寝起きに襲う激しい頭痛で毎朝の頭痛薬が手放せなくなった

寝起きに襲う激しい頭痛で毎朝の頭痛薬が手放せなくなった

朝の頭痛がなくなり、目覚めから一日を気持ちよく過ごせるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
大学卒業後、事務職として働いており、毎日パソコンに向かって資料作成やメール対応をしている。残業が続く日も多く、デスクに向かって一日中同じ姿勢を続けることも珍しくなかったが、これまでは大きな不調もなく過ごしてきた。

ところが数年前から、朝の目覚めと同時にこめかみがズキズキと脈打つような痛みを感じるようになった。最初のうちは軽い違和感程度だったが、徐々に強くなり、ここ1年ほどは布団から起き上がるのもつらいほどの頭痛が続くようになった。

特に休日、平日より少し長く眠った日の朝は決まって激しい頭痛で目が覚める。頭を起こすとガンガンと響き、両こめかみが締めつけられるように痛む。目を開けるのもつらく、しばらく布団の中で動けないこともあった。

午前中はとにかくつらく、体が重くて思うように動けない。仕事が始まってからも頭が重く、集中力が続かないためミスが増えることがあった。昼頃になると少しずつ痛みが引いてくるため、できるだけ頭痛薬は飲まずに我慢していたが、朝の痛みだけは耐えがたく、時々薬に頼らざるを得ない日もあった。

休日はゆっくり休みたいのに、寝れば寝るほど頭痛が強くなり、「休むことが怖い」と感じるようになった。枕を変えたり、寝具を買い替えたり、寝る前のストレッチや温めなども試したが、まったく効果がなかった。整体やマッサージを受けても「首や肩が固まっていますね」と言われるだけで、その場しのぎの軽さしか得られなかった。

「朝が来るのが怖い」「また痛みで目が覚めるのではないか」そんな不安を抱えながら眠る日々が続いた。仕事では表情を作って過ごしていたが、内心では常に頭痛のことが気になり、疲労感が抜けない状態が続いていた。

そんなとき、職場の同僚が「私も朝の頭痛で悩んでいたけど、ここに通ってからすごく楽になった」と当院を勧めてくれた。最初は「カイロプラクティックで頭痛が良くなるの?」と半信半疑だったが、同僚が朝から明るく元気に働いている姿を見て、「私も変わりたい」という思いから、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張と熱感(炎症)

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎・下部胸椎・下部腰椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部頸椎・下部胸椎・下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺に強い浮腫が確認され、頸部全体が過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。また頸部は異常な熱感(炎症)が確認された。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、頭痛の影響で午前中の業務効率が落ちて残業続きになってしまうとのことだったため、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、起床時のこめかみの痛みがやや軽くなり、「頭が重たい感じは残るけれど、目覚めが以前よりも楽になった」と話していた。頸部の炎症が引いた影響か、夜の寝つきが良くなり、睡眠時間がやや短くても翌朝の倦怠感が少なくなっていた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、「休日に少し長く寝ても以前ほど頭痛が出ない」と話していた。朝方に感じていたこめかみの拍動痛も弱まり、頭痛薬を飲まずに過ごせる日が増えていた。この頃から首や肩のこりも軽くなり、日中の集中力が上がったと感じていた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

8週目(6回目のアジャストメント)には、起床時の頭痛はほとんど出なくなり、体全体の軽さを実感していた。「朝からすっきり目が覚めるようになった」「休日の朝が怖くなくなった」と笑顔で話していた。

12週目(8回目のアジャストメント)には、頭痛は完全に消失し、仕事中も首や肩のこりを感じなくなっていた。以前よりも姿勢を意識せずに長時間作業できるようになり、同僚から「最近、顔色が良くなった」と言われるほどだった。睡眠の質が向上し、朝の倦怠感もほとんど見られなくなった。

現在は、頭痛や首の重だるさはまったく感じなくなったが、再発防止と身体のメンテナンスのため定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の寝起きの頭痛は、甲状腺機能の低下が主な原因であったと考えられる。

甲状腺は人間の代謝を司る重要な臓器であり、わずかな機能低下でも全身の代謝バランスに影響を及ぼす。検査では下部頸椎に顕著な可動域制限と熱感が確認されており、この領域は甲状腺の神経支配と密接な関係にある。頸部に長期間負担がかかっていたことが、神経を介して甲状腺機能に影響し、代謝の低下を引き起こしていたと考えられる。

人間は睡眠中、活動時に比べて代謝が自然に低下する。つまり、もともと代謝が落ちる睡眠中に、甲状腺機能が低下した状態が重なると、体内に老廃物や酸化物質が停滞しやすくなる。この「代謝の二重低下」が、朝方に体内毒素が処理されきらず、頭痛というシグナルとなって表れていたと考えられる。実際に本症例でも、午前中に頭痛が強く、代謝が上がる昼頃には自然に痛みが軽快していた。

また、下部胸椎にも明確な反応が見られた。この部位は腎臓の神経支配と関係しており、体内の老廃物や毒素を排出する働きに関与している。腎機能の低下や神経伝達の乱れが重なると、代謝産物が体内に留まりやすくなり、全身の循環が滞る。これにより血液中の酸素供給が低下し、頭部の血管反応が過敏になって頭痛を誘発する一因となる。

さらに、下部腰椎にも反応が見られた。これらの部位はすべて交感神経支配領域であり、交感神経の機能低下は体温調整・代謝・循環のいずれにも影響を及ぼす。交感神経の働きが鈍ると血管の収縮・拡張リズムが乱れ、血流が一時的に停滞しやすくなる。その結果、脳への酸素供給が不安定になり、特に寝起きの時間帯に頭痛が強く出ると考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が除去されると、これらの神経支配領域の情報伝達が正常化し、脳幹での自律神経調整が回復した。頸部の固有受容器からの誤作動信号が解除されることで、脳は「この関節は安全に動かせる」と再認識し、局所の防御反応が解かれる。結果として、筋緊張が緩み、血流と酸素供給が回復し、代謝機能も正常化したと推察される。

このように、代謝低下と神経伝達異常が複合的に関与していた頭痛が、神経系の再統合によって改善したことは、神経機能の調整がいかに全身の代謝や循環の正常化に寄与するかを示している。単なる筋緊張やストレス性の頭痛ではなく、内分泌系と自律神経系のバランスを整える重要性を再確認させる症例であった。
寝起きに襲う激しい頭痛で毎朝の頭痛薬が手放せなくなった
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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