薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘

薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘

生後10か月の小児便秘が薬に頼ることなく改善できた!

10歳未満男性
来院に至った経緯
生後間もない0歳の頃から便秘がちで、3日、4日経っても排便がないことが当たり前のようになっていた。やっと出ても硬くて量も少なく、とても赤ちゃんのうんちとは思えなかった。そのたびに赤ちゃんは苦しそうに泣き、母親も胸が締め付けられる思いで抱きかかえるしかなかった。

小児科に相談すると「母乳やミルクをしっかり与えているなら、お腹のマッサージをしてあげましょう」と指導を受けた。「の」の字を書くように優しくマッサージをしてみたが、排便のリズムが整うことはなかった。

再度小児科を受診すると「乳児用便秘薬を使って様子を見ましょう」と言われた。薬を使えば一時的には出るような気がしたが、「赤ちゃんのうちから、こんなに長い間薬を続けて大丈夫だろうか」と強い不安を抱くようになった。

親戚が集まったときには「赤ちゃんなんてそんなものだよ」「心配し過ぎだよ」と軽く言われ、母親は「自分の子じゃないからそんなことが言えるんだ」と強い憤りを覚えた。

月日が過ぎ、もうすぐ1歳を迎えるというのに便秘は一向に改善しなかった。「このまま成長を続ければ将来大きな病気につながってしまうのではないか、今は大丈夫でも体に悪影響が出てしまうのではないか」と不安は膨らむばかりであった。

そんなとき、小学生からの幼馴染に相談したところ「うちの子も赤ちゃんのとき便秘で悩んでいたけど、ここに通ってから出るようになったんだよ」と当院を紹介された。

母親は「赤ちゃんがカイロプラクティック受けても大丈夫なの?」半信半疑だったが、自分が子供の頃から信頼している親友の勧めだったこともあり、「同じような悩みを抱えていた子が改善したのなら、うちの子も助けてもらえるかもしれない」と思い、来院を決意した。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜から左仙骨翼にかけて強い浮腫感

  • 02

    仙骨第二仙結節の硬直

  • 03

    脚長差:左短下肢1㎝

経過と内容
初診時の状態では、仙骨第二仙結節が異常なほど硬直していた。体表温度検査でも、仙骨第二仙結節レベルに明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜から左仙骨翼にかけて強い浮腫が確認された。

赤ちゃんにしては脚長差も大きく出ており、左短下肢1㎝の状態であった。その他の検査所見も加味して、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

1週目(初回のアジャストメント)には、翌日に便が自然と出て母親が驚いていた。それまでは薬を使わなければ数日出なかったが、薬を使わずに出たのは初めてであった。

2週目(2回目のアジャストメント)には、再び自然に排便があり、便の硬さもやや柔らかくなってきた。母親は「赤ちゃんらしいうんちになってきた」と安心していた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

4週目(3回目のアジャストメント)には、初回のアジャストメント以降はほぼ毎日のように排便が見られるようになり、便の状態も安定してきた。母親は「今まで苦しそうに泣いていたのが嘘みたい」と変化を実感していた。

6週目(4回目のアジャストメント)には、排便リズムが安定して薬を使う必要もなくなり、夜泣きも減って穏やかに過ごせるようになった。体重の増加も順調に推移し、母親の不安は大きく和らいだ。

現在は、便秘は改善されたが、赤ちゃんの発育サポートするために定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の小児便秘は、仙骨の第二仙結節に負荷がかかり、その部位を支配する副交感神経の働きが低下していたことが根本原因であったと考えられる。

排便は腸そのものの働きだけではなく、骨盤内臓器を支配する副交感神経によって調整されている。特に仙骨由来の副交感神経は大腸の末端に至る排便機能に深く関わっており、ここに神経機能の低下が生じれば、蠕動運動が弱まり便秘が慢性化しやすい。

本症例では初診時に脚長差や仙腸関節周囲の浮腫が確認され、仙骨部にサブラクセーション(根本原因)が存在していることを示していた。実際にアジャストメントを行うことで神経の伝達が回復し、腸の働きが即座に改善し自然排便が見られたことからも、この関連性が裏付けられる。

小児の場合、大人と違って慢性的に固定化することは少なく、小児便秘に限らず早期に改善されるケースが多くみられる。今回も生後10か月という段階でアジャストメントを行えたことが、神経の早期回復に繋がり、結果として小児便秘の早期改善へと結びついたと考えられる。

小児便秘は単なる「腸の問題」ではなく、自律神経、とりわけ仙骨部副交感神経の機能障害として捉える必要がある。今回の症例は、神経機能を正常化させることによって小児便秘が改善される臨床的意義を示したものである。
薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘
薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘 薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘 薬に頼っても改善しなかった赤ちゃんの小児便秘

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop