日常生活すら送れない三叉神経痛による顔面の激痛

日常生活すら送れない三叉神経痛による顔面の激痛

「手術しかない」と言われた顔面神経痛が良くなりました!

40代女性
来院に至った経緯
これまで大きな病気をしたこともなく、風邪一つ引かないような人生を送ってきた。薬を飲むことすらほとんどなく、健康には自信があった。

40歳を迎えたある朝、化粧をしているときに顔がピリピリするような違和感があった。その日は気のせいだろうと思い、特に気に留めなかった。ところが翌朝、今度は顔の激痛で目が覚めた。

左顔面にビリビリと電流が走るような激しい痛みで、顔を洗うこともできず、化粧をすることなど到底不可能だった。急遽、仕事の休みをもらい家族に車で病院まで連れて行ってもらった。病院では「三叉神経痛」と診断された。薬を処方され、「これで様子を見ましょう」と言われた。

しかし1週間経っても激痛は治まらなかった。歯磨きや洗顔など顔に触れる動作はもちろん、家族と会話をしている最中にも突然ビリっと電流が走り、生活のすべてが恐怖に変わった。

再度病院を受診し、薬が効かないことを伝えると「神経ブロック注射をやってみましょう」と言われた。これまで風邪薬すらほとんど飲んだことがなかった自分にとって、どんどん強い薬や注射へと進んでいくことに強い抵抗を覚えた。

「これ以上は手術しかありません」と告げられたときには、さらに大きな不安が押し寄せた。説明では「耳の後ろに穴を開けて血管を剥がす」「全身麻酔を使う」「この方法ならほとんどの人が改善すると、稀に何も変わらなかったり、再発する人もいる。」と聞かされ、頭では必要だと理解しようとしても、恐怖ばかりが募り、その日のうちに決断することは到底できなかった。

家に帰ってからも不安は消えず、「本当に全身麻酔で頭に穴を開ける手術なんて受けられるのだろうか」「術後に何も変わらなかったらどうしよう」と頭の中をぐるぐる考え続けた。なんとか別の方法はないかと必死にインターネットで検索し、鍼治療が有効だという情報を見つけた。

評判の良い鍼灸院に足を運んだが、そもそも顔を触られること自体が激痛で耐えられず、「この辺が痛みますか?」と不用意に顔を触られた瞬間に一気に不信感が募り、1回限りで通うことをやめてしまった。

それでも激痛は容赦なく襲ってきた。仕事は在宅リモートに切り替えてもらいなんとか続けていたが、いつ襲ってくるかわからない電流のような痛みに、精神的にも追い詰められていった。

「やはり手術しかないのか…」と考え始めた矢先、家族がYouTubeで塩川満章先生の動画を見つけてきた。

動画を見て確かに「すごい先生だな」と思ったが、調べてみると塩川先生の治療院は東京・銀座にあった。顔面神経痛の激痛を抱えながら、1時間以上も電車に揺られて通うことは現実的に難しいと感じ、諦めかけた。

そんなとき、息子が「塩川先生のお弟子さんが藤沢駅前でやっているみたいだよ」と当院を見つけてくれた。調べてみると、院長が塩川先生の治療院で副院長を務めていたことを知り、「ここなら信頼できるかもしれない」と思えた。

さらにGoogle口コミには感謝の声が溢れていて、「本当に救われた」という言葉が並んでいたことが後押しとなり、当院へ来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼に強い浮腫が確認され、頸部左胸鎖乳突筋と腰部左起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアケアから開始した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、起床時に毎朝のように出ていた強い激痛がやや軽減し、日によっては顔を洗えるようになった。依然として会話の最中に電流が走るような痛みはあったが、初診時のように「何もできない」状態からは少しずつ抜け出せるようになった。

4週目(8回目のアジャストメント)には、ビリビリと電流が走るような激痛が減り、洗顔や歯磨きの最中に走る痛みの頻度も明らかに少なくなった。会話中の痛みも一瞬ビリっと走る程度で収まる日が増え、患者本人も「恐怖感が和らいできた」と感じるようになった。夜間に痛みで目が覚めることがなくなり、睡眠の質も向上してきた。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

8週目(12回目のアジャストメント)には、顔を触れる動作に対する恐怖心が大幅に減り、化粧も短時間であればできるようになった。仕事も在宅リモートから徐々に通常勤務へと切り替えられるようになり、生活リズムが安定してきた。

12週目(16回目のアジャストメント)には、日常生活で突然走る激痛はほとんど消失し、会話や洗顔・化粧といった日常動作も通常通りできるまでに改善した。会社にも毎日出社できるようになり、家族や本人からも「以前と同じ生活が戻ってきた」と実感できるほどになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、再発防止と体調の維持のために、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の三叉神経痛は、交感神経の過剰な緊張によって三叉神経が過敏状態となり、日常の些細な刺激に対しても電流が走るような激痛を引き起こしていたと考えられる。

上部頸椎の機能異常は、脳幹や三叉神経核に直接的なストレスを与えるだけでなく、脊髄後方部の神経伝達にも影響を及ぼす。特に脊髄後方1/3は副交感神経に関与しており、この領域にサブラクセーションが存在すれば、副交感神経の働きは低下し、相対的に交感神経が過剰となる。

その結果、自律神経のバランスは崩れ、感覚神経線維の過敏性が高まり、痛みの慢性化へと繋がる。また、三叉神経痛の背景には血管による神経圧迫や中枢での異常な神経伝達といった要因が指摘されているが、今回の症例においては上部頸椎の機能異常や脊髄レベルでの圧迫ストレスの可能性も否定できない。

こうした構造的なストレスは、顔面の感覚を脳へ伝達する神経経路を混乱させ、痛みや痙攣を助長する要因となり得る。

特に重要なのは、脊髄後方1/3に生じた副交感神経低下が、上部頸椎のどのような変位によって引き起こされているのかを正確に特定する検査である。

単に「上部頸椎の問題」として片づけるのではなく、第一頸椎の変位なのか、後頭骨の問題なのか、それぞれがどの神経経路に負担を与えているのかを突き止めることが、根本改善に不可欠である。

サブラクセーション(根本原因)を取り除き、上部頸椎の機能が回復したことで副交感神経の働きが回復し、自律神経のバランスが整った結果、神経の過敏性は鎮まり顔面の激痛が次第に改善へと向かったと考えられる。

今回の症例は、三叉神経痛のように「顔の神経の問題」と片づけられがちな症状であっても、実際には上部頸椎や脊髄後方部における神経の機能不全が深く関与していることを示している。

改めて、痛みの部位そのものではなく、神経系全体の働きを根本から整えることの重要性が確認できる症例であった。
日常生活すら送れない三叉神経痛による顔面の激痛
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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