟性の関係性についてお伝えしていきます。

エストロゲンの作用

このエストロゲンには、靭帯や腱、関節包といった結合組織を柔軟にする働きがあり、そのため関節の可動域は広がる一方で、関節の安定性は低下しやすくなります。その結果、特に排卵期や月経前の時期には靭帯がゆるみやすくなり、膝や腰などの関節にかかる負担が増え、ケガをしやすい状態になることがあります。

 

妊娠期には「リラキシン」というホルモンが分泌され、このホルモンが骨盤周囲の靭帯をゆるめることで、腰痛や恥骨痛、そして股関節の不安定感を感じる女性が少なくありません。こうした靭帯の変化は、体の柔軟性を高める反面、負担がかかりやすくなり、不調や痛みの原因にもなりやすいのです。

 

女性ホルモンの分泌は脳の視床下部から下垂体、そして卵巣へと伝えられる「視床下部-下垂体-卵巣系」と呼ばれるホルモンの司令塔によって厳密に調整されています。この視床下部は自律神経の中枢でもあるため、ストレスや疲労、生活習慣の乱れがあると自律神経のバランスが崩れ、それがホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。その結果、ホルモンバランスの乱れが靭帯の過度なゆるみや関節の痛み、骨盤の不安定感などの形で体に現れ、慢性的な不調の一因となることがあります。

カイロプラクティックの関係性

女性ホルモンは靭帯の柔軟性に大きな影響を与え、月経周期だけでなく自律神経の状態にも左右されるため、そのバランスを整えることが体の健康維持に不可欠です。

 

体の不調の悪循環を断ち切るために、カイロプラクティックは背骨や骨盤での神経圧迫を取り除き、神経の流れを整えることを目的としサポートします。骨格で神経伝達が阻害され、自律神経の働きが乱れるとホルモンバランスにも影響が出やすくなります。骨盤や背骨でのバランスが乱れることで靭帯や筋肉に過剰な負担がかかり、痛みや怪我のリスクも高まります。

 

骨格、神経、筋肉の調和を促進することで、体が本来持つ自然な回復力を引き出します。特に骨盤の安定は靭帯や関節の保護につながり、女性特有の腰痛や股関節痛、生理痛、さらには妊娠期の不調改善にも大きな効果が期待されています。自律神経とホルモンのバランスを整え、体を本来の健康な状態へ導く大切なサポートとなります。

 

健やかでしなやかな毎日を過ごすために、日常にカイロプラクティック・ケアを取り入れていきましょう。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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