2025.05.14

【原因不明の女性特有の不調】自律神経の乱れとの関係性とは?

カテゴリ: 健康通信
【原因不明の女性特有の不調】自律神経の乱れとの関係性とは?

「検査では異常なし」と言われたのに、体はつらい。生理前の強いイライラや倦怠感、眠れない夜、急に涙が出る日、手足の冷え、頭痛や胃腸の不調など、女性に多い“原因不明”の不調。その多くは自律神経の乱れが関係しているケースがほとんどです。

今回のコラムでは、女性に特有の“よくあるけど理解されづらい”不調と、自律神経との根本的なつながりについてお伝えしていきます。

「原因不明」と言われがちな女性の不調とは?

多くの女性が日常的に感じている体調不良の中には、病院で検査をしても“異常なし”とされるものがたくさんあります。

たとえば、生理前の情緒不安定、動悸、極度の疲労感、頭痛や腰痛、眠れない、手足の冷え、胃腸の違和感、食欲の乱れ、息苦しさ、気分の落ち込みや不安感などです。

これらは「気のせい」「ストレスのせい」と片づけられてしまうことも多く、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も少なくありません。しかし、これらの症状の背景には“自律神経の乱れ”という共通点が隠れていることがあります。

自律神経は女性の体にどう影響する?

自律神経は、私たちの意志とは関係なく、心臓や呼吸、消化、体温調整など生命維持に欠かせない働きを自動でコントロールしている神経です。「交感神経(緊張・活動)」と「副交感神経(休息・回復)」の2つのバランスで成り立っています。

このバランスが崩れると、さまざまな身体機能に影響が出ます。血流に影響が出たり、内臓の働きが低下、免疫力の低下、ホルモンの分泌などにも乱れが生じます。

特に女性は、思春期・妊娠・出産・更年期など、一生を通してホルモンバランスが大きく変動します。自律神経の影響を強く受けやすく、不調が出やすいのです。

女性ホルモンと自律神経の密接な関係

女性ホルモンは、脳の視床下部と下垂体からの指令によって卵巣で分泌されます。実はこの「視床下部」は、自律神経の司令塔でもあります。自律神経が乱れると、ホルモンバランスにも直接影響が出るのです。

たとえば、ストレスがかかり続けると、交感神経が過剰に優位になり、視床下部がうまく働かなくなります。すると、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が不安定になり、生理不順、PMSの悪化、情緒不安定、不妊など、さまざまな女性特有の症状へとつながっていきます。

「ストレスに弱いだけ」「気持ちの問題」「年齢だからしょうがない」と思ってしまう方も多いかもしれません。でも実際には、自律神経とホルモンバランスの乱れが体の深い部分で起きている、身体の問題なのです。見た目ではわからないため周囲に理解されづらく、結果的に我慢や孤立を招くこともあります。しかし、体の仕組みを知れば、「つらいのは自分のせいじゃない」と気づくことができます。

自律神経とカイロプラクテック・ケアの関係性

カイロプラクティックでは、背骨や骨盤での神経の負担を取り除き、神経の通りを改善し自律神経のバランスを整えるサポートを行います。

神経の流れが妨げられている状態は、自律神経の働きや内臓の血流に影響します。これらを整えることで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、ホルモンバランスも自然と安定しやすくなります。

女性の体はとても繊細で、ホルモンと自律神経が少し揺らぐだけでも、不調として表れます。だからこそ体を責めず、優しく整えてあげることが大切です。カイロプラクティック・ケアでまずは自分の状態に気づき、自律神経という“土台”から整えていきましょう。

中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティック治療室で実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

コラム一覧へ戻る
pagetop