繰り返す小児喘息、その原因は気管支だけではないかもしれません
お子様が夜中に何度も咳き込み、苦しそうに呼吸をしている姿を見ることは、親御様にとって何よりもつらいものです。
「また咳が始まってしまった……。」
「やっと落ち着いたと思ったのに、また繰り返してしまった。」
「今夜は眠れるだろうか。」
「運動会や体育の授業は大丈夫だろうか。」
そんな不安を抱えながら、お子様の背中をさすり続けた経験のある親御様も多いのではないでしょうか。
症状が落ち着いたと思っても、季節の変わり目や風邪をきっかけに再び咳が始まる。そのたびに病院を受診し、治療を続けながら、「この子はいつになったら思い切り走れるようになるのだろう」「夜ぐっすり眠れる日が来るのだろうか」と心配されているご家庭も少なくありません。
当院にも、「夜中の咳が続いて家族みんなが眠れない」「体育の授業で思うように体を動かせない」「何年も症状を繰り返していて、このままで大丈夫なのか不安」というお悩みを抱えた親御様が数多く来院されています。
そのようなお子様のお身体を評価していくと、症状が現れている呼吸器だけではなく、身体全体の状態にも目を向けることの大切さを感じる場面が少なくありません。
もちろん、小児喘息では適切な医療機関で診断を受け、治療を継続することが何よりも重要です。そのうえで、「なぜ症状を繰り返してしまうのか」という視点から、お子様の身体全体を考えてみることも大切ではないでしょうか。
このコラムでは、繰り返す小児喘息について、身体全体という新しい視点から解説していきます。
■小児喘息とはどのような病気なのでしょうか?
小児喘息とは、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して気管支が過敏に反応することで、咳やゼーゼーという呼吸音(喘鳴)、息苦しさなどを繰り返す病気です。日本では子どもの慢性疾患の中でも比較的多くみられ、多くのお子様が小児科で治療を受けています。
子どもの気道は大人に比べて細く柔らかいため、わずかな炎症や腫れでも空気の通り道が狭くなりやすいという特徴があります。そのため、風邪をひいたことをきっかけに症状が悪化したり、季節の変わり目、花粉やハウスダストなどのアレルゲン、運動や冷たい空気など、さまざまな刺激によって咳や喘鳴が現れることがあります。
また、小児喘息というと「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし実際には、喘鳴が目立たず、「咳だけが何週間も続く」「夜中や明け方になると咳が止まらなくなる」といった症状で始まるお子様も少なくありません。そのため、「風邪がなかなか治らないと思っていたら、小児喘息だった」というケースも珍しくありません。
特に夜間から明け方にかけて症状が悪化しやすいことは、小児喘息の大きな特徴の一つです。日中は元気に遊んでいても、夜になると咳き込んで眠れなくなったり、何度も目を覚ましてしまったりすることがあります。十分な睡眠が取れない状態が続けば、お子様の疲労が抜けにくくなるだけでなく、学校生活や日常生活にも影響を及ぼします。また、運動によって咳や息苦しさが誘発される場合には、体育の授業や外遊びを思い切り楽しめなくなることもあります。
現在、小児喘息では吸入ステロイド薬を中心とした治療が基本となっており、必要に応じて気管支拡張薬や内服薬などを組み合わせながら、一人ひとりの症状に合わせた治療が行われています。適切な治療を継続することで症状をコントロールし、発作を予防することは非常に重要です。
しかし一方で、「治療を続けていても季節の変わり目になると症状を繰り返してしまう」「以前より落ち着いてはいるものの、完全には安心できない」というご家庭も少なくありません。
では、このように繰り返す小児喘息は、本当に気管支だけの問題として考えればよいのでしょうか。次の章では、小児喘息を身体全体という視点から考えていきます。
■小児喘息は本当に気管支だけの問題なのでしょうか?
小児喘息は気管支に炎症が起こる病気ですが、「炎症がある=気管支だけをみればよい」というわけではありません。実際に小児喘息のお子様をみていくと、同じ診断名でも症状の現れ方や悪化するタイミングは一人ひとり異なります。
例えば、夜中だけ咳が止まらなくなるお子様もいれば、運動をした時だけ症状が強く出るお子様もいます。また、季節の変わり目に毎回悪化するお子様もいれば、風邪をひいたことをきっかけに症状が長引くお子様もいます。
もし小児喘息が気管支だけの問題であれば、このような違いは説明しにくいかもしれません。
私たちは「肺で呼吸をしている」と考えがちですが、実際には呼吸は身体全体が協力して行っている機能です。
息を吸う時には横隔膜や肋間筋が働き、肋骨や胸郭が広がります。さらに、首や背中の筋肉も姿勢を安定させながら呼吸を助けています。これらが連携することで、私たちは自然に呼吸を続けることができます。
そして、その一連の働きを休むことなくコントロールしているのが神経です。
眠っている時でも呼吸が止まらないのは、自分で意識しているからではありません。神経が呼吸のリズムや深さを自動的に調整し、身体の状態に合わせて働いているからです。走れば自然と呼吸が速くなり、眠ればゆっくりとした呼吸になるのも、この神経の働きによるものです。
また、身体が緊張した状態が続けば、呼吸に関わる筋肉も十分に働きにくくなります。姿勢の変化によって胸郭の動きが小さくなれば、深く呼吸することが難しくなる場合もあります。このように、呼吸とは気管支だけではなく、神経・筋肉・骨格など、身体全体が協調して初めて成り立つ機能なのです。
もちろん、これは「気管支の炎症は関係ない」という意味ではありません。小児喘息では、小児科で適切な診断を受け、治療を継続することが非常に重要です。そのうえで、気管支だけを見るのではなく、「呼吸という機能そのもの」を身体全体の視点から考えることで、新たな気づきが得られることもあります。
では、前田カイロプラクティック藤沢院では、小児喘息をどのような視点で評価し、身体をみているのでしょうか。次の章では、当院が大切にしている考え方についてご紹介します。
■呼吸を支える神経の働きに着目します
小児喘息では、気管支の炎症を適切に管理することがとても重要です。しかし当院では、それと同時に「呼吸を支えている神経が、本来の働きを十分に発揮できる身体の状態になっているか」という視点も大切にしています。
呼吸は、自分の意思だけで行っているものではありません。眠っている間も、運動をしている時も、身体の状態に合わせて呼吸のリズムや深さを調整しているのは神経です。そのため、呼吸を支える神経が本来の働きを発揮しやすい身体の環境を整えることは、お子様が持っている呼吸機能を十分に発揮するためにも大切だと考えています。
ガンステッドカイロプラクティックでは、「咳が出ているから呼吸器だけを見る」「苦しいから胸だけを見る」という考え方ではなく、神経機能という視点から身体全体を評価していきます。
当院では、問診だけで判断することはありません。姿勢評価、静的触診、動的触診、体表温度検査、レントゲン評価など、複数の検査を組み合わせながら、お子様の身体がどのような状態にあるのかを総合的に評価しています。
また、私たちが大切にしているのは、「症状を追いかける」のではなく、「なぜその症状が現れているのか」を考えることです。同じ小児喘息という診断であっても、お子様一人ひとりの身体の状態は決して同じではありません。そのため、原因を丁寧に評価し、一人ひとりに合わせたカイロプラクティックケアを行っています。
もちろん、小児喘息では小児科での診断や治療を継続することが大前提です。当院のカイロプラクティックケアは、それらに代わるものではありません。しかし、神経機能という視点から身体全体を評価することで、お子様が本来持っている身体の働きを十分に発揮できる環境づくりを目指しています。
夜中に咳で目を覚ますことなく眠れること。体育の授業で思い切り走れること。友達と元気いっぱい遊べること。そのような毎日は、お子様だけでなく、ご家族にとっても大きな喜びにつながります。
同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ実際の症例もご覧ください。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


