小学生で手術の可能性まで示された側弯症と背中の強い痛み

小学生で手術の可能性まで示された側弯症と背中の強い痛み

痛みが改善し、手術の不安から解放されて元気に学校生活を送れるようになりました!

10歳未満女性
来院に至った経緯
小学3年生のとき、学校の健康診断で「側弯症の疑いがある」と指摘を受けた。当初は日常生活に支障はなく、医師からも経過観察でよいと説明されていたため、家族もそれほど深刻には受け止めていなかった。

しかし小学4年生になると、健診で「前回よりも進行している」と告げられ、専門病院を受診することになった。正式に「側弯症」と診断されたとき、親御さんにとっては大きな不安と戸惑いの始まりであった。

その年の夏休み、娘が「背中が痛い」と訴え始めた。再度病院で検査を受けると、わずか4か月の間に側弯がさらに進行しており、医師からは「将来的には手術を検討しなければならないかもしれない」と説明を受けた。

その言葉は親御さんに強い衝撃を与え、将来の娘の生活や成長への影響を考えると、ただ不安ばかりが募っていった。病院からはコルセットの装着を勧められたが、インターネットで「小学生に長期間コルセットを着けると心身の発達に悪影響がある」という情報を見てしまい、どうしても装着に踏み切れなかった。

その後、背中の痛みは次第に強くなり、小学4年生の終わり頃には腰の痛みも出てきた。体の不調が日に日に増すたびに、親御さんの心配も大きくなっていった。

近所の接骨院を頼ったものの「小学生の側弯症はうちでは診られない」と断られてしまった。どこか良い治療院はないかと探していると都内に評判の良い整体院があり連れて行った。

そこで行われた矯正は、大人と同じような強い矯正で娘は強い恐怖心を抱き、涙を流して嫌がったため、一度で通院をやめることになった。

親として「痛みだけでもなんとかしてあげたい」という思いと「このまま進行すれば手術になってしまう」という恐怖、「無理な施術で余計に体を壊してしまうのでは」という不安との間で揺れ続け、出口の見えない状況に追い込まれていた。

そうした中で、数年前に住んでいた地域のママ友と偶然再会し、娘の状況を相談したところ、「実はうちの息子も側弯症だったけど、銀座の塩川カイロプラクティックで前田先生に診てもらってすごく良くなったの。先生は今、藤沢で開業されているはずだから、一度行ってみたら」と勧めてもらった。

信頼できる知人からの具体的な紹介だったこともあり、これまでの不安な経験とは違い「この先生なら娘を任せられるかもしれない」という確信に近い安心感が芽生えた。銀座の塩川カイロプラクティック時代の患者様のご紹介で当院に来院された。


【神奈川県鎌倉市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    腰部から背部にかけての過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と中部胸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼に強い浮腫が確認され、腰部から背部にかけて過緊張の状態であり、左短下肢2㎝以上の脚長差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では、側弯症による背中の痛みや腰痛の強い訴えもあり、週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、背中の痛みが少し和らいだと本人が口にするようになり、学校生活でも長時間座っているときの苦痛が軽減してきた。親御さんからも「夜に寝返りを打つときの痛みで起きる回数が減った」との報告を受けた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、腰痛の頻度が減り、体育の授業での動きもスムーズになってきた。体の柔軟性も少しずつ取り戻し、以前より姿勢が安定して見えるようになった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、背中の痛みはほとんど気にならない日が増え、表情も明るくなった。親御さんも「体を庇うような仕草が減り、安心して見ていられる」と変化を実感していた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、背中や腰の痛みはほぼ消失し、学校生活も日常生活も以前のように元気に過ごせるようになった。体のバランスが整ってきたことで、歩き方や姿勢の乱れも改善が見られた。

その後の側弯症の検診も、カイロプラクティックケアを受けてから3か月後に初めて受診すると、医師から「以前よりも側弯の角度がほんの少しだけ落ち着きましたね。このままなら手術しなくても大丈夫そうです。」と伝えられ、親御さんも安堵していた。

現在は、側弯症による背中の痛みや腰痛はまったく感じなくなったが、成長期途中の背骨や骨盤のメンテナンスの重要性に気づき、定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の側弯症は、体の土台である骨盤部の乱れが原因であったと考えられる。

検査では、重度の骨盤の左右差が確認され、左脚の長さが2㎝以上短下肢の状態であった。それによって腰部側弯は左凸となり、その補正作用として背部の側弯は右凸となっていたと推察される。

このように骨盤の不均衡は全身のバランスを崩し、二次的に脊柱全体に影響を及ぼす。

小児の側弯症の場合、体表温度検査のみならず、レントゲン評価によるスペシフィックなアジャストメントが不可欠である。単純に曲がっている部分を力任せに矯正するのではなく、問題の椎骨を一つ正確に特定し、そこにのみアプローチしなければ側弯の悪化を招く危険性がある。

特に小児の椎骨は、大人と比べると一つひとつが小さく繊細であるため、精密機械のように的確な検査力と技術力が求められる。

アメリカの小児カイロプラクティック専門医の中には「側弯症は母胎内ですでに始まっている」と考える先生もいる。子宮は骨盤から3本の強靭な靭帯によってハンモック状に支えられており、母体の骨盤が乱れると靭帯にねじれが生じ、発育中の胎児の体の成長に悪影響を与える可能性がある。

したがって妊娠前や妊娠中から母体の骨盤を安定させることは、将来の子どもの側弯症予防にも繋がると考えられる。

カイロプラクティックの目的は「曲がった骨を真っ直ぐにすること」ではなく、神経機能を回復させることである。骨盤の傾きや脊柱の弯曲は、人間が常に正中線を保とうとする補正作用の結果であり、その背景には機能的な問題が存在する。

成長期が終わっていない小児であれば、機能回復による改善は十分に見込めるが、骨を力づくで矯正することが目的ではないことを忘れてはならない。

一般的に矯正時に聞こえるキャビテーション(矯正音)は、骨が動いた音ではなく、関節内に溜まった窒素ガスが弾ける音にすぎない。したがって、ただ音を鳴らすことには意味がなく、不要な部位に対する過剰なアプローチは関節の不安定性を助長させる恐れがある。

特に成長過程にある小児、ましてや側弯症のケースではそのリスクはより極めて大きくなるため、細心の注意と正しい知識と技術力を持つカイロプラクターの存在は必要不可欠といえる。

本症例では、スペシフィックなアジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、骨盤部の安定性が回復した結果、背中や痛みや腰痛が改善したと考えられる。

骨を真っすぐにするような構造的なアプローチではなく、成長期における神経機能の回復を目的としたカイロプラクティックケアの可能性と、子供が本来持っている「治るチカラ」を十分に引き出すことができた症例であった。

※成長期が終わってしまうと構造的な変化は一切期待できなくなります。お子さまの側弯症でお悩みの方は、早期のカイロプラクティックケアをおススメします!
小学生で手術の可能性まで示された側弯症と背中の強い痛み
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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