短い時間も座っていられないほどの腰痛に悩まされたテレワーク生活

短い時間も座っていられないほどの腰痛に悩まされたテレワーク生活

痛みを気にせず仕事に集中できるようになり、快適に毎日を過ごせるようになりました!

40代女性
来院に至った経緯
都内の企業に勤めており、在宅勤務を中心に1日10時間以上パソコンの前に座る生活を続けていた。腰痛のきっかけは、テレワークが定着した3年前にまで遡る。慣れない自宅環境で長時間座り続けるうちに、腰の奥に重い疲労感が残り、朝起きても体が休まらない日が増えていった。

当初は椅子のクッションを替えたり、ストレッチ動画を見ながら姿勢を意識したりしていたが、効果は長く続かなかった。数か月が経つころには、イスに深く腰掛けるだけで腰が沈むような感覚があり、仕事を終える頃には下半身全体が硬直していた。夜は湯船に浸かっても腰の張りが取れず、寝返りのたびに鈍い痛みが走るようになった。

整形外科では「運動不足による筋緊張性腰痛」と診断され、痛み止めと湿布を処方された。運動を勧められたものの、痛みの不安から体を動かすことを避けるようになり、ウォーキングをしても数分で腰痛が強くなる。リハビリも思うように続けられず、「座る」「立つ」「寝る」といった何気ない動作すべてに腰痛を感じるようになった。

短時間座ることも難しく、少し歩いただけで腰痛が出るようになった。じっと座っていられないため、オンライン会議の最中も姿勢を変え続けなければならず、集中力が続かなくなった。姿勢を正そうとしても長く維持できず、夕方には腰から背中にかけて硬直感が広がり、全身が重くなるような感覚に襲われた。

整体やマッサージにも通ったが、表面的な筋肉の緊張がほぐれるだけで、数日後には再び腰痛が戻った。症状が進むにつれて「この腰痛は姿勢ではなく、もっと深い部分に原因があるのではないか」と感じるようになった。夜、布団の中で腰の奥がズーンと響くような痛みに耐えながら、「明日もまた同じ腰痛を繰り返すのか」と不安を抱える日が続いた。

そんな中、知人から「ここに通って腰痛が良くなったよ」と当院を紹介された。実際にインターネットで調べてみると、Googleの口コミ評価も高く、同じように腰痛で悩んでいた人たちの体験談が多く掲載されていた。「ここなら本当に良くなるかもしれない」と感じ、これまでのように一時的に痛みをごまかすのではなく、腰痛を根本から改善したいという思いで来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と下部腰椎に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

テレワークで時間が作りやすい環境であり、患者自身が早期の改善を望んでいたことから初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

1週目(2回目のアジャストメント)には、腰痛の重だるさが軽減し、朝の動作がスムーズになった。オンライン業務中も姿勢を頻繁に変えずに座っていられる時間が延び、仕事の途中で立ち上がる回数が減少した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、腰痛の戻りが明らかに減少し、1日の終わりに感じていた腰の張りが軽くなった。これまで長時間座っていると腰が固まるように感じていたが、体のこわばりが和らぎ、動き出しがスムーズになった。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

5週目(7回目のアジャストメント)には、腰痛が大幅に軽減し、仕事中に痛みを意識することがほとんどなくなった。イスに深く腰掛けても違和感が出ず、デスクワークに集中できる時間が明らかに増えた。アジャストメント後には腰部の筋緊張が緩み、体幹全体が軽く感じられるようになった。

9週目(11回目のアジャストメント)には、腰痛はほぼ消失し、動作時の違和感も見られなくなった。以前は同じ姿勢を続けるとすぐに腰が重くなっていたが、今では長時間の作業をしても痛みが再発しない状態を維持できている。姿勢の崩れも少なくなり、日常動作の中で体を支える感覚が安定してきた。

現在は、腰痛は完全に落ち着いているが、デスクワークによる再発防止と身体のメンテナンスを目的として、定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の腰痛は、右仙腸関節の機能低下が主な原因であったと考えられる。

仙腸関節は骨盤の安定性を支える重要な関節であり、上半身の荷重を下肢に伝える中継点として機能している。この関節の可動性が低下すると、骨盤全体の動きが制限され、周囲の靭帯や筋肉に不均等な張力が生じる。その状態が続くことで、腰椎や椎間関節にまでストレスが波及し、慢性的な腰痛が形成されていく。

本症例では、テレワークによる長時間の座位が、すでに制限がかかっていた骨盤部にさらに負担を加える結果となっていた。骨盤の微小な動きが失われると、関節内外の圧力が一定方向に偏り、仙腸関節周囲の神経が刺激される。

この刺激が長期間続くと、交感神経が持続的に興奮し、筋緊張の過剰化と血流障害が慢性化する。結果として、腰部の組織が本来の回復リズムを失い、疲労や痛みが取れにくい状態に陥っていたと考えられる。

特にテレワークでは、外出や歩行の機会が減少し、同じ姿勢を保ったまま作業する時間が極端に長くなる。このような環境下では、筋肉によるポンプ作用が低下し、静脈やリンパの還流が滞る。循環の低下は組織の代謝を阻害し、酸素供給不足や老廃物の蓄積を引き起こす。これらが相互に作用し、腰痛を長引かせる要因となっていた。

アジャストメントによって仙腸関節の可動性が回復すると、骨盤部の神経伝達が正常化し、副交感神経の働きが優位となった。副交感神経は血流促進や筋緊張の緩和、組織修復を担う神経であり、その働きが回復することで、体は再び自己調整の機能を取り戻していく。結果として、腰部の循環が改善し、筋の柔軟性が高まり、関節運動が滑らかになったことで腰痛の再発が防がれていると考えられる。

腰痛は単なる姿勢や筋肉の問題ではなく、その背景には神経系の働きと循環機能のバランスが深く関係している。今回の症例は、テレワークによる慢性的な姿勢固定が骨盤部の神経機能を抑制し、腰部の修復力を低下させていたが、仙腸関節のサブラクセーション(根本原因)を的確に取り除くことで神経機能が回復し、短期間で自然治癒力を取り戻した好例であった。
短い時間も座っていられないほどの腰痛に悩まされたテレワーク生活
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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