2025.06.28

【更年期症状と甲状腺の症状】、その違いとは?〜ホルモンと自律神経の視点から〜

カテゴリ: 健康通信
【更年期症状と甲状腺の症状】、その違いとは?〜ホルモンと自律神経の視点から〜

40代後半から50代にかけて体調の変化を感じ、「もしかして更年期かも?」と感じる女性は多くいらっしゃいます。しかし、実は更年期に似た症状を引き起こす別の原因も存在します。

 

そのひとつが「甲状腺」の関係する症状です。

 

今回のコラムでは、甲状腺と更年期の症状、ホルモンと自律神経の関係性についてお伝えしていきます。

更年期と甲状腺疾患は、なぜ似た症状を起こすのか?

更年期に現れる不調の多くは、女性ホルモン(特にエストロゲン)の急激な減少によって、自律神経のバランスが乱れることが主な原因です。

 

一方、甲状腺の病気(バセドウ病や橋本病など)もまた、ホルモンバランスの異常からくる不調であり、自律神経に影響を与えるため、非常によく似た症状が出るのです。

更年期症状と甲状腺の症状、どこが似ていて、どう違うのか?

更年期障害と甲状腺の異常は、見た目の症状が非常によく似ているため、間違いやすいのが特徴です。では、どのような点で似ていて、何が違うのでしょうか?以下で具体的にみていきます。

 

まず、「動悸」や「息切れ」といった症状は、更年期でも甲状腺疾患でもよくみられます。

 

更年期では自律神経のバランスが乱れることで心拍数が不安定になりやすく、甲状腺の場合は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される(バセドウ病など)ことで心臓に負担がかかり、似たような症状が出るのです。

 

また、「疲れやすさ」や「だるさ」も共通の症状です。これは、エストロゲンの低下により自律神経が乱れ、身体がうまく調整できなくなることで起こります。甲状腺の病気でも、ホルモンが過剰または不足すると代謝がうまく働かなくなり、結果として強い倦怠感が出ます。

 

「イライラ」や「不安感」も両方に見られる症状です。更年期ではホルモンの低下が感情のコントロールに影響を与えるのに対し、甲状腺の異常でも神経が過敏になり、気分が不安定になります。

 

さらに、「体重の変化」にも注目が必要です。更年期では代謝が落ちたり、生活習慣が変わったりすることで体重が増減することがあります。一方、甲状腺ホルモンが過剰な場合は代謝が異常に活発になるため体重が減りやすく、逆に機能が低下していると体重が増えやすくなります。

 

月経の乱れも共通点のひとつです。更年期では閉経に向かって月経周期が不規則になりますが、甲状腺の機能異常でもホルモンの影響を受けて月経に乱れが出ることがあります。

 

最後に、「手の震え」や「発汗の増加」なども、どちらの症状としても現れることがあります。更年期ではホットフラッシュなどが原因ですが、甲状腺ホルモンが過剰な状態でも交感神経が過剰に働き、同様の症状が現れます。

違いを見極めるためには「血液検査」がカギ

更年期か甲状腺の異常かをはっきりと区別するためには、自己判断では限界があります。特に甲状腺ホルモンの異常は、血液検査で明確に数値として把握することができます。

ホルモンの司令塔「甲状腺」と女性の体への影響

子宮や卵巣と自律神経の関係性を語るうえで、忘れてはならないのが「甲状腺ホルモン」の存在です。甲状腺は首の前面にある蝶のような形をした臓器で、「代謝の司令塔」ともいわれています。

 

甲状腺から分泌されるサイロキシン(T4)トリヨードサイロニン(T3)は、体温調節、心拍、エネルギー産生、消化機能など、全身の代謝活動に関与しています。特に女性の場合、この甲状腺ホルモンと女性ホルモンのバランスが密接に関係しているため、甲状腺の働きが低下(=甲状腺機能低下症)すると、月経周期の乱れ(長期の無月経・過多月経)、不妊傾向、浮腫みや冷え、疲れやすさ、うつ症状、体重増加のような不調が起こりやすくなります。

 

これらの症状はPMSや更年期症状とも似ているため、見逃されやすいのが特徴です。甲状腺と自律神経、女性ホルモンは三者が連動しており、どれか一つでもバランスを崩すと全体に影響が及びます。

 女性ホルモンと自律神経の“二重支配”の仕組み

女性ホルモンには主にエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、それぞれ異なるタイミングと働きで女性の心身に影響を与えます。

 

エストロゲンは卵胞期〜排卵期にかけて分泌が高まり、心身を活動的にし、肌や骨、血管、脳に良い影響を与えます。精神的にも安定しやすく、自律神経も整いやすくなります。

 

一方、プロゲステロンは排卵後〜月経前にかけて分泌され、妊娠を維持するための準備を行いますが、体温が上がり、むくみや眠気、情緒不安定を感じやすくなります。この時期は交感神経が優位になりやすく、自律神経の乱れも起こりがちです。

 

さらにこの2つのホルモンは、視床下部→脳下垂体→卵巣というホルモン指令系によって調整されており、視床下部は自律神経の中枢でもあるため、ストレスの影響をダイレクトに受けます。

 

つまり、強いストレスや生活習慣の乱れは、自律神経を介して女性ホルモンの分泌にも悪影響を与えるということです。

ホルモンと自律神経は深くつながっている

更年期も甲状腺疾患も、ホルモンバランスの変化をきっかけに、自律神経の働きに大きな影響を与えます。自律神経が乱れると、私たちの体調や気分は不安定になりやすく、原因がわかるまで不安な日々が続いてしまうことも。

 

「年齢のせいかな」で終わらせず、まずは一度、身体の声に耳を傾けてみませんか?

 

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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