2025.08.05

季節の変わり目に不調が出るのはなぜ? 〜女性ホルモンと自律神経の密接な関係〜

カテゴリ: 健康通信
季節の変わり目に不調が出るのはなぜ?  〜女性ホルモンと自律神経の密接な関係〜

「春や秋になると、なんとなく体が重だるい」
「頭痛やめまいが続く」
「やる気が出ない」
「生理周期が乱れる」
このような体や心の不調を感じたことはありませんか?

 

実はこの時期の不調には、女性ホルモンの変動と自律神経の乱れが深く関係していることが分かっています。さらに、最近の研究では、ホルモンバランスの変化が自律神経に与える影響は、季節性のストレスによってさらに顕著になることが示唆されています。

 

今回のコラムでは、季節の変わり目の不調と女性ホルモンの関係性についてお伝えしていきます。

自律神経はなぜ季節の変わり目に乱れるのか?

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立ち、心拍・血圧・体温調節・消化・代謝・睡眠など、生命維持に必要な機能を無意識にコントロールしています。

 

季節の変わり目、特に春や秋には1日の寒暖差が大きくなるほか、気圧や湿度も不安定になります。このような環境ストレスに適応しようとして、自律神経は常に切り替え作業を強いられる状態になります。その結果、交感神経が過剰に優位になったり、副交感神経の働きが抑制されたりして、心身に不調が現れやすくなるのです。

 

実際に、気圧の変動が片頭痛や関節痛、倦怠感などの誘因となることは、多くの疫学調査や臨床データでも裏付けられています。

女性ホルモンと自律神経の驚くほど深い関係

女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、卵巣から分泌され、月経周期を通して変動します。

 

これらのホルモンは、脳の視床下部という部位で調節されており、この視床下部は自律神経の中枢でもあります。そのため、ホルモンの変動はダイレクトに自律神経の働きに影響を及ぼすのです。

 

たとえば、エストロゲンには自律神経のバランスを整える作用があるため、排卵前後にエストロゲンが減少すると、交感神経優位の状態が強まり、緊張・イライラ・睡眠障害などが起こりやすくなります。

 

また、プロゲステロンは体温を上昇させたり、眠気を誘う副交感神経的な作用がありますが、その分、情緒の不安定さも招きやすいのが特徴です。

 

近年では、エストロゲンが副交感神経系を刺激し、心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)を高めることでストレス耐性を高める効果があると分かってきました。

季節×女性ホルモンの“ダブルパンチ”が起きている

つまり、女性の体は季節変動によって自律神経のバランスが崩れやすくなる上に、月経周期に伴うホルモンのゆらぎまで重なりやすいため、不調を感じやすいのです。特に、以下のような症状が代表的です。

 

・なんとなく体がだるい、疲れやすい

・夜中に目が覚める、寝ても疲れが取れない

・胃腸の調子が悪くなる、食欲にムラがある

・肩こりや頭痛が続く

・気分の落ち込みや不安感、イライラが強まる

・月経周期の乱れやPMSが悪化する

 

このような不調は、「病気」として扱われにくいため、周囲に理解されずに我慢してしまう女性も多いのが現状です。

カイロプラクティック・ケアの関係性

こうした不調に対し、カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経の負担を整えることで神経系の伝達を最適化し、自律神経のバランスを整えるというアプローチをおこないます。

 

自律神経は背骨を通る脊髄神経と深くつながっているため、脊柱や骨盤周囲のバランスを整えることで、神経の流れをスムーズにし、呼吸が深くなったり、睡眠の質が改善したりするケースもあります。

 

また、カイロプラクティックでは、副交感神経を刺激する仙骨周囲への調整により、ホルモンバランスや内臓機能に間接的な効果を及ぼす可能性も報告されています。

 

季節の変わり目は、体も心も揺らぎやすい時期。
「なんとなく調子が悪い」という小さなサインこそ、ホルモンや神経からのSOSかもしれません。

 

女性の体は非常に繊細で、環境・感情・生活習慣・ホルモンなど、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。

 

不調を感じたときは、ただ我慢するのではなく、体の声に耳を傾け、必要なケアを取り入れることが大切です。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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