異常な高血圧で脳梗塞や心筋梗塞の危機

異常な高血圧で脳梗塞や心筋梗塞の危機

薬に頼らず血圧が安定し、再び元気に過ごせるようになりました!

50代男性
来院に至った経緯
学生時代から体格に恵まれ、社会人になってからも体力には自信があった。営業職として全国を飛び回り、多少の徹夜や不規則な食生活が続いても大きく体調を崩すことはなかったため、「自分は人一倍、丈夫だ」と思い込んでいた。

しかし50代に入ってから健診で「血圧が高い」と指摘されるようになった。最初は上150〜160mmHg程度で、医師からは降圧薬を勧められたが、「薬に頼ると一生続けなければならない」という恐怖心があり、なんとか自力で下げようと決意した。

減塩や有酸素運動、サプリメントや健康茶など、思いつく限りのことを試したが、期待したほどの効果は得られなかった。営業職で飛行機や新幹線の移動が多かったので、腰痛予防のため鍼灸院に通っていたため、鍼灸の先生に相談したところ「もう長年、うちで施術していますから、うちではこれ以上のことはできません。」と言われてしまい見捨てられたような気になった。

血圧の数値は年々上昇し、ついには上220mmHg、下130mmHgという危険な域に達してしまった。検査では心臓や脳にはまったく異常が無かったが、医師から「今の状態は、脳梗塞や伸筋構想の危険性が極めて高いです。すぐに薬を服用してください。」と強く警告された。

頭痛や耳鳴り、朝方の動悸に悩まされ、会議中に突然視界が揺れることもあった。このままでは取り返しのつかないことになってしまうかもしれないという恐怖が現実味を帯び、やむなく薬を飲み始めた。

薬を服用すると多少は数値が下がるものの、強い倦怠感や頭の重さに悩まされるようになり、以前のように仕事に集中できなくなった。大切な商談の最中に頭が真っ白になることもあり、「血圧は下がっても、これでは生活の質が落ちるだけではないか」と疑問を抱くようになった。

休日に孫と遊ぶときも、少し走っただけで息切れと動悸に襲われ、抱き上げることすら辛くなった。家族から「もう無理しないで」と心配されるたびに、健康を取り戻したいという思いは強くなっていった。

長年付き合いのある同僚になんとなく相談したところ、「自分も高血圧だったけど、ここのカイロプラクティックに通ってから薬を飲まなくてすむようになったから行ってみたら」と当院を紹介された。

せっかく紹介してもらったから一度行ってみようと思い、当院のホームページを見てみると、高血圧の人が改善されたという記事を目にした。「根本から整える」ということに強く共感し、「自分が求めているものはここだ!」と希望を持って当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と左仙腸関節に加えて、下部頸椎・中部胸椎・下部腰椎と脊柱のあちこちに明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、上部頸椎と骨盤部に加えて、下部頸椎・中部胸椎・下部腰椎と脊柱全体に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼に加えて、下部頸椎・中部胸椎・下部腰椎に強い浮腫が確認され、頸部胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中5段階の慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も6段階中5段階の慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事が営業職で全国に出張があり予定が合わないことがあったため、できる限りケアの間隔を詰めて週2回のケアから開始した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、血圧が上170台、下100前後に下がり始め、本人は「まだ高いけれど、こんなに早く変化が出るとは思わなかった」と驚きを口にした。睡眠も少しずつ深くなり、朝の倦怠感が軽減していた。

4週目(6回目のアジャストメント)には、血圧が上160前後、下95前後に安定する日が増え、日中の頭が重い感じや動悸が軽くなった。この頃から「不安に振り回される感じがなくなってきた」と本人の言葉にも落ち着きが見られた。

8週目(10回目のアジャストメント)には、血圧が上150台、下90前後で安定し、生活への安心感が増した。この段階でケアのペースを週1回に広げることができ、営業先でも顔の赤みやほてりを気にせず過ごせるようになった。

14週目(16回目のアジャストメント)には、以降は血圧が上140台、下85〜90で推移し、同僚からも「前より元気そうだね」と声をかけられることが増えた。本人は「薬を飲まずにここまで安定するとは思わなかった」と安心感を口にし、行動や表情も以前より活発になっていた。

現在は、血圧値も安定し、高血圧に伴う動悸などほとんどの症状が落ち着いたが、再発防止のため定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の高血圧は、自律神経の乱れが原因であったと考えられる。

この患者の場合は、収縮期・拡張期ともに極めて高値(上220/下130mmHg)であり、全身の血管緊張が慢性的に固定化されていた。こうしたケースでは、単純に副交感神経を刺激するだけでは改善が進みにくく、まず交感神経の働きを整えることが必要になる。

交感神経は副腎や腎臓、甲状腺といった内分泌器官と密接に結びつき、血圧や代謝、体液調整を司っている。初期段階で交感神経にアプローチし、アドレナリンやノルアドレナリンの過剰分泌を抑えつつ、腎臓からのレニン分泌や甲状腺ホルモンの代謝作用を正常化させることで、まずは血管収縮と循環の過剰反応を解除することができる。

交感神経系の安定化により、血圧が急激な高値から比較的早期に下がり始めた。その後、上部頸椎や骨盤部といった副交感神経領域へのアプローチすることで、迷走神経機能の回復が進み、血圧を細やかにコントロールする反射機構(圧受容体反射や心拍変動の安定化)が取り戻されていったと考えられる。

副交感神経の働きが十分に回復すると、睡眠や情緒面の安定にもつながり、再び交感神経を過剰に刺激する要因が抑制される。この段階で血圧は安定域に入り、症状の再発も防ぎやすくなる。

交感神経から副交感神経へという段階的なアプローチを取ったことが、今回の異常高値を示す高血圧症例において効率的に作用し、薬に依存するのではなく神経・内分泌の連動性を根本から整えることにつながったといえる。

高血圧だからといって、すぐに副交感神経に絞ってアプローチを行うことが必ずしも良い結果を招くとは限らない。サブラクセーション(根本原因)を特定し、問題となっている神経系に働きかけ、自律神経系を順序立てて再構築していくことが、高血圧の改善においても極めて重要であることを示す症例であった。
異常な高血圧で脳梗塞や心筋梗塞の危機
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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