2025.08.12

【腰痛と呼吸の浅さ】横隔膜の働きが腰を守る理由

【腰痛と呼吸の浅さ】横隔膜の働きが腰を守る理由

腰痛と呼吸を関連づけて考える人は多くはありません。しかし呼吸は単なる酸素と二酸化炭素の交換ではなく、体幹の安定や自律神経の働き、さらには腰の健康にまで直結しています。その中心的な役割を担うのが横隔膜です。

 

横隔膜の働きが低下すると腰の内側からの支えが弱まり、慢性的な腰痛を招く要因となります。一方で横隔膜が本来の動きを取り戻せば、腰は安定し、自律神経のバランスも改善し、全身の回復力が引き上げられます。

 

このコラムでは、呼吸と腰痛の関係とカイロプラクティックの視点について解説します。

 

■ 横隔膜と腰の安定性

横隔膜は胸とお腹の境にある大きな筋肉で、呼吸の主要なポンプ役を果たしています。息を吸うと横隔膜は下がり、胸腔が広がって肺に空気が流れ込みます。吐くと横隔膜はゆるんで上がり、空気を押し出します。しかしその働きは呼吸だけにとどまりません。

 

横隔膜が下がると腹腔内圧が高まり、腰椎を全方向から支える力が生まれます。これは外側の筋肉だけでなく、内側からの圧によって体幹を安定させる「天然のコルセット」として機能します。もし横隔膜の動きが弱まり、腹腔内圧が十分に得られなければ、腰椎はわずかな負荷でも不安定になり、痛みや違和感が出やすくなるのです。

 

さらに横隔膜は頸椎から出る横隔神経に支配されており、この神経がスムーズに働くことで呼吸のリズムと体幹の安定が保たれています。つまり腰の安定性は解剖学的にも神経学的にも横隔膜に大きく依存しているのです。

 

■ 呼吸と神経の乱れ

呼吸が浅いとき、体の中では何が起きているのでしょうか。

 

長時間のデスクワークで背中が丸まり、胸郭が硬くなると横隔膜は動きづらくなります。精神的ストレスによって交感神経が優位になると、胸や肩の筋肉を使う胸式呼吸が習慣化します。その結果、腹式呼吸が抑えられ、横隔膜の活動はさらに減少していきます。

 

呼吸が浅くなると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働き続けます。腰回りの筋肉は常に軽く緊張し、血流が滞り、疲労物質が蓄積します。その状態が慢性化すると、脳の痛みを抑える仕組みが鈍り、本来なら感じない程度の刺激にも敏感に反応するようになります。これが「神経の過敏化」による腰痛です。

 

つまり呼吸の浅さは単に酸素不足の問題ではなく、自律神経と痛みの制御にまで影響を与え、腰痛を慢性化させる大きな要因となっているのです。

 

■ 横隔膜の働きがもたらす全身の恩恵

横隔膜が十分に働くと、腹腔内圧が適切に保たれ腰椎は安定します。同時に、横隔膜の上下運動が内臓を優しくマッサージする役割を果たし、血流やリンパの流れを改善します。これは消化や代謝、免疫機能にも好影響を及ぼし、全身の健康に広がっていきます。

 

深い呼吸は副交感神経を優位に切り替え、心拍数や血圧を落ち着かせ、脳をリラックス状態へ導きます。その結果、睡眠の質が向上し、体の回復力そのものが底上げされます。呼吸を通じて横隔膜が健全に働くことは、腰の安定にとどまらず「体と心の総合的な健康」を支える基盤なのです。

 

■ カイロプラクティックができること

横隔膜と呼吸の浅さが腰痛に与える影響を正しく評価するには、筋肉や骨格だけでなく神経系の状態を総合的に把握する必要があります。

 

当院で実践しているガンステッド・システムでは、体表温度検査・視診・静的触診・動的触診・レントゲン評価という5つの検査法を用い、神経伝達に乱れが生じている部位を正確に特定します。

 

胸椎や肋骨に神経的な負担があれば、横隔膜は自由に動けなくなり腹腔内圧が下がります。腰椎に乱れがあれば、体幹の安定性が損なわれ、わずかな負荷で腰痛が悪化します。カイロプラクティックケアでは、神経の働きを阻害している要因を取り除くことで横隔膜が本来の動きを取り戻し、呼吸の深さと腰の安定性を同時に改善することができます。

 

さらに神経伝達が整えば、自律神経のバランスが回復し、交感神経優位の状態から副交感神経優位へと切り替わります。呼吸は自然と深くなり、腰の筋肉は緊張から解放され、血流が改善します。その結果、「呼吸が楽になった」「腰が軽くなった」と実感する方が多いのです。

 

カイロプラクティックの価値は、単に骨格を整えることではなく、神経の流れを回復させることで呼吸と腰の健康を同時に支える点にあります。

 

■ ご相談・ご予約はいつでもどうぞ

「呼吸が浅く、腰が重い」「ストレスで体がこわばる」といったお悩みを抱えている方は、横隔膜と神経のつながりを整えるケアを受けてみませんか。

 

前田カイロプラクティック藤沢院では、神経と呼吸の働きを重視し、腰痛の根本改善を目指したカイロプラクティックケアを提供しています。

 

📍前田カイロプラクティック藤沢院

神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402

【営業時間】9:00〜12:00/14:00〜18:00

【休診日】月曜日・火曜日午後・金曜日・第3日曜日(前日土曜日は午前のみ)

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

コラム一覧へ戻る
pagetop