繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった

繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった

検査では「異常なし」と言われ続けためまいが改善しました!

30代女性
来院に至った経緯
昔から末端冷え性で手足が冷えることはあったものの、それ以外に体調の大きな不調を感じることはなく、30代に入ってからも仕事や家事をこなしながら普通に生活を送っていた。

ある朝、布団から起き上がった瞬間に強烈なめまいに襲われ、視界がぐるぐる回り、吐き気と冷や汗で立ち上がることができなくなった。その日の仕事は休ませてもらい、しばらく横になっていると症状は落ち着いたが、その日は一日中ふらつきが残り、歩くことさえできない状態であった。

それ以降、何の前触れもなく突然めまいが繰り返し起こるようになった。仕事中にふらついて机にしがみついたり、料理中に視界が揺れて包丁を持つ手を止めざるを得なかったりと、日常のあらゆる場面で支障が出るようになった。

特に人前でプレゼンするような緊張場面だとめまいが起こる頻度が多かった。一度めまいが出ると世界がグルグルと回るような感覚があり、「また倒れてしまうのではないか」という恐怖感から、次第に外出や人との約束すら避けるようになった。

耳鼻科を受診し、聴力検査や平衡機能検査を受けたが「特に異常はありません。自律神経の乱れでしょう」と言われ、めまい止めの薬を処方された。薬を飲むと一時的に症状は和らいだが、数日経つと再び強いめまいに襲われ、根本的には何も変わらなかった。

さらに不安になり内科で血液検査や脳のMRIまで受けたが、「検査上はどこにも問題はないですね。疲れやストレスが原因ではないでしょうか」と言われるだけであった。原因がはっきりしないまま薬を飲み続けることに疑問を抱き、このまま一生めまいに振り回されるのではないかという強い不安に苛まれていった。

めまいに効くという鍼灸院などに通ってみたが、4か月間通ってもめまいの症状は治まらず、むしろ頻度や度合いが悪化しているように感じた。

このままでは日常生活を送るのも難しいと感じていた矢先、職場の同僚から「私の友達もめまいで悩んでいたけど、ここで本当に良くなったらしいよ。一度行ってみたら?」と当院を勧められた。

最初は半信半疑だったが、せっかく心配して紹介してくれたから一度行ってみようと思いホームページを調べてみると、同じようにめまいで悩んでいる人が多く改善されているということを知った。

「ここなら自分も変われるかもしれない」と希望を抱き、当院に来院された。


【神奈川県鎌倉市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部右胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    右仙腸関節の可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎右横突起と右上後腸骨棘上端内縁に強い浮腫が確認され、頸部右胸鎖乳突筋と腰部右起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、起床時に毎日のように出ていた強いめまいはほとんど感じなくなり、日中のふらつきも短時間で治まるようになった。安心して起き上がれる日が増え、生活への不安が和らいだ。

4週目(4回目のアジャストメント)には、料理や買い物の最中に出ていたふらつきが軽減し、外出への不安が少しずつ解消されてきた。突然の発作的なめまいも大幅に減り、仕事や家事を中断せずに行える日が増えた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、人前でのプレゼン中にめまいが出ることはなくなり、仕事に集中できるようになった。症状が出ても軽度のふらつき程度で済み、体を休めることなくやり過ごせるようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(12回目のアジャストメント)には、めまいは完全に消失し、子供の頃から悩んでいた末端冷え性にも変化が現れた。手足が温かいと感じる場面が増え、血流の改善を実感できるようになった。

現在は、めまいだけでなく末端冷え性も解消したが、体調管理のために身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のめまいは、耳や脳に器質的な異常がないことからも、自律神経や上部頸椎の機能異常が深く関わっていたと考えられる。めまいは単なる耳の異常として片付けられがちであるが、実際には体のバランスを統合する神経系全体の働きと密接に関係している。

平衡感覚は、内耳(三半規管)、視覚(目)、深部感覚(筋肉や関節の感覚)から得られる情報が脳で統合されることで維持されている。特に第8脳神経(内耳神経)は平衡感覚を司る重要な神経であり、その働きが乱れるとめまいが生じる。

内耳の三半規管はリンパ液で満たされており、その流れを神経が感知することで体の動きを脳に伝えている。自律神経の乱れによってリンパ液の生産と吸収のバランスが崩れると、内耳がむくんだ状態となり、「動いていないのに動いている」と脳が誤認してめまいが発生する。

本症例では、末端冷え性という背景もあり、交感神経の血流調整機能が不十分であった可能性が高い。交感神経の作用として末梢の血管を閉じる役割があるが、その状態が長期間続いてしまうと末梢の血管が閉じたままとなり、手足が冷えるなどの末端冷え性を誘発してしまう。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれた結果、自律神経の働きが安定し、短期間でめまいが解消されたと考えられる。めまい解消後も継続的なケアによって自律神経の循環調整機能が回復し、長年悩んでいた末端冷え性にも改善がみられたのだろう。

今回の症例は、めまいが耳だけの問題ではなく、内耳神経や自律神経など複合的に関与するものであることを示している。症状だけにとらわれるのではなく、神経系全体の働きを正確に検査し、根本原因を整えることが慢性的なめまいや体質的な冷えの改善に不可欠であることを改めて確認できた症例であった。
繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった
繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった 繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった 繰り返す強いめまいで立ち上がれず、日常生活が壊れていった

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop