どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり

どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり

朝から感じていた肩こりと頭痛が消え、1日中快適に過ごせるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
大学生までは肩こりを感じたことなど一度もなかった。授業で長時間座っていても平気で、友人から「肩が痛い」と聞いても正直ピンとこなかった。どちらかといえば姿勢も良く、肩こりとは無縁の体質だと思っていた。

しかし社会人になってマーケティング会社に就職してから、生活は一変した。朝から夜までパソコンの前に座りっぱなし。何時間も同じ姿勢で資料を作り、オンラインミーティングでは画面越しに話し続ける。

気づけば肩が重く、首の後ろがじわじわと痛み始めるようになった。最初のうちは「寝違えただけかな」と軽く考えていたが、週末になっても肩の張りが抜けなくなっていた。

次第に、肩こりが日常の一部になっていった。仕事が終わる頃には肩から背中にかけて鉄板を背負っているような感覚があり、夜になると首筋まで固まって頭が重くなる。整体院に行けばマッサージやストレッチでその場は楽になるものの、帰り道の電車の中ではもう肩が張ってきていた。「また同じだな」とつぶやくのが癖になっていた。

それでも諦めきれず、できることは何でも試した。ホットヨガやピラティスでたっぷり汗を流したり、温かいタオルを首に当ててみたり、寝具を変えてみたりもした。しかし、どれも決定的な改善にはつながらず、気づけば「何をしても肩こりは良くならない」と思うようになっていた。

30歳を迎える頃には、朝起きた瞬間から肩がこっていることが当たり前になった。起き抜けに肩を回そうとしてもゴリゴリと音が鳴り、すでに筋肉が硬直しているのがわかった。ひどい日は首の付け根からこめかみにかけて痛みが広がり、目の奥がズーンと重く、頭痛まで出てしまう。

朝から頭痛薬を飲むことに抵抗があり、我慢して出社するが、午前中は集中できず、画面を見るたびに肩がさらに硬くなるのを感じた。午後には肩から背中まで張りが広がり、首の可動域が狭くなっているのがわかる。

このままでは仕事に支障が出ると思い始めた頃、同僚との雑談の中で「私も肩こりと頭痛がひどかったけど、ここに通ったら本当に楽になった」と当院を紹介された。これまで整体やマッサージには何度も通ってきたが、カイロプラクティックは受けたことがなかった。

「そういえばカイロプラクティックって何が違うんだろう」と興味を持ち、同僚が実際に改善したという話に安心感を覚えた。まったく知らない治療院に行くよりも、信頼できる人の紹介の方が心強いと感じ、根本的に肩こりを改善したいという思いで当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    首から肩にかけての過緊張

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺に強い浮腫が確認され、首から肩にかけては過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルで仙骨が前方へ傾き過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

平日は残業続きで時間の確保が難しいとのことだったので、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、朝起きたときの肩の張りが少し軽くなり、首を回す動作がスムーズになった。これまで朝から感じていた重だるさが薄れ、「寝起きが少し楽になった」と話していた。仕事中も肩が上がりにくい感覚が和らぎ、頭痛が出ない日が増え始めた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、デスクワーク中の肩こりが以前ほど強く出なくなり、姿勢を維持することが楽になった。これまで頻繁に肩を回していたが、その回数が減り、自然と集中して仕事を続けられるようになった。帰宅後の疲労感も軽くなり、入浴後のリラックス感が長く続くようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

10週目(7回目のアジャストメント)には、首から肩にかけての筋緊張が明らかに緩和し、可動域の広がりが見られた。以前は午後になると肩甲骨の内側が張って痛くなっていたが、それが気にならなくなり、「肩こりを意識しない時間が増えた」と本人も変化を実感していた。

18週目(11回目のアジャストメント)には、朝の頭痛は完全に消失し、肩こりもほとんど感じなくなった。夜の寝つきも良くなり、睡眠の質が安定したことで、朝起きたときの体の軽さを実感できるようになった。仕事後の疲労感も激減し、「体が軽く、1日が終わっても首や肩が固まらない」と笑顔で話していた。

現在は、肩こりや頭痛などの症状はほとんど落ち着いたが、再発を防ぐための身体のメンテナンスとして、定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の肩こりは、下部頸椎の神経機能低下が原因であったと考えられる。

肩こりには大きく分けて2種類のタイプがある。一つは、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過剰に優位となることで全身が過緊張を起こしているケース。もう一つは、下部頸椎や上部胸椎などの神経機能に負担が掛かり、首のバランスが崩れた結果、頭の重さを支えるために首肩の筋肉が過剰に緊張してしまうケースである。

今回の肩こりは、完全に後者のパターンであったと考えられる。人間の頭の重さは平均で4〜6kg、ボウリングの玉に匹敵するほどの重量がある。首がわずかに前傾するだけで、その負担は急激に増加する。

ある研究によれば、首が60度前傾した状態では頸部に約27kgもの重さが掛かるとされている。つまり、長時間のデスクワークやオンラインミーティングで首が前に出た姿勢を取り続けることは、頸椎の神経に常に大きな圧力を加えているのと同じである。

下部頸椎は肩や上肢の筋肉を支配する神経が集中する領域であり、ここに慢性的なストレスが加わると神経機能の伝達が乱れ、筋肉が常に防御的に収縮してしまう。結果として血流が滞り、乳酸や老廃物が蓄積して筋肉が硬化する。

このように肩こりは患者本人は「肩が凝る」と感じているが、実際には神経系の異常な緊張反射によって引き起こされているケースが多い。

アジャストメントによって下部頸椎のサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、神経伝達が正常化し、筋緊張と血流障害が改善された。神経の働きが整うことで筋肉は自然に弛緩し、首や肩の可動性が回復する。それに伴って頭部の位置も安定し、首への負担が軽減された結果、慢性的な肩こりや頭痛が解消へと向かった。

肩こりは単なる筋肉疲労ではなく、姿勢習慣と神経機能のバランスが崩れた結果として現れる“警告サイン”である。とくに現代社会では、スマートフォンやパソコンの使用によって首が慢性的に前傾し、下部頸椎に持続的なストレスを与えている人が多い。

神経の働きを整え、身体が自然に回復できる環境を取り戻すことこそ、慢性的な肩こりを根本から解消するための本質的なアプローチであるといえる。本症例は、姿勢習慣による下部頸椎の神経機能低下が引き金となり、筋緊張と循環障害を招いていたことを示す典型的な肩こりの症例であった。
どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり
どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり どんなにマッサージをしても治らない慢性的な肩こり

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop