2025.02.03

健康と病気の本質を考える

健康と病気の本質を考える

「病気」という言葉の矛盾

私たち人間を含め、すべての生命体には自己治癒力や自己制御機能が備わっており、ホメオスタシス(生体恒常性)を維持しながら健康を保とうとする力が働いています。

人間の細胞もまた、生まれながらにして遺伝子レベルで正常に機能するプログラムを持ち、基本的に異常を起こすことはありません。 つまり、細胞自体は健康を維持するために設計されているのです。

では、なぜ異常を起こさないはずの細胞が病気になってしまうのでしょうか?

現代医療における病気と健康の捉え方

一般的に、「病気」は具体的な症状や診断名が存在するため、実体のあるものとして認識されています。一方、「健康」は病気がない状態を指すことが多く、実体のない概念として捉えられがちです。

たとえば、「病気とは何か?」と問われると、多くの人は明確に答えられます。しかし、「健康とは何か?」と聞かれると、答えるのが難しくなるのではないでしょうか? これは、私たちが病気を実体のあるものとして認識しているからにほかなりません。

カイロプラクティックにおける病気と健康の考え方

カイロプラクティックの視点では、病気は実体のないものであり、健康こそが実体のあるものと考えます。 これを理解しやすくするために、「光」と「闇」を例に考えてみましょう。

光は実体があり、作ることができ、測定も可能です。一方、闇には実体がなく、光が存在しない状態を指します。 闇を作るためには、光を完全に取り除くしかありません。

これと同じように、健康は実体があるものであり、病気は健康が失われた状態、つまり健康の欠如を指します。 したがって、健康を維持することに意識を向けることで、病気を防ぐことが可能になります。

実体のないものと実態のあるもの

光がある限り闇が勝つことができないように、健康な状態を維持していれば病気に支配されることはありません。 もし病気を実体のあるものと考えてしまうと、「病気と戦わなければならない」「病気を恐れなければならない」といった意識が生まれてしまいます。

しかし、病気は身体の異常を知らせるシグナルにすぎません。 それを恐れるのではなく、身体の声に耳を傾け、適切なケアを行うことが重要です。 自分の身体の状態を正しく理解し、健康を維持するための行動を選択することで、病気に対する不安を手放すことができるのです。

すでに私たちの中にある「健康」

病気は敵ではなく、むしろ私たちの身体が発する大切なサインです。 そのサインに気づき、適切に対応することで健康を維持することができます。

本来、私たちの身体には自己治癒力が備わっており、適切な環境を整えれば健康は維持されます。 つまり健康は外から得るものではなく、すでに私たちの中に存在しているのです。

健康を高めるために何ができるかを考え実践していくことが、より充実した人生へとつながり、健康は体の内の存在しています。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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