日本と海外における小児カイロプラクティックの認知度の違い

日本では、カイロプラクティック自体の認知度はまだ低く、特に赤ちゃんや子どもへのカイロプラクティックケアの必要性について理解している人は少ないのが現状です。
一方、アメリカでは、小児カイロプラクティックは広く知られており、ICPA(国際小児カイロプラクティック協会)という専門の協会が存在します。多くの研究論文や専門書籍、雑誌が発行されており、日本と比べるとその認知度は非常に高いといえます。
2007年には、0歳~18歳の812人の子ども(男子430人・女子312人)を対象に、小児カイロプラクティックの効果と安全性についての調査が行われました。合計7,436回の施術を行った結果、
- 812人中717人が、耳鼻咽喉の不調、筋骨格の問題、消化器系のトラブルなどの改善を実感
- 812人中74人が、運動機能の向上、睡眠の質の向上、免疫力の向上、精神的安定などの副次的な効果を報告
- 施術後に痛みが増したと報告したのは812人中9人のみで、副作用は一切報告されなかった
このような研究結果が示すように、アメリカでは小児カイロプラクティックの有効性や安全性が広く認知され、多くの親が子どもの健康維持のために利用しています。
今回のコラムでは小児カイロの重要性、そして安全性とメリットについてお伝えしていきます。
小児カイロプラクティックの必要性
赤ちゃんにカイロプラクティックは本当に必要なの?安全なの?どんな効果があるの?と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、赤ちゃんの体には生まれる前から負担がかかっていることが多いのです。
出産による赤ちゃんの体への影響
赤ちゃんはお母さんの子宮の中で成長しますが、子宮は骨盤と靭帯でつながっています。お母さんの骨盤のバランスが崩れると、赤ちゃんの姿勢にも影響を与え、背骨に負担がかかることがあります。
さらに、鉗子分娩や吸引分娩、帝王切開で生まれた赤ちゃんの約95%に首の捻挫がみられるとされています。このような影響を放置すると、成長の過程で姿勢の崩れや発達の遅れなどが起こる可能性があります。
そのため、カイロプラクティックによる早期ケアを行うことで、より良い回復過程、健やかな成長をサポートすることが大切です。
小児カイロプラクティックの4つの効果
1. 脳の発達をサポートし、成長を促進
子どもが成長するためには、脳から全身に伝わる神経の働きがスムーズであることが重要です。カイロプラクティックでは、神経の流れを妨げる「サブラクセーション(神経の圧迫)」を調整することで、脳と体のコミュニケーションを円滑にし発達を促進します。
2. 免疫力・自己治癒力を高める
神経の働きがスムーズになると内臓の働きも活性化し、免疫力や自己治癒力が向上します。その結果、風邪をひきにくくなったり体調が安定したりと康的な体を維持しやすくなります。
3. 健康な骨格を維持する
成長期の子どもにとって、正しい姿勢を維持することはとても重要です。スマートフォンやタブレットの使用が増え、カイロプラクティックによるケアが効果的です。
4. スポーツのパフォーマンス向上
スポーツをする子どもにとって、視覚、聴覚、平衡感覚、運動神経の連携はとても大切です。カイロプラクティックによって神経の流れを整えることで、身体のコントロール能力が向上し、スポーツのパフォーマンス向上やケガの予防につながります。
実際に、海外ではオリンピック代表選手のチームにカイロプラクターが帯同することが一般的です。
例えば、
- プロゴルファーの タイガー・ウッズ
- 元NBA選手の マイケル・ジョーダン
- 陸上短距離選手の ウサイン・ボルト
など、世界的なアスリートたちもカイロプラクティックを定期的に受け、最高のパフォーマンスを発揮するために役立てています。
赤ちゃんの健康は出産前から影響を受けており、生まれたときの負担によって背骨や神経に問題が生じることがあります。早期にケアを行うことで神経の働きを正常に保ち、成長の妨げとなる要因を取り除くことができます。
小児カイロプラクティックは、
- 免疫力の向上
- 姿勢の改善
- スポーツパフォーマンスの向上
など、多くのメリットをもたらします。
これからの時代、より多くの親御さんにカイロプラクティックの重要性を知っていただき、お子さんの健やかな成長をサポートできることを願っています。

執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。