2025.05.20

【女性アスリートとホルモンバランス】強さの裏にある“繊細な体の声”とは?

カテゴリ: 健康通信
【女性アスリートとホルモンバランス】強さの裏にある“繊細な体の声”とは?

競技力の向上、トレーニングの継続、理想のパフォーマンスなど、女性アスリートにとって、これらを実現するために欠かせない要素のひとつが、「ホルモンバランスの安定」です。

筋肉、体力、メンタルどれも鍛えられるものですが、ホルモンの“ゆらぎ”は女性の身体にとって避けられない自然なリズムです。だからこそ、その変化を理解し、ケアすることが結果として競技力を引き出す鍵になります。

今回のコラムでは、女性アスリートと自律神経の関係性についてお伝えしていきます。

ホルモンのゆらぎは“敵”ではない

女性アスリートの体は、月経周期に合わせて日々変化しています。エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)は、筋肉の合成、体温の調整、精神状態にまで影響を与えるため、これらのホルモンバランスが乱れるとパフォーマンスのばらつき、疲労感の蓄積、モチベーションの低下につながることがあります。

特に、過度なトレーニングや低栄養、ストレスなどが重なると「月経不順」や「無月経」などの症状が現れるケースもあります。これは単なる婦人科的な問題にとどまらず、骨密度の低下や怪我のリスク、回復力の低下にも直結します。

女性アスリート・トライアドとは?

「女性アスリート・トライアド」という言葉があります。

これは、①エネルギー不足(摂取カロリーと消費のアンバランス)、②無月経(ホルモンの乱れ)、③骨粗鬆症(骨密度の低下)の3つが組み合わさった、女性アスリートに特有の健康問題です。見た目には元気そうに見えても、内側では深刻なトラブルが進行していることも少なくありません。

だからこそ、日々の体の小さな変化に気づき、それを無視しないことが重要です。

「我慢しない」が、未来のパフォーマンスにつながる

「生理中は仕方ない」「ちょっとの不調は気のせい」など、体からのサインかもしれません。

女性の体には、男性にはない“周期的な変化”があります。それは弱点ではなく、きちんと理解しケアすれば、むしろコンディショニングの武器になるものです。

ホルモンバランスを味方につけることで、トレーニング効果が上がり、回復力も高まり、パフォーマンスが安定していきます。

ホルモンバランスと自律神経、そしてカイロプラクティックの視点

ホルモンバランスを整えるには、食事や睡眠、メンタルケアはもちろんですが、自律神経のバランスが大きな鍵を握っています。

自律神経は、脳から脊髄を通じて全身に信号を送る神経系で、ホルモンの指令を出す視床下部とも密接に関わっています。過度なストレスや身体のゆがみがあると、この神経伝達にエラーが起き、ホルモン分泌のリズムが乱れてしまいます。

カイロプラクティックは、背骨や骨盤での神経圧迫を取り除き、神経の流れをスムーズにすることで、自律神経の働きが安定し、ホルモン分泌にも良い影響が期待できます。丁寧なアプローチで神経系に働きかけることで、身体の内側からサポートします。

女性アスリートが「強く、美しく、自分らしく」あり続けるためには、見えない身体の声に耳を傾けることが欠かせません。カイロプラクティック・ケアで健康を維持し、パフォーマンスにつなげてきましょう。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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