「なぜお腹まわりに脂肪がつくの?」女性ホルモンとの意外な関係性とは?

「昔はもっとウエストが引き締まっていたのに…」
「食生活は変わってないのにお腹まわりだけ太ってきた…」
こんな悩みを抱えていませんか?実は、年齢やライフステージによって変化する女性ホルモンのバランスが、お腹の脂肪と深く関係しているのです。
さらに注目すべきは、女性ホルモンと自律神経のつながりです。この2つのバランスが崩れることで、体型だけでなく心身にさまざまな不調が現れることもあるのです。
今回のコラムでは、お腹周りに付きやすい脂肪と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます。
女性ホルモンと脂肪の関係
女性の体には、主に「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンがあります。このうち、特にエストロゲンは脂肪の蓄積や分布に強く影響を与えるホルモンとして知られています。
エストロゲンが多い若年期
20代〜30代前半の時期にはエストロゲンが豊富に分泌されています。そのため、脂肪はお腹よりもお尻や太ももなどの下半身につきやすく、比較的ウエストは引き締まった体型を保ちやすくなっています。これは妊娠や出産に備えてエネルギーを蓄えるための女性特有の自然な身体の仕組みといえます。
エストロゲンが減少する更年期以降
40代後半から50代にかけて閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が急激に減少します。これにより脂肪の分布が変化し、皮下脂肪よりも内臓脂肪が蓄積しやすくなります。その結果、これまで下半身太りだった方でもお腹まわりがぽっこりと出る「リンゴ型体型」に変わっていく傾向が強くなります。
女性ホルモンと自律神経の関係性について
女性ホルモンの分泌は、脳の視床下部と呼ばれる部分がコントロールしています。この視床下部は、ホルモンの中枢であると同時に自律神経の中枢でもあります。つまり、女性ホルモンと自律神経は同じ指令塔から管理されており、どちらか一方が乱れるともう一方も影響を受けやすいという密接な関係にあるのです。
たとえば、ストレスや睡眠不足などで自律神経が乱れると視床下部の働きが不安定になり、ホルモンバランスも崩れやすくなります。逆に、ホルモンバランスの乱れによって自律神経が乱れ、イライラ・不眠・動悸・冷えなどの症状が出ることもあります。
特に更年期の時期には、ホルモンの急激な変動に脳がうまく対応できず、自律神経の不調が顕著になるケースが多いのです。
内臓脂肪と女性特有の体調不良の関係性
お腹まわりにたまる脂肪、特に内臓脂肪は、見た目の問題だけでなく、健康面でもさまざまな影響を及ぼします。
内臓脂肪が増えるとインスリンの働きが悪くなり、血糖値をコントロールしづらくなるため、糖尿病や代謝異常のリスクが高まります。 さらに、内臓脂肪は慢性的な炎症を引き起こしやすく、これが更年期症状の悪化や体の不調を引き起こす一因になります。
脂肪が過剰に蓄積されると自律神経の働きが乱れやすくなり、冷えや不眠、イライラといった不定愁訴が出やすくなります。脂肪細胞そのものがわずかながらエストロゲンを分泌する働きを持っているため、体は女性ホルモンの減少を補おうとして、より脂肪をためこもうとするという悪循環が起こることもあります。
カイロプラクティックの関係性
お腹まわりの脂肪が気になるときは、運動や食事の改善はもちろんですが、実はホルモンバランスや自律神経を整えることも非常に大切な視点になります。
カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経圧迫を取り除き、神経の流れを整えることで神経の流れをスムーズにし、脳と内臓の間の連絡を正常化していきます。これによって、自律神経のバランスが整い、ホルモン分泌のリズムも安定しやすくなるのです。
特に更年期や出産後など、ホルモンが大きく変化するタイミングには、身体の土台からケアすることが、お腹の脂肪や不調への根本的なアプローチにつながります。
お腹の脂肪は単なる見た目の問題ではなく、女性ホルモンの変化や自律神経の乱れと深くつながっているサインかもしれません。年齢を重ねても心地よく、健康的に過ごすためには、体の内側からのケアが欠かせません。
日常にカイロプラクティック・ケアを取り入れて、健康を維持していきましょう。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。