【何をやっても痩せないお腹】脂肪が落ちない本当の原因は「使えていない体」

「食事制限しているけど思ったように痩せない」
「運動を頑張ったけど、痩せるどころか腰や膝を痛めてしまった」
こんな経験はありませんか?
一般的にダイエットでは「部分痩せはできない」と言われます。けれど現実には、お腹だけがポッコリしている、わき腹に浮き輪のようなお肉がついている、背中だけがたるんで見える──そんな“特定の部位だけが残る”現象は多くの人に起こります。しかも、食事や運動を頑張っても、その部位がまったく変わらないケースがある。原因は、そもそもその部位が「使える状態にない」ことにあります。
このコラムでは、脂肪が落ちない部位を「使える状態」に変えるための五つのステップを、カイロプラクティック的視点と生理学的な根拠を交えて解説します。結論からいえば、すべてのスタート地点は「神経の流れを整える」ことにあります。ここが整って初めて、食事も運動も循環ケアも、意図した通りに効きはじめます。
■ ① カイロプラクティックケアで「神経の流れ」を整える
人間の体は、脳と体をつなぐ神経ネットワークによってコントロールされています。筋肉を動かす指令、血管やリンパ管の収縮、臓器の活動、感覚情報の処理、ホルモン分泌や免疫反応まで、すべてが神経の信号に依存します。脊椎や関節の可動性が失われ、椎間孔や関節周囲の軟部組織に緊張が生じると、神経信号は物理的・化学的に妨げられ、わずかな遅延や減衰が起こります。小さな遅延の積み重ねは、筋力・持久力・代謝・内臓機能・疲労回復・免疫応答をじわじわと低下させます。
カイロプラクティックケアで脊椎の配列と関節の動きを整えると、運動単位の動員効率が上がります。神経の流れが整うことで、より多くの運動単位を必要な順序で素早く動員でき、瞬発力・持久力・動作精度が向上します。また、姿勢とバランスを担う反射弓の遅延が減り、咄嗟の立て直しが速くなります。これらはスポーツだけでなく、日常の安全性や消費カロリーの底上げにも直結します。
自律神経の切り替えもスムーズになります。交感・副交感のバランスが整うと末梢血流が改善し、酸素と栄養が細胞に行き渡りやすくなり、老廃物の回収も効率化。免疫機能は安定し、深いノンレム睡眠が得られやすくなります。深睡眠時には成長ホルモンが分泌され、脂肪燃焼や組織修復が進み、翌日の集中力や運動パフォーマンスも上がります。
日常の体感としては、階段や坂道で脚が軽い、反応が速くてつまずきにくい、デスクワーク中の集中が持続する、手足の冷えが減る、疲れにくい──こうした「本来の体の反応」が戻ってきます。神経の流れを整えることは、筋肉を単に強くするのではなく、体全体を正しく連動させるための条件づくりです。ここを飛ばして食事や運動だけを続けても、効果は半分も引き出せません。
■ ② 食事は「燃える材料」を入れるためにある
人間の体には、不要なものを排出し必要なものを選択的に吸収する高度な仕組みがありますが、神経系が乱れるとこの仕組みは狂います。消化管の運動と分泌は自律神経が制御し、特に迷走神経は胃腸の蠕動・消化液分泌・血流配分を調整します。胸椎や肋骨の可動性低下、横隔膜の浅い動きは迷走神経の機械受容入力を乏しくし、蠕動や分泌が鈍ります。神経の流れと胸郭の動きをケアで回復させると、胃腸周囲の血流と自律神経の調律が整い、吸収と輸送がスムーズに働きます。
腸内細菌叢も重要です。腸内環境が乱れると短鎖脂肪酸の産生が減り、迷走神経の活性や腸脳コミュニケーションが低下します。結果として栄養の利用効率が落ち、過食や糖質渇望が強まりやすくなります。神経の流れを整え、腸管の運動と血流を改善することは、腸内細菌叢の健全化にもつながります。
血糖値の急上昇は交感神経優位を招き、脂肪蓄積を促します。神経系のバランスが整っていれば、食後血糖の変動は緩やかになり、インスリン過剰分泌を抑え、エネルギーを活動と代謝に回しやすくなります。さらに、神経細胞膜の主成分であるリン脂質の質は信号伝達に影響し、オメガ3などの良質な脂質は神経の働きを助けます。十分なたんぱく質は神経伝達物質・酵素・筋の材料となり、ビタミンB群やマグネシウムは補酵素として代謝を回します。何を食べるかに加え、体がそれを使える状態かどうかが決定的な差を生みます。
■ ③ 使えていない部位を見極め、関節可動域を出す
神経の流れが整っても、関節が固まっていれば筋肉は働けません。股関節が硬いと骨盤と脊柱の連動が途切れ、腹部・腰部の筋群は不利な長さで固定されます。胸椎が硬いと肋骨の開閉が制限され、横隔膜の上下動が浅くなり、呼吸は胸上部だけの浅いスタイルに偏ります。この状態では呼吸補助筋の活動が下がり、酸素摂取量が減って脂肪燃焼効率も低下します。
可動域の回復は、ただ伸ばすことではありません。関節包・靭帯・筋膜にある固有受容器を刺激して脳に高解像度の位置情報を送り返し、「使える体」の神経地図を再構築します。股関節の滑走が戻ると骨盤ローテーションが蘇り、そのトルクは胸椎へ伝わって上半身の回旋を呼び起こします。胸椎の伸展と回旋が回復すれば肋骨のポンプ運動が深まり、全肺野を使う呼吸となって前鋸筋や僧帽筋下部といった“痩せづらい部位の鍵筋”も立ち上がります。
歩幅が自然に広がり、歩行時の骨盤回旋がスムーズになれば、日常生活そのものが高効率の有酸素運動に変わります。胸椎可動域の拡大は酸素摂取量を押し上げ、持久力と代謝を底上げします。
■ ④ 温熱療法で循環をブーストする
冷えている部位は代謝が低く、感覚も鈍くなりがちです。温熱刺激は毛細血管を拡張し、局所血流とリンパの流れを高めます。温熱によって誘導されるヒートショックプロテイン(HSP)は損傷タンパクの修復や細胞保護に働き、回復と代謝を後押しします。温泉やスーパー銭湯で体を芯から温めると、深部体温と末梢温がバランスよく上がり、血管の拡張反応が全身に及びます。
ただし、カイロプラクティックケアの直前・直後に高温長時間の入浴は避けましょう。ケアの効果が定着する過程に過度な血管拡張や血圧低下が重なると、ふらつきや体調変動が出ることがあります。ケアと温熱は時間をずらして組み合わせるのが理想です。
運動前に温熱を使う場合は、38〜40℃の短時間入浴やホットパックで筋温を適度に上げると、筋粘性が下がり、関節可動域が広がり、筋収縮効率が高まります。冷温交代浴で収縮・拡張を繰り返せば、末梢循環のポンプ作用が活性化し、運動後の疲労回復や老廃物の除去にも有利に働きます。
■ ⑤ 使える状態になってから筋トレ(オプション)
筋トレは強力な手段ですが、神経の流れが滞り、関節の滑走が失われたままでは、狙った筋は動かず代償動作だけが増え、関節や靭帯に余計なストレスがかかります。神経と可動域が整った「使える体」になってから行う筋トレは、軽い負荷でも狙った部位を的確に動員でき、効果と安全性が飛躍的に高まります。日常動作も立派なトレーニングです。荷物を持ち上げる、階段を上る、しゃがむ・立つ──これらを正確なフォームで行うだけで自然に強くなります。
瞬発力を高めるプライオメトリクスや短距離ダッシュも、神経の流れが整った状態なら安全かつ効率的です。高強度刺激後に一時的に出力が上がる「Post-Activation Potentiation(PAP)」の現象を活用すれば、神経と筋の連動を短時間で引き上げられます。加えて、適切な筋刺激は成長ホルモンやテストステロンなどの分泌を促し、基礎代謝の底上げと脂肪燃焼を後押しします。なお、あなたが筋トレ否定派であっても問題ありません。①神経、②食事(吸収)、③可動域、④循環の順に整えるだけで、体は自然に締まっていきます。さらなる向上を望むときだけ、⑤をオプションとして少量加えれば十分です。
■ ご相談・ご予約はいつでもどうぞ
「何をやってもお腹の脂肪が落ちない…」そんなお悩みを抱えている方へ。
神経の流れを整え、眠っていた筋肉と代謝を目覚めさせるカイロプラクティックケアで、無理なく締まった体へと導きます。
📍前田カイロプラクティック藤沢院
神奈川県藤沢市鵠沼橘1-17-4 第一興産28号館402
【営業時間】9:00〜12:00/14:00〜18:00
【休診日】月曜日・火曜日午後・金曜日・第3日曜日(前日土曜日は午前のみ)
📞0466-21-9624
【LINE予約】下記QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とお送りください。
ご予約・お問合せはお電話またはLINEから
- お電話での予約
- TEL:0466-21-9624
- LINEでの予約
- QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。

執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。
笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。